随にフラグメント

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4:∵(何故ならば):2015/12/17(木) 23:03 ID:QLI

>>2続き

 百舌の趣味というのは、動物を殺すことだった。他人のペットを殺すのは犯罪であるし、飼い主を悲しませるのは胸が痛む。ならば所有者の存在しない、山の動物なら殺しても構わないはずだ。そう考えた百舌は、六ヶ月ほど前から時々裏山に斧を持って入り、動物を追いかけ回しては、殺した。死骸は土に埋めて隠していた。
 しかし、2週間ほど前から異変が起きたのだ。殺した後、埋め忘れた動物の死骸が、腹を切り裂かれて、臓器を引きずり出されていたのだ。胃袋も切り裂かれて、中身が溢れていた。明らかに人の手が加えられていて、自分の作った死骸に手を加えられるのは、何処か腑に落ちなかった。それと同時に、そんなことをする誰かの正体を、ただただ、確かめたいと思っていた。
 百舌もマッキーも、強ばらせていた表情を和らげて、それから笑いあった。
 きっと、マッキーも動物殺しの犯人を探し求めていたのだろう。動物の死骸を通して出来ていた、不思議で歪な関係の正体を。


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