蝉の音もうだるような湿度も無い、凍るように冷たい部屋。
その冷たさに慣れた少年は本のページをめくる。
世間一般では高校生と言われる年齢の少年には、
難しくはない、むしろとても解りやすい物語であった。
「ふん…」
ページを一つめくる度に鼻を鳴らす少年。
少年には、この物語は不快であったのだろう。
やがて1つの賞を読み終わったのか、1度本を閉じた。
「なんだこれ、キラッキラじゃねえか…」
呟く言葉は続いていく。
「こんなもん、俺には無いものだらけじゃねぇか」
口をつく言葉は、少年の心の闇を浮き彫りにさせる。
「金も女も力も勇気も知恵も権力も顔も……」
続く言葉を探そうとして止め、唇を噛む。
「クソッ…」
>>6は>>2の前だと思って下さい。
整合性付けるために表現をいくらか変にしてるのは気にしないで…