1.貧乏神との出会い
宇宙side(基本宇宙です)
11月15日、土曜日。
此処最近、平年なら暖かめのこの地方は、冷たい風が吹き荒れていた。
だが今日は、嬉しい程暖かい、小春日和。
土曜日で小春日和で、私は帰宅部。
こんな日は滅多に無い。
だからこそ、午後の今はまったりと読書をしたいと想っている。
が、しかし。
こめかみがピクピク動いて居るのが自分でも分かる。
昨日までの冷たい風の様に、私は声を尖らせて叫んだ。
「良い加減にしてよっ、もう!」
自分でもびっくりする程の大声。
こんなに大きな声、どれ程久しぶりに吐いただろうか。
やはりすっきりする。
しかし、大きな声を出したため、多少の恥ずかしさが心を襲う。
まあ幸い、家には誰も居ず、家の前の道にも誰もいない。
ホッと一息した瞬間、怒鳴ったにも関わらず、ポリポリとスナック菓子を食い荒らすあいつの
姿が目に入る。
「あのねぇ、此処掃除したばっかなんだから。早速カスを落とさないでよ。」
再び怒鳴る。
そんな私とは裏腹に、こいつはニッコリと笑う。
「いや、掃除したばっかって言ったって、また明日掃除するんでしょ?」
それはそれで正論であった。
思わず口をつぐむ。
「それはそうだけど………。」
本当にむかつく。
こいつとの出会いは、数ヶ月前に遡る。
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