「なっ、誰だお前達は!」
「社員と……女子高生……!?」
小太りで中年の男と、20代くらいの若い女性が驚愕しながらこちらを見ている。
私は背中に乗っかっているクローゼットを押しのけ、散乱したワイシャツとハンガーを端の方へ投げた。
「ど、どうしよ秋山さん……」
「馬鹿、手間かけさせやがって」
「なっ、元はと言えば秋山さんが私を押しのけて……っ」
「そもそもお前がここに来てなきゃ……」
「いい加減にしろお前らァ!」
秋山さんとの口論は、荒らいだ男の声によって遮られた。
社長と思わしき男は眉間に皺を寄せ、私達二人に拳銃を突きつけている。
向けられた銃口は予想外すぎて、恐怖のあまり立ちすくんでしまう。
「お前らさては警察の手先だな? 俺好みの女子高生のコスプレまでして対策しやがって……!」
「いやコスプレじゃないです!」
「富子ちゃん!」
「はい社長!」
富子と呼ばれた女性は素早く手錠を二つ取り出し、私と秋山さんの両手を繋いだ。
両腕を後ろに固定され、身動きができない。
「わっ、わ! どうしよこれ取れない!?」
「うるさい喚くな!」
身をよじったり手錠を引きちぎろうと引っ張るも、いたずらに体力を消耗していくだけだった。
>>15から赤奈sideです!