19.恋、どうする?!
「うるせー」
少し照れながら千速君は言う。
ど、、どうすればいいの…
「なぁ。」
「・・・はっはいっ?」
やばっ慌ててたから敬語になってしまった…恥ずかしい!
でも千速君は気にしていないようで。よかったぁ…
「そのボール1回かして?」
「うん…?」
「俺が今からこのボールをここから投げる。」
「でも相当の距離だよ…?というかなんのために…」
「ロングシュートが成功したら、俺と付き合え。」
「つっつつつ、付き合うぅ…っっ?!」
「いいだろ。」
いいだろ、って…まだ返事もしてないのに。
成功したら付き合うなんて、何そのパターン。
「いくぜ!」
「えっ」
ポーン…
千速君がボールを投げる。
その姿は輝いて見えた。
ドンッ…
ボールがゴールを軽やかに通り抜ける。
・・・てことは、付き合う…。。
「付き合え。成功したから」
・・・いきなり付き合うなんて…むりぃぃっ!
そうだ・・・!
「1ヶ月間、千速君と付き合ってみて、よかったら返事をして、本格的に付き合う。それでいい・・・?」
「・・・」
「嫌だ?」
「分かった。俺、本気見せてやるから。」
真剣な顔…
その時。
ドンッ・・・!
「!?」
「…恋。」
いきなり壁ドンを…!
顔が近い…見つめられるとドキドキする。。
「どうしたの。。急に・・・」
「お前のこと、振り向かせてやる。機嫌の1カ月間の間で。」
綺麗な目が私をまっすぐに見つめる。
心臓がはねあがりそう…
「うん。じゃあ、私のこと振り向かせてね?」
わざとらしく、小悪魔みたいに私は言った。
「・・・おぅ。」
30.千速君とのお付き合い
「この前千速さんに告白されて、千速さんと1ヶ月付き合って、よかったら本格的に付き合う?」
文ちゃんが私に顔を近づけて驚いた顔で言った。
そう、私は1ヶ月千速君と付き合って、よかったら本格的に付き合うと、千速君に告白した時に言ったの。
(↑詳しくは>>118 19.恋、どうする?! を見て下さい☺)
「文ちゃんに黙ってたけど、そういうことだったの」
「そういうことって、恋、あんたどんだけモテるのよ?」
文ちゃんが険悪な笑みを浮かべながら言ったので、私はとまどった。
「モテるって……?どこがモテてるの?私って」
すると文ちゃんは私の机にばんっと手を置いた。
「とぼけても無駄よん。絆さんに千速さんに先輩の卓さん、恋は3人も虜にしちゃってるのよ〜?」
なんか恥ずかしいよーっ。
虜だなんて!
「もう、私は千速君のことを言ってたのに……__」
と、教室の入り口の方から私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「恋」
*
入り口のドアに千速君がもたれかかっていた。
「なぁ……」
千速君は言った。
「1ヶ月付き合うって、俺何したらいい?」
そっそんな唐突に言われても!
それは千速君の御役目だと……。
「何って……」
「デート行くか?」
デート!
その言葉をさらっと言い、しかも私をデートにさらっと誘えるなんて、千速君ってテレたりしないのかな。
あっ、そういえば……
行きたいところあったんだよね。
「デートはスイーツランドがいい!」
言ってみたけど、千速君はキョトン顔。
「スイーツ、ランド?なんだそれ」
「いろんなスイーツがた〜くさん食べられるスイーツバイキングのお店なの!
千速君は甘いモノ苦手?」
聞くと千速君は首を横にふった。
「むしろ好きだけど……」
「ほんと?!じゃぁ、デートはそこでいい?」
千速君は笑って言った。
「おぅ!いいぜ。お前の好きな所で。あ、今週の日曜でいいか?」
「日曜ね!ありがとう……!」
ずっと行きたかったところに千速君と行けるなんて楽しみ!
ん?今私”千速君と行けるなんて楽しみ”って言ったよね?
どうしてそんな風に言ったんだろう……。
まぁそんなこといいか。
私は千速君とさよならして、教室へ戻った。
その後は文ちゃんにさっきのことを言った。そしたら文ちゃんは何故かすっごく喜んでて。
そして、私はまだ知らなかった。
千速君とのデートが_
すごくドキドキするものになるなんて__
次回 31.甘いドキドキデート