>>165の続き
『ハートの石は知っている』#6
「おい、アーちゃん!」
フンだ。
和くんに聞くもんか。
小塚君は、ゆっくり私の方を見て言ってくれた。
「僕の方が詳しくないと思うけど、若武ってああいう奴だろ?とりあえず僕は無視してる。僕にはどうしたらいいか分からないから。」
ほっとけばいいのか。
そうしたら、関わらなくて済む。
ん?
関わらなくて済む?
「立花さんも、まずはほっとけば?」
まあ、どうしたらいいのか知らないしね。
小塚君の方が分かってるじゃん。
「小塚君ありがとう。」
にっこり笑うと、小塚君は頬を赤く染めた。
そして、下を向きながら一言。
「立花さん、ありがとう。立花さんって可愛いね。」
えっ?
か、可愛い?
私が?
ないない、絶対ない。
それを、和くん聞いてないよね?
和くんの方を向くと、思いっきり睨んでいる和くんがいた。
「何でなのっ?どうしてみんなにいい顔するの?自分のことしか考えず、他の子のことを考えずに!」
メイりんとメアりんもうなずいて見ている。
小塚君も、和くんを見て。
うんん、若武を見て。
「アーちゃん!」
自然に、涙がポロポロ出てくる。
ああ、もうヤダ。
「ダイッッキライ!もう、絶交よ!」
続く
>>175の続き
(若武目線)
翌日
「アーちゃんのママァ。アーちゃんいる?」
「アーヤ?もう行ったわよ?」
え、本当に絶交なの!?
ノリで言ったかと思ったのに。
本気で言ってたなんて。
「ごめんね。和臣くん。送ってく?」
「いえ。いいです。ありがとうございました。」
ひとり、寂しく道を歩く。
ふと顔をあげると、学校で仲良くしてる男友達、優太がいた。
「あれ?和臣、立花と一緒じゃないんだね。昨日のマジだったんだ。」
ちょっと優太、ムカつく。
俺は、まゆたんにっ!
「和く〜ん。まゆたんだよお!」
ま、まゆたん。
俺の…気になる女の子、真由。
通称まゆたん。
かわいくて、優しくて、好きなんだ。
アーちゃんは、幼なじみとして、好きなだけ。
ハートの石、アーちゃん忘れてると思うから、まゆたんにあげようかなって考えてる。
ずっと、机の中にあるんだ。
「和くん、まゆたんと付き合ってよ。彩ちゃんよりいいでしょ?それに、和くんってまゆたんのこと好きなんでしょ?」
え?
「付き合えば、彩ちゃんのことは幼なじみなだけ。まゆたんの彼氏だから。どう?」
優太は、ニヤニヤ笑っている。
どうしたら。
まゆたんと付き合いたいけど、アーちゃんに!
「アーちゃんに言う言葉?まゆたん言うからいいよ。まゆたんと付き合いたいでしょ?」
「う、ん。」
「アハッ!じゃあ、カレカノね!」
何か嬉しい。
まゆたんと、カレカノになれた。