第3話:異星の都市
なんとか巨人を追い払った3人は一息ついた。いくら訓練したとはいえ初めての実戦はやはり緊張する。
巨人たちが戻ってこないうちに早くここを離れるべきだと思ったシュミットは、
「救助信号を出して、ここを離れよう。危険すぎる」
彼は冒険が大好きなのでもし一人だけならば、あえてここで野宿しただろうが、他の2人のことを考えるとそんなふざけたことは言えなかった。
すると、上村がゆっくりとした声で、
「その……救助信号なんだが……壊れていて使えない。それと……食料も持っていかれた。あるのは携帯食料だけだ。これでは3日と持たん……すまない」
深々と頭を下げる彼を見るとシュミットは怯えることも忘れて、
「この船の責任は我々3人だ。君一人のものではない。とりあえず、どこかへ行こう。文明もあるらしいしまだ希望はある」
と慰めた。アメデオも上村の背中をスリスリと摩っている。
上村は頭を上げて、
「ああ、ありがとう。それで、どの方向に行けばいい?」
「北に行こう! 困った時は北に行くのが一番いい!」
とアメデオが大きな声で言った。実際に道に迷った際は北に行くのではなく北を向くのが正しいのだが、地球に帰還できる希望がひどく薄れたせいか、間違えてしまった。他の二人もこの間違いを指摘するどころか、その言に従って北へと歩いて行った。
面白みのない草原を超え、歩く気力を直接削いでくる砂漠を踏破した。前方には仄かに光が見える。天頂に広がる星の明かりが少し減った気がする。さては、ここが都市か。
3人は嬉しさのあまり走り出した。ぐんぐんと明かりが近づいてくる。まるで3人の希望を表したような明かりが−−−−近づくとそれは街灯ではなかった。ただの篝火であった。頭がボケているせいか勘違いしていたのだ。
街灯があるなら修理ぐらいはと思ったのだが−−−−そんな希望はあっさり踏みにじられた。
3人が呆然と立ち尽くしていると門番らしい兵士が、
「お前ら浮浪者か? 浮浪者ならなら入れ」
と言ってきた。ちょっとあやしいが、ここで立ち尽くしていても飢え死にしかないので3人は門をくぐって都市に入った。
その刹那、血風が3人を襲った。
>>4
重大なミスが見つかったのでボツで