とある所の灰被り
今日も継母に召し使いの様に使われる
とある所の灰被り
今日は姉二人に使われる
灰被りは泣いている
継母 姉二人は
知るか知らずか高らかに笑う
今日は城の舞踏会
継母 姉達
絢爛に着飾る
だけど灰被りには何も無し
そして何時もの様に召し使い
母の墓に寄り添い泣いた
私も行きたかった
踊りたかった
墓の傍に生えるハシバミの木
白い小鳥が止まってる
持っていたのは
ドレスに
金の靴と
銀の靴
灰被りの娘
ドレスに銀の靴を履き
急いで城の舞踏会
いっておいで灰被り
>>23の続き
舞踏会に間に合った灰被り
中で人が楽しく踊る
その中で
一つ高い所から見下ろす王子
舞踏会を兼ねての嫁探し
王子は溜め息
何処にも居ない
我が伴侶になる者が
そんな時
純白のドレスに銀の靴を着た
灰被りの娘を見た王子
気付けば足が自然に娘の元へ
どうか踊っていただけないか
私と共に
この一晩を
王子と灰被りの娘は踊る
楽しい
もう一晩踊りたい
互い互いにそう願う
二晩目の舞踏会
灰被りの娘は金の靴を履いて
やって来た
待っていたよ
さぁ踊ろう
だけど楽しい時間はもう御仕舞い
灰被りの娘は別れを告げて
急いで帰る
脱げた靴も気にせずに
次の日
王子は従者に探させた
片方だけの靴の持ち主を
国中から
長女は考えた
靴が合うには
爪先を切り落とせば良い
次女は考えた
靴が合うには
踵を切り落とせば良い
だけど血が滲んで
どちらも偽物と見抜かれた
次は灰被りの娘の番
靴はピタリとはまった
従者は云った
王子がお待ちです
さぁどうぞ城へ
貴方様をお待ちです
こうして結婚
灰被りの娘と王子様
国中が祝福の声を上げる中
姉二人 媚びへつらい
娘の両脇に座る
その時娘の両肩に止まった白鳩が
姉二人の両目をくり貫いた
痛みにのたうち回る姉二人を
娘はただ冷たい目で見下ろした
第壱部
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