>>16
…ふむ
(相手の視線に沿って外に目をやる。走行する列車の横で揺れる星草が、まるで青い海のように彼方まで広がっている。奥には大樹が2本、その上には丸い満月。【運命】は間違ってはいないのだ。)
(ギシ、木板の床が軋んだ音を立てた。謎の人物が腰掛ける座席の向かい側に座ると、静かに尋ねる。)
詮索、か。それならアンタは知ってるかい?
『入れ替わり』ってやつだ。
「『入れ替わり』……ですか……?」
向かいに座った少女の問いに、首を傾げた。
「さて、なんのことやら。皆目検討もつきませんね」
この世界に来て間もないものである、何も知らないに等しいそのものが誰かの尋ねごとに答えられるわけもない。
「何かの情報提供なら、今の私には難しいものです。
何か分かったところで貴方に教える……という形でもよろしいでしょうか?」
窓の外に目を向けたまま、こう口にする。