[夏とジンクスが知っている]
4.誉め言葉と鼓動の関係
って何いってんの私!?
「や…!今のは違…っ」
「…確かにここだと周りの野次馬がうるせーし…仕方ねーな。」
…マジですか____
。・。*。・。*。・。*。・。* 。・
「…んで、聞きたいことって?」
少し歩き、学校から遠ざかってきた辺りで聞いてみる。上杉からの返事は
「あぁ、お前に絵描く…ポイントっつーか…コツ?みたいなの聞いてみたくて。」
これ。…正直そんなので呼ぶな…
その気持ちをグッと堪え、私はこう言った。
「私に聞かれても…そもそもあのコンクールで賞取れたのだってどうせ偶然だろうし…」
これは私の本心。それに、私は確かに絵やイラストを描くのは好きだけどだからってそれで人気者と関わるなんて無理。人気者と関わったってろくなこと無いしね。
でも、次の上杉の一言がそんな私の冷たい心の鼓動を高鳴らせた…
「お前さぁ、馬鹿なの?偶然とかまぐれで賞取れる位なら、俺みたいな塾生が必死に勉強してる意味って無いじゃん。お前が賞を取れたのは実力だ。俺はそう断言できるね。たまたま、とか信じねーし。お前は絵ぇ描くのが好きだから頑張ったんじゃねーの?だったら俺はお前を誉める。尊敬する。どんなことであろうと、俺が評価するのは結果もあるが、それ以上に過程だ。だから俺はお前のことをすごいやつだと思う。で、そんなお前に絵のコツ聞きたいんだけど?」
……考えるより先に返事してた。
「私でいいなら…!」
その時私は自分が今までにない嬉しさを感じながら…
恋に落ちる感覚を知ったんだ___
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>>733
(気にしないでね!)