憧れが手繰り寄せた赤い糸  

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771:  ◆/pk.:2020/01/15(水) 23:17


  遅れました〜〜( 土下座 )

 
 それから、コンビニはあまりにも監視の目が多く、危険だということで離れることになった。聞き覚えさえもない地名に何が何処にあるかなど分かるものか。誰かに道も聞けないし、さ迷う内に寂しげな駄菓子屋に着いた。幸いと言うべきか当然と言うべきか、他に客もいなかった。お婆さんが一人いるだけ。お婆さんは眠っているし、そして俺らは、困っている。俺は静かにレジへと近付き、恐らく小銭が入っているであろう貯金箱を引っ掴んだ。すぐに彼女に小声で行くぞ!と囁き、音が出ないようにしっかりと持ちながら店を飛び出した。冷や汗に気が付きながらもばっと振り向くと、余りの硬貨の音に既に俺らの決死の判断の犯罪は明るみに出ていた。


  「 …はァ、っはぁ、はァッ…… 」

 俺は、俺達は一体何をしているのだ。俺のすぐ後ろを走っている彼女が、疲れによってかそれとも恐怖か、くしゃりと顔を歪めた。俺は左手で抱えた物を更に強く抱き抱え、右手を彼女に差し出した。少し躊躇う彼女に、もう一度ぐい、と手を伸ばす。乱暴だったかも知れない。が、彼女はおずおずと手を取ってくれた。またこの小さななにかで繋がる俺ら。いつまでも走れる気がした。

 と、目の前の看板に吸いつけられた視線、刹那止まった足に彼女が手を引っ張る。行かないのかと言いたげな瞳にこくりと頷き、しかし一応走りながら声だけは出した。

  「 ……あれ。海、 」
  「 あ、海… 」

 彼女も気がついたようだ。看板には【 → 海 】と記されていた。俺らはどちらからとも分からず頷き合い、道を曲がってやや遠くに見える砂浜と蒼へと、その一歩を踏み出した。


 


  ◆/pk.:2020/01/16(木) 17:45 [返信]


 お姉様、、>>771


  ◆/pk.:2020/01/20(月) 21:25 [返信]


 >>617 >>771 >>903 小説まとめです( 多分 )


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