「Wait to meet you in the afterlife」常磐(黒歴史製造機)、彼氏
靴を脱ぎ、揃える。
横に《遺書》と書かれた紙を起き、
風で飛ばないよう、重りをのせる。
フェンスを跨ぎ、向こう側へ立つと、
街が小さく見える。
___死にたくない
「ははっ」
いざやろうとすると
「怖いな」
脇を吹き抜ける風が、
少し冷たく感じる。
左腕に付いた、沢山の
《カッターの傷》に触れる。
「おいっ!!」
乱暴にドアが開けられた。
視界に写ったのは、
...
大好きだった彼。
「何してんだよ」
「何って、見ての通り
《死のうとしてるんだ》」
「っ!!」
___ホントは死にたく無いくせに。
「何で…」
最期くらい、反論してもいいよな。
「何でってさぁ、あんたも気づいてたんだろ?
《俺がいじめられてたこと》。
ひでぇよなぁ。見て見ぬふりっつーの?
まぁ、誰だって自分が一番可愛いからなぁ。
でもな。俺とあんたが逆だったら、
俺は、自分がどうなっても、
《例え脅されても》
あんたを助けるよ。
だって、あんたは
一番大切な人だから。」
___大好きだからこそ、嫌い。
「まぁ、過ぎたことだしね。
はぁぁ。もう疲れちゃった。
《じゃあね》」
俺は故意に落ちた。
体がフッと浮くような感覚。
「常磐!!」
彼が手を伸ばしているが、虚しく空を切る。
「愛してたよ」
___聞こえたかな?
聞こえてるといいな。
「Wait to meet you in the afterlife」
【来世でまた会おう】
>>6
>>7 解説ー
常磐は、自殺しに、屋上へ。
靴を脱ぎ揃えて、遺書も置いて、
いざ、死のう。
だけど、「怖いな」
《カッターの傷》は、いじめられてたことを誰にも言えず、
溜まったストレスが原因のリスカの痕。
屋上に立ってる常磐を見て、慌ててやってきた彼氏は
平然と死にに来たと言う常磐に、
言葉をつまらせる。
やっと出た声で、何でと言う彼。
常磐は、今まで溜め込んできた怒りや憎しみを
吐き出す。
ターゲット
実は、彼は、[助けたら次はお前が標的だ]
と脅されていた。
が、それを知っていた常磐。
それでも、助けてもらいたかった。彼女だから。
「疲れちゃった」
そう言って落ちる常磐。
彼は手を伸ばすが虚しく空を切る。
何があったって、常磐はやっぱり彼を愛していた。
今世ではこういう結末を迎えたから。
「Wait to meet you in the afterlife」
せめて来世でまた会いたいと思う気持ちを込めて。
>>7 来世
「怖いな」
「何で…」
「疲れちゃった」
「Wait to meet you in the afterlife」