〜スイート・ビター・チョコレート〜

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9:薊:2019/04/06(土) 10:30

「おい、流生、ずいぶんと心と仲良くしてるみたいじゃん?」

にこにこと目の奥が笑っていない笑顔を僕に向ける廉君にため息をつきたくなる。お互いに嫉妬するならはじめから彼女なんて作らなきゃいいのに…、心ちゃんからの好意に気付かない廉君には呆れを通り越して尊敬に値するね。てか早くくっつけよ。

「そうだけど、廉君には関係ないよね?」

わざと挑発するようににこりと笑うとイライラした表情で花を押し付けられる。これはスノードロップ?……はぁ、怖い怖い、なんで彼はここまで物騒なのだろう?

「おい、流生!…明日の月は綺麗でしょうね」

随分とぶっきらぼうにいってくれるなぁ……。しかもめっちゃ恐ろしい言葉を、

「はぁ…僕、明日から背後に気を付けよ……」

命が惜しいからねと誰に言う訳でも呟き、スノードロップを教室の窓際におく。全くこれだから素直じゃないやつらは

「あれ〜?流生ー?どうしたのため息なんかついて」

廉君がさったあと僕の従姉妹が迎えにくる。

「んんー、なんでもないよ、梨子〜、僕はまだ生きたいなぁ」

「なにそれー?変なの、早く帰ろ?」

明日の月は綺麗でしょうねって、僕なにされるんだろ、なんて思いつつ笑顔で梨子の手をとり教室をあとにした。


   :2019/08/10(土) 12:58 [返信]


>>7の続き ( >>9-8は本編とは関係のない小話です )


それでも私はあんまり罪悪感を感じてはない、だって見せたくない現実を見せてきたのは彼のほうだから。


ーー似た者同士ーー

それはきっと、叶わない恋って事を指してると思うから。きっと叶ったとしても、おおかみと赤ずきんが恋に落ちるような無理なお話だから。

「 好きだよ。他の誰よりもずっと、でもそれは『 叶わない 』から、僕らは両親を裏切っちゃいけないから… 」

苦しそうに、何かを吐き出すように告げた流生くんの瞳は目の前にいる私なんか映してない。ほらね、やっぱり私は誰からも愛されることはないんだ。


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