小説
いなくなればって、どういう意味?
「フフフフフフフフフっ!」
不気味な笑い方だな、そんなこと考えてる場合じゃないんだけどっ!
だって………、寧々華さんは先にカッターの付いたライトを持っていたから。
これって、まずい展開な気が………。
「盛山………、さんっ?!」
翔が隣で叫んだ。
それでも寧々華さんはお構いなしだった。
刃先を向けながら、近づいてくる。
これは………、本気だ。
翔が私の前に割り込んだ。
「奏………、ここでおとなしくしてろよ。」
う………ん。
「どいてどいてどいてっー!」
ひっ!
そのとき、思った。
今まで翔に頼りっぱなしだなぁって。
いいのって。
私のするべきことは、守られてるってことじゃないんじゃない?
「翔、もういいよ、大丈夫だから。」
翔の声は、何となく震えているような気がした。
やっぱり、もう嫌だよね。
私が。
私が守らなきゃ。
だから。
私は黙って翔の前に進み出た。
「奏っ?!」
翔の焦る声が聞こえたけど、やめなかった。
遅かった。
そのとき私の腕に、強い痛みが走った。
>>34におかしいところがあったから、訂正しまーす!
「奏、動いちゃダメだよ。」
翔の声は、やっぱり震えていた。
です。