(>>18 名前書く場所間違えたああああorz)
(白野恵理さんの視点お借りしました。麻衣さんと晃くんが相談している一方その頃のような感じです)
長らく努力し続けてきた成果が実ったのだろう。今回の集会を以て、白野恵理は最底辺のE組から晴れてD組へと昇格できた。全体で見ればまだまだ下の方だが、勉学のプレッシャーからは幾分か解放され、心にも今までより余裕が出来るだろう。
「初めまして、白野さん! D組へようこそ!」
「これからは私たちと一緒に頑張ろうね!」
「う、うん……」
余裕が出来る。と恵理は思っていた。しかしあの集会以降、彼女の心はずっと晴れない。
恵理と入れ替わるようにしてE組に降格した、二年生の板橋麻衣と松葉晃。自分(ともう一人)の昇格が二人を贄にして行われたのだと思うと、素直に喜ぶことはできないのだ。それに今だって、目の前の新しいクラスメイトは朗らかに話しかけてくるが、少し目を逸らせば麻衣と晃の侮辱話を嘲笑いながら繰り広げている生徒が見える。
果たして自分は、こんな生徒たちと上手くやっていけるのだろうか? 恵理が溜め息を吐きそうになったとき、教室の外がやけに騒がしいことに気づいた。
「どうしたの?」
「あー、二年の人が廊下で倒れたみたい」
「大分しんどそうだけど、この人って確か……」
D組前の廊下を見ると、確かに小柄な男子生徒が床に転がるようにして倒れ付していた。だが、周囲の生徒たちは彼を遠巻きに見るばかりで、誰一人として彼に手を差し伸べる様子はない。通常なら誰かしらが彼を介抱するなり、保健室に連れて行くなどするはずなのだが。
「お前保険医員だろ? 早く連れて行けよ」
「はあ? 嫌だよ。確かにあいつは処刑対象じゃなかったけどさ……」
「分かるー。『広報部』の奴らとは関わり合いになりたくないし」
うずくまって呻いている男子生徒には声もかけず、生徒たちはひそひそと介抱の面倒を押し付け合う。周囲の話に耳を傾けると、どうやら彼は「広報部」と処刑関連で過去に何かがあったらしいことが聞き取れた。
この学園において、自らの評判は生命線と同義である。例え些細な行為でも、それが学園全体――もっと言えば生徒会長の意向にそぐわなければ、たちまち白い目を向けられてしまうだろう。
……しかし、それでも。
「あ、あの! 大丈夫ですか?」
彼が敬遠される所以こそ恵理は知らないが、それでも病人が利己的な都合で放置される光景は気分が悪い。
自分の評価を犠牲にする覚悟を決めると、恵理は思い切って二年男子生徒に声をかけた。
(長文になりすぎるため、男子生徒の詳細などは次回くらいの投稿で書こうと思います。それまでに挟みたい交流などがあればどうぞ)