「君は俺のこと、どうなの」
彼女は不機嫌そうに、頬をふくらませる。「告白とか、何回もしたら色褪せちゃうじゃん。言わせないでよ」
イヤフォンから流れていた音楽は、いつの間にか止まっていた。
ぼーっとしていたから、そのことにも気が付かなかった。ぱっとイヤフォンを外す。いつか、彼女から貰ったものだ。流れていた曲も、彼女が好きだったものだ。
「夢中になれないなんてね、淋しい」
その曲の、ふと思い出した部分を口ずさむ。彼女が自分に分かれを切り出した理由なんて、訊かなくても、この曲ですべて歌われている。
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中森明菜のDESIRE >>159あたりのふたりとは別人