給食の時間になると、渡井先生はうるさい。
「給食は残すなよ! 残しても無理やり食わせるからな!」
と、それは極悪人のような顔で言ったから、少食な杏奈は困っていた。
「それは酷いなあ……」
求職が終わってすぐ、結衣先生に話した。
「流石に、給食の量くらいは自分で調節したいよね。皆がたくさん食べられるわけじゃないし」
そう、まさにその通りだ。
第一印象が熊で、言ってることは自論を押し付けているだけとは、とんでもない教師に当たったものだ。
しかし、これがまた渡井先生のすごい所で、何故か他の先生たちは知らない。
バレないようにうまくやっているんだろう、どうしようもない。
>>8の誤字訂正 求職→給食