>>26
>>27
「そうか……マリンはまた……他者に災を……」
(血の垂れた手をズボンに擦り拭く。他人のそういう因縁話を聞くたびに、小さなため息が出る。だからこそ、)
「早く会いたい………」
( この感情に名を付けるのであれば、何が相応しいか、不安 ? 焦り ? 切望 ? 殺意? 今はきっと分からない。分かるようになるには会うしかないのだ、と脚をせっせと勤勉に動かす。
いつもは何もかもがめんどくさい。めんどくさくて、何もしたくない、呼吸もめんどくさい。でも、マリンのことを考えると、不思議と動ける。だから、歩いて歩いて、着いた。)
「ここが王城……… 」