5.どうして藤本先生が?
「あのぅ、お伺いしてもいいですか?どうして藤本先生が、私たちの名前を知っているんですか?」
藤本先生はビックリして、紅茶を取り落としそうになっていた。
「莉沙ちゃんは、付けてみたかった名前なの。七星ちゃんは、カワイイでしょう?莉沙ちゃんの隣で頑張る姿、書きたかったのよねえ。」
たまたまにもほどがありません!???
じゃ、じゃあじゃあ。
つぼみちゃん、夢華ちゃん、なむちゃんはどういうことなの?
「つぼみちゃんはね、私の姪の名前。生まれつき障害を持っているけど、いい人生を送れることを書きたいの。本の中では障害を持ってないわよ?夢華ちゃんは、実際つぼみちゃんの妹。つぼみちゃんを書いたら夢華ちゃんも書きたくなるでしょう?なむちゃんは、まとめ役がいないから、みんなをまとめるいい子がいるって。」
へぇ〜
小説作るのも難しい〜
「私、朝加莉沙で、こっちが…」
「上咲七星です!」
「つぼみは分かりません。夢華も…なむちゃんも…」
「ありがとう。作らせていただくわね。楽しみにしててね♪」
キャーーー!
続きよろしく。
>>125〈2〉
大丈夫よ!
そっか、忙しかったんだぁ。お疲れ!
りょーかいっ!
わぁ、リレーの続きだっ!
でもさぁ、つぼみと夢華となむちゃんの苗字が分からないと、続きが…。
つぼみ、夢華、なむちゃん!来たら、苗字書いてねっ!
もー今書く!リレーの続き!!
でも、若干寝ぼけてるから、変かも…?ごめんね。
【飛び込んだ少女たちは知っている】
>>74:1,プロローグ
>>81:2,葉友の会
>>95:3,新刊?!
>>121:4,内容は?
>>126:5,どうして藤本先生が?
6,もう一人。
「あ〜もぉ、感動っ!来てよかったっ!」
藤本ひとみ先生のご自宅にお邪魔した、莉紗とわたし。
先生の家を出た瞬間に発した言葉がコレ。
「ホントだね〜!なんか…嬉しいよね!」
どうやら、さっきまで結構冷静そうだった莉沙も、ずいぶん興奮しているようで。あと藤本先生って…
「「優しかったよね〜!」」
わ、莉沙とハモった!お見事っ!
きゃーきゃー言いながら手を取り合って笑い合う。
…その時。♪〜♪〜、と着信音が。しかも、わたしの。
「誰だろ?」
えっと……。わっ!!!
「り、莉沙ぁっ!ふ、藤本先生からなんだけどぉっ!!」
「ええ!?で、出てみて!」
ふたり揃ってパニック!だって…ねぇ?!
「は、はい!もしもし、上咲七星です!」
パニクってるわたしとは反対に、落ち着いた深みのある声が聞こえてきた。
『あぁ七星ちゃん?さっきの新刊の話にちょっと補足なんだけれど、いいかしら?』
それは…!即答もの!
「もちろんです!」
『ありがとう。先ほど話したとき、少女たちは莉沙ちゃん、七星ちゃん、つぼみちゃん、夢華ちゃん、なむちゃんの5人と言ったわよね』
「はい。えっと、それが何か…?」
藤本先生は、軽く笑ってこう言った。
『実はもう一人いるのよ。言わないでおこうと思っていたけれど、貴女方には話したくなったわ』
はぁ……。
『もう一人、それは若彩ちゃんよ。また、貴女方のお友達かしら?この子のこと、知っていて?』
だ…誰のこと?
「は、初めてお聞きしました…!若彩ちゃん、ですか…」
『あら、そうなの?』
なんとなく、藤本先生の声のトーンが低くなったような気がして、慌てて「あの…!」と、声を上げる。
でも、電話口から聞こえたのは楽しそうな声だった。
『…それなら、良かったわ!』
へ?
『ほら、知らない子の方が読んでいて楽しいでしょう?』
あ、なるほど!
「そうかもしれません」
『じゃあ、若彩ちゃんについては言わない方がいいわね。楽しみを減らしたくないもの!…では、話したばっかりに悪かったわ。また会いましょう』
「そんなことないです。ありがとうございました!」
電話なのに、深ぁくお辞儀をしてしまった…。
「なんて?」
「あ、わたしん家に帰ってからにしない?また、みんなも呼ぼうよ!」
早く聞きたそうな莉沙だけど、その方がいいと思ったのか、賛成してくれた。
一旦切るけど、もう一話書く!
【飛び込んだ少女たちは知っている】
>>74:1,プロローグ
>>81:2,葉友の会
>>95:3,新刊?!
>>121:4,内容は?
>>126:5,どうして藤本先生が?
>>154:6,もう一人。
>>155:7,まさか…
8,
「は〜、さっぱりした。七星の家のお風呂、気持ちよかった〜。」
つぼみが、バスタオルを肩にかけて部屋に来た。
ここは、七星の家の和室。
とてもいい香りがして、なぜか落ち着く。
昔の友達の家の香りみたい。
「みんな、お茶を入れてきたわ。もうみんなお風呂入ったみたいだし、早く寝てくださいね。」
【は〜い!】
七星のお母さんは、お茶を置いて部屋を出ていった。
ビューービューー
「七星。いつもこんな風?」
なむちゃんが心配そうに聞く。
七星もちょっとふるえている。
「つぼみ。冷えるからバスタオル置いてきたら?」
私が言うと、つぼみは走ってお風呂場に行った。
「七星、お布団ひこう。寒いから、早く暖まりたいし。」
私の提案で、みんなでお布団をひくことにした。
なむちゃんは、手がふるえてひけていない。
そんなにびびっていないつぼみは、なむちゃんの分のお布団もひいていた。
「さあ。寝よう。」
つぼみが言って、みんなでお布団に入る。
4人だけど、お布団は3つしかない。
私は、七星に入れてもらうことにした。 ビューービューー
「怖い…七星、怖い。」
なむちゃんが、隣にいるつぼみにくっつく。
つぼみも、私にくっつく。
みんなでお団子みたいにして寝る。
[ねえ。向こうちょっと眩しくない?]
なむちゃんが、リビングを指さしてつぼみに言う。
つぼみ[気にしない、気にしな、]
つぼみ『いやぁーーー!!!』
突然まぶしくなって、つぼみが叫ぶ。
風の音も大きくなる。
一体なんなの!?
【飛び込んだ少女たちは知っている】
>>74:1,プロローグ
>>81:2,葉友の会
>>95:3,新刊?!
>>121:4,内容は?
>>126:5,どうして藤本先生が?
>>154:6,もう一人。
>>155:7,まさか…
>>167:8,謎の光
9,優しそうで意志の強そうな女の子
「いやぁーーー!!!」
そんなつぼみの叫び声や、
「一体なんなの!?」
という莉沙の声を聞きながら、わたしたちは光と風にのまれていった。
あなたは、誰?
わたしの頬を優しく撫でてくれているあなたは、誰?
[……せちゃん…なせちゃん]
誰なの、女の人だね。
優しそうで、可愛らしい人なんじゃないかな……。
「…七星ってば!」
「起きてよっ!!」
「目を開けて!!!」
……ん?
この声は……
「莉沙!つぼみ!なむちゃん!」
そう言いながらバッと起き上がったわたしを囲んでいるのはやっぱり。
「うぁ〜七星〜〜〜!」
「もうっ、心配したんだからねっ!」
「良かったぁ……!」
莉沙、つぼみ、なむちゃんと……あれ?
「あのぉ〜失礼ですが、どちら様ですか?」
わたしの視線の先には、茶色がかった髪に、同じ色の瞳。
そして、優しそうで意志が強そうな女の子がいた。
なんか……見覚えが、ある。
「あっ、ごめんね」
私がいつも読んでる本……KZに出てる子?
「立花彩です」
……はい?ウソ、だよね?
まだ夢を見てるのかな、わたし……。
「き、聞き間違い…ですよねっ!」
アーヤ……らしき人は首を横に振り、もう一度言った。
「私は、立花彩といいます」
「えええええぇぇぇぇぇっっっっっ!!!!!!!!!!」
その瞬間、わたしの絶叫が響き渡ったのだった……。