「 ねえ、 」
「 何? 」
トントンと肩を叩いて、自分よりも小さいあいつを見ながら
言った。
「 悪いけど俺、用事あるから要件あるならすぐに言って 」
冷たく言い放した。あいつは戸惑って「 えと、えと ... 」と
何回も言おうか迷っていた。
...ぶっちゃけ、ああいうタイプは嫌いだ。意見があるならハッキリ言っ て欲しい。それが俺の心の中にある気持ちだった。
ようやくあいつが震えるその瞳をよし、とでも言ったように
唇を少しだけ開けると
「 ―――くんって、好きな人とかいるの ... ?」
外で雷が鳴っていて名前の部分が聞こえなかったがきっと俺の好きな
人なのだろう。
俺は目を伏せて答えを待つかのような姿勢で待っているあいつを
ジッと見つめて溜息を一つ吐いて言った。
「 ごめん。俺今はそういうの興味ないから 」
( >>3 空白ミス > < )
俺はきっとあいつが俺の事を好きだと思っていたから
もう興味のない事をハッキリと言っておけばわざわざ告白して
フラれて悲しまれるよりはよっぽど面倒くさくはないだろうと思いながら
あいつがどんな反応をするのか待った。
するとそこには予想もつかない反応をされた。
「 え、っと ... わたしが言った質問は西ヶ崎くんの事じゃなくて
大岩くんの事だよ ... ? 」
あいつは戸惑いの目を伺わせながらそう言ったのだ。
なんて恥ずかしい勘違いだったのだろうか。
俺もあいつもそれっきり黙ったままだった。
「 そ、そうなのか ... 諒 ( 黒岩 ) は多分いないと思うぞ 」