(>>53 千明への交流ありがとうございます!メールの返事は返させていただく予定ですが、今回は少し定例会議に時間を遡らせていただきます)
(今回も二回投稿となってしまい本当にすみません;問題がありましたらお申し付けください)
「それでは、次の議題ですが……。先日新たに起こった、板橋麻衣と松葉晃の反逆についてですね」
議事堂を思わせるような、厳粛な雰囲気の生徒会室。そこで主に響き渡るのは、進行役の神狩美紀と生徒会長の風花百合香の声。「学園のより良い治安」という目標の元、会長である風花百合香を上座に置いて、生徒会とその役員による定例会議が展開されていた。
「安部野くんのアドバイスを受け、反逆者二人には監視を置いていますが、成果はどうですか? 結城さん」
「うーん、まずまずってとこ? とりあえず、最近できたっていう学園掲示板ね。あれ、反逆者の松葉クンが作ったみたいだよ」
役員たちにどよめきが広がる。彼らの中にも何人か掲示板を利用した者がいたのか、驚きを隠せなかったり、あからさまに嫌そうな感情を浮かべたり、よく見れば若干一名、顔を真っ赤にしている者もいた。
「そうだったのですか。……しかも、掲示板は確かに便利なツールですわね。折角ですから、私達も『利用』させていただきましょうか」
「かいちょーがそう言うと思って、既にご意見板建てておいたよ!」
「まあ! 流石璃々愛ちゃん、気が利くわねえ。ありがとう」
「えへへ、かいちょーもありがとー。……でも、残念ながらいい成果ばかりじゃないんだけどね」
百合香からのべた褒めを受けてへらっと緩む璃々愛の表情。だがそれは間もなくして、開花時期を終えた花のようにしゅんと萎む。
「昨日の夜くらいから、有力そうな言質が取れなくなったんだよね。妙に向こうが発言に気をつけてるっていうか……」
「もしかすると、私達の監視に気付かれている可能性も否定できませんね。ところで、昨日の夜といえば……」
美紀と璃々愛の疑念の目が安部野に向けられる。二人の目線に従って、全役員も彼の方を見た。そんな生徒会室中の集中に臆することなく、安部野はその場に起立する。
「昨日の夜は、僕が松葉さんのご自宅を訪ねていましたね。その時は、僕の見立てでは変わった様子はありませんでしたが」
「ってかさあ、なんで安部野にぃは反逆者の家くんだりまで行ってたわけ?」
「板橋さんと松葉さんに、クラスで配布されたプリントと課題を渡すためですよ。反逆者とはいえ、勉学に励んでいただかねば学園の偏差値にも関わるでしょう」
「そりゃまあ、そうだけどさ……」
晃の襟を掴んだときに安部野が耳打ちしたあの言葉は、流石に璃々愛の盗聴機も拾えていない。しかし既に安部野を黒と見なしている璃々愛には、彼の一挙一動が全て疑わしく思えてならないのだ。
しかし確証のない疑念だけを理由に問い詰めるわけにもいかず、璃々愛の反論材料はそこで尽きてしまった。すると今度は彼女に代わって、今度は美紀が質問を続ける。
(続く)