『少しだけ周りとちがう少女の話』
窓の隙間から差し込む光に照らされ、少女はゆっくりと瞼を開いた。上半身を起こし、ぐぐっと背伸びして、澄んだ空気を吸い込む。
退屈な今日が、また始まる。
〜〜〜
少女が通った後には、毎度のように少し違った音の響きが残る。
まだ小さな足が地面を蹴る音、そしてそれを掻き消すような、カツ、カツ、という不思議な音だ。
それを気にも留めずに、誘いのままに歩いていく少女を、幾らかの大人がじっと見つめている。
(どうして皆、わたしのほうを見ているの?)
少女が真実に辿り着くには、もう少し時間がかかりそうだ。
〜〜〜
他人の、薄橙色をした綺麗な脚。
自分の、白い包帯が巻かれた脚。
不思議なことに、前者は杖なんて無くたって勝手に動いてくれているのに、少女の脚ときたら、杖が無ければ転んでしまうだけで一歩たりとも歩けはしない。
どうしてなのだろう。幼い少女にはわからない。
(ママが"ちりょう"してくれたら、治るかもしれないわ。だから、だいじょうぶ)
少女はまだ、一度も口にしたことがない。
「わたしも、皆のように、歩いてみたい」、と__。
あれ、匿名になってる?>>2は私です
【自分用メモ(>>2)】
少女の脚は現在外傷により動かすことが出来ず、入院治療中。
完治の見込みはとうに越しているはずだが、何故かなかなか治らない。
それもその筈、少女の母が少女の脚を壊している張本人だからだ。
少女の言う"治療"は母が少女の脚を殴りつけ、傷を悪化させることを意味する。
少女はそれが脚を治すための治療だと信じている、が、当然傷が治るはずはない。
いつこの少女は真実に気づくのだろうか、という話を簡潔にプロット風で書いただけ。
代理ミュンヒハウゼン症候群のお話が書きたい。