2 失恋の歌
「失礼します」
そう言って踏み入れた部室では驚きの光景があった。
なんと!悠飛と部長が百人一首で対戦してたの!
「あの……ここの現場、どうなってるんですか」
2人が戦っているところを見ていた副部長にこっそり聞いてみた。
「悠飛が今後一ヶ月は野球の方に専念したいって、部長に申し出たんだけど、特に大会が近いっていうわけじゃないからって許可しなかったんだ。だけどね、百人一首大会が近いから百人一首で勝負して悠飛が勝ったら野球部に行っていいって部長が言った。で、今この状態」
はぁ………
「大江山〜」
「君がため〜惜しからざりし〜」
「村雨の〜」
だんだん札の数が少なくなっていく。
もしかして、今日の部活はこれだけ?
詠んでいた部員も少し疲れが見えている。
「うわ〜、負けた〜」
やがて、勝敗が決まり、悠飛は負けた。
「お、立花か。俺結構札取ってただろ」
うん……負けたけどね。
「立花、ちはやふる神代もきかず竜田川唐紅にみずくくるとはって知ってる?」
知ってる、有名(?)だもの。
「じゃあこれは知ってるか?巡り逢ひて見しやそれともわかぬ間に雲隠れにし夜半の月かな」
知らない、かも。
「これ、源氏物語の紫式部が詠んだ歌で、意味は、久しぶりに会ったのに見たのはあなたなのかどうかもわからないうちに帰ってしまった。雲に隠れてしまった夜中の月のように、って言う意味なんだ」
へぇ〜。
悠飛の言葉を聞いていると、この前の出来事と重ね合わせてしまった。それは「学校の影ボスは知っている」でのこと。
影ボスからの攻撃に耐えられなくなっていた時、砂原が会いにきてくれたけど、雲に隠れる月のように一瞬で帰ってしまった。もしかしたら、砂原に会うのはこれが最後かもしれない。そう思った私の気持ちは、この歌を詠んだ紫式部と同じ気持ちなのかな。
「立花、顔色冴えないけど、大丈夫か」
悠飛の声で、我に返る。
「大丈夫。ちょっと考え事してただけだから」
「そうか」
はぁ、こんなことで悠飛を心配させちゃダメだ!
私は、パソコンに向かって、文字を打ち出した。
2章終了!
悠飛カッコいい!
あ゛あ゛死ぬ。
悠飛は、悠飛は、イケメン界の頂上に君臨する存在といっても過言ではないっ!
あれ?そうでしたっけ?今[消えた黒猫は知っている]読んでたんですけど79ページあたりに、
[俺てんで知らない。 前に聞かされたけど興味ないから忘れた]
的な事言ってた気がします。
歴史得意なのって翼じゃなかったですっけ?(間違ってたらすみません)
>>50と>>53
いろんな百人一首が出できたり、歌の意味も入っていておもしろいです❤️
アーヤ国語得意なのにあんまり百人一首覚えてないってところも可愛くて好きです!
アーヤ暗記得意だからやる気になればすぐ覚えそう(^-^)
続き楽しみに待ってます♧
遅くなりましたが、ノノさんと舞香さん、呼びタメokですか?
私はokです!!