初回、前回>>81
《楽聖は知っている》
1.宮瀬 真歌奈side
ある日、手紙がポストに入っていた。 白い洋型封筒で、切手は貼られていなく、直接家のポストに投函したようだ。
「誰宛かな? どうせお姉ちゃん宛でしょう……」
私は楽譜を脇に挟み、手紙をひっくり返す。
私の姉、宮瀬梨乃は美人でモテるのだ。白い肌に人形のようにくりんくりんの大きい目。外見だけでなく心も広い姉は、男子からも女子からも好かれている。
大抵このような洋型封筒は姉宛の手紙。今時メールがあるのに、と思うかもしれないが姉は携帯を持っていないし、ついでに機械音痴なのだ。
だからって、家のポストに入れないでほしいな……下駄箱とかあるじゃない。自分がダメ人間に感じてしまうじゃない。
私は姉と違って平凡な顔だし、結構短気だ。同性の友達も指で数えるほどしかいない。
でもいい、私には永遠の友人であり恋人の音符とピアノがある。
そう思いながら宛名を見る。
私は宛名に書かれた名前を見た直後、全身が凍りつく気がした。震えて固まった手から封筒が滑り、地面にカサッと音を立てて落ちた。
黒いペンで綺麗に書かれた名前。
《不滅の恋人へ》
暫く身がすくんで動けなかった。
私は震える手で手紙を拾い、通学カバンに押し込むと自電車にまたがった。
楽しみにしてまっす!
>>88
え、他からコピペすれば♡打てるよ?
>>91
檸檬は小説下手だね
(はい!これでいいの!?)
>>99
怜の漢字違うよ〜
>>100おめでとう♪
>>102
おおー!文章力あるるね〜...いいなぁ〜...
続き楽しみにしてます♪((o(▽ ̄*)oワクワクo(* ̄▽)o))
>>105
RARAだーー!!
久しぶりっ!お、覚えてる...?
全然、タメでいいのに〜...(  ̄з ̄)
初回>>81
前回
《楽聖は知っている》
1.宮瀬 真歌奈side
学校に着き、教室に入り、辺りを見回す。
時計は7時35分を指していた。やはり、まだ立花さんは来ていない。大抵8時くらいに来ているから。
なら、立花さんが来るまでに手紙の内容を確かめた方が良い。
私は洋方封筒を鞄から取り出すと、それをクシャクシャにならない程度に握り締め、足早に音楽室へ向かった。
教室のドアを開けると、いつも通りがらんとしていた。この時間だけは人がいない。
まだ少し震える手。息を大きく吸い込み、心を落ち着かせる。
「大丈夫、宛名が《不滅の恋人》だからと言って……」
だからと言って……
ダメだ、言葉が見つからない。
この手紙は絶対に見たくない。
でも。見なければ、見なければ……
ふと、顔を上げる。
部屋に置かれているベートーヴェンの肖像画と目があった気がした。
何でこんな時にベートーヴェンと目が合わなくてはいけないのだろう……本当に気味が悪い。
私は深呼吸し、洋方封筒の封を開ける。
ペリペリペリ……
再び深呼吸し、封筒の中をのぞく。
「え……?」
そこには、紙など入っていなかった。
スケジュール変更。
学校ではなく、秀明で伝える。