【リレー小説】学園女王【企画?】

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220:文月かおり◆DE &:2018/01/08(月) 21:47

「あ、亜衣! ねぇねぇ来たコレもう神った、神ってるよ!」

「うん恵里、もうちょい静かにしようねー」

 階段を降りた先の靴箱近く、恵里が手を振っている。何か白い紙みたいなのを持って。

「えっと、神ってるって、ソレが?」

「そう! 亜衣のトコにも入ってると思う。見て見て!」

「えぇ、何なのよもぅ……て、コレ?」

 速足で駆け寄って、自分のところを覗き見た。恵里の隣、1番端。

 入っていたのはメモだった。あの、付箋みたいなやつ。

「えっと……えぇぇ!? マジで?」

「ね、神ったでしょ」

「や、なんていうか、ありえな過ぎ……」


  安部野先輩の自宅で勉強会をひらくそうです、もしよかったら来て
  いろいろ話して、それで勉強しようって

  日時は後で連絡だそうです。
                  板橋、松葉


 安部野先輩の家で、勉強会ね……。

「行こう、恵里」

「もちろん!」

 恵里は満面の笑みで頷いた。人懐っこいリスみたいに。

「よっし、なら返事しに行かないとねっ」

 恵里の手を引っ張って、廊下を進む。目指すは2年生の靴箱。

「え、今なの!? 明日にしようよ〜」

「だーめ。明日の朝1番に読んでもらわないと」

「ていうか手ぇ痛いぃぃぃ」

「えっと、お返し?」

「んなっ!」

 そんな感じで、からかいながら歩いて行く。途中、メモ帳とペンを出そうとして、現在あたしは手ぶらだって気づいた。でも戻るのは面倒なので、こういうときは友人を頼る!

「ね、メモとペン持ってる?」

「持ってるけど、ポケットの中。手ぇ離して」

 流石、典型的なA型の日本人。ドラえもんみたいじゃん。

「ん、はい」

 ポン、とメモ帳と小さなシャーペンを渡される。ありがと、と言いながら受け取った。そして、そのついでにまた彼女の腕を握る。んで、早歩き。

「なんでそーなるかなもー……」

 恵里の文句は聞き流す。なんて返事するか考えなくっちゃ。



「っと、板橋先輩と松葉先輩、どっちがいい?」

「板橋先輩。松葉先輩は、ちょっとだけど怖いもん」

 たしかに。一理あるかもしれない。

 考えていた文面をメモに書いて、最後に名前を。恵里にも頼んで書いてもらう。


  伝言ありがとうございます。嬉しいです、喜んで参加させていただきます、とお伝えください。

  情報交換はその日にでも。

  
     岩崎亜衣のです ***-****
     白野恵里はこちらです ※※※‐※※※※


「ん、じゃあ板橋先輩のトコに投函してっと」

「ねぇ、電話番号まで書いちゃって大丈夫かな」

 恵里が心配そうな顔で言った。

「どして?」

「誰かに見られたりしないかなって」

「あー……消す?」

 盲点。

 たしかに、流出したら大変だ。

「ううん、やっぱいい」

「いいの?」

「誰も見ないと思うし、いざとなったら変えればいいかなぁって思った」

「おー、意外と思い切った対応するねー」

 ホント、前の恵里とは変わったな。もしかしたら、ただ仲良くなったからかもしれないけれど。

「女は度胸って言うじゃん!」

「それちょっと違うよ!」

「赤いパンプスで世界を変えてみたぁい」

「あーそれ知ってる! 2巻のでしょ!」

「私、あの女の子好きなの」

「いやそれより写真のさ――」


 趣味の話に没頭する、とってもありふれた放課後だ。



【人の電話番号を見つけても、それを拡散しちゃ駄目ですよー】


文月かおり◆DE &:2018/01/08(月) 21:48 [返信]

>>220 同日・放課後 校内 です


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