暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part4♪

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304:凪海:2016/03/14(月) 22:51 ID:0cw

>>297

本郷さんは気絶したまま、目を覚まさなかった。
大丈夫なのだろうか。

ビ「渚、そんなに心配しなくても、海はすぐに目を覚ますわよ」

ビッチ先生はのんきにバナナを食べていた。

渚「茅野は平気?」
茅「全然大丈夫だよ」

さっきまで、茅野は殺せんせーに手厚く(?)看病されていたんだけど、どうやら大丈夫そうなのでホッとした。

カ「にしても、あの豹変ぶりはなんだったんだろうねぇ。ねぇ、ビッチ先生」
ビ「何よ、カルマ」
カ「先生はさっきさぁ、本郷のことをウミって言ったり、カイって言ったりしてたよね。あれ、どういう意味?」

ビッチ先生はカルマくんの言葉に、どう返事をすればいいのか迷っているようだった。

ビ「一言で言い表すなら、海(うみ)は二重人格者。自分の中にもう1人、男性としての意識であるカイがいるのよ」
片「ちょっと待ってよ、ビッチ先生。男性としての意識って何? 本郷くんは男子なんじゃないの?」
ビ「何言ってーーあ、そっか。あの子、男子として転入してきたのね。どおりで男子の制服なわけだわ」
皆「はぁ⁉」

みんなはひどく驚いたように声をあげた。

茅「って、渚もカルマくんも驚かないんだね…」
中「まさか気づいてたの?」
カ「え、逆に気づかなかったの? てか、渚くんがわかってたとは思わなかった」
渚「え、だって、本郷さん。どう見たって女子じゃないの?」
中「あー、同族だから渚ちゃんはわかったのね」
渚「中村さん、それどういう意味⁉」
本「ううっ…」

本郷さんがうめき声をあげた。
どうやら目を覚ましたみたいだ。

本「あれ、みなさんお揃いで…」

それから視線を泳がせて、茅野に目を止めた瞬間!

本「わわっ、茅野さん! ごめんなさい、先ほどは失礼をいたしました!」

本郷さんはガバリと起き上がると、茅野に向かって土下座をした。

茅「え⁉ えっと、大丈夫だよ…」
本「カイが余計なことをして、ごめんなさい。あいつ、ケンカっぱやいからすぐにああいうことをしちゃうんだ。本当にごめんなさい」
茅「だから大丈夫だってば」

2人はどうやら仲直りできるみたいだ。
僕はホッとした。

茅「えっと、本郷さん? あの、もう気にしてないから…その代わり、下の名前で読んでも構わない?」
本「はぁ、別に構いませんが」
倉「やったぁ、ナイスだよ。カエデちゃん。私も下の名前で呼ぶ! 倉橋陽菜乃、陽菜乃って呼んで! よろしくね、海ちゃん」

倉橋さんに海ちゃんと呼ばれた瞬間、本郷さんはかたまった。

本「えっと、どこまで知って…?」
ビ「あなたが女子だって、私がバラしちゃったわよ。あなたもいつまでも優等生ヅラしてないで、素にもどりなさい」
本「なぁんだ、バラしちゃったんだ…」

本郷さんの雰囲気が、またガラリと変わった。
これが殺し屋なのだと、僕は実感せざるを得なかった。

海「改めまして、こんにちは。本郷海です! 一応女子だけど、仕事上、男装をしています。気安く下の名前で呼んでください!」

本郷海は、そう言って僕らに微笑みかけた。

3年E組は暗殺教室、新たな仲間も増え、始業のベルは明日も鳴る。

。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。
転校生の時間はこれにて終了!
ここからはやや本編と同じ進行で行く予定だから、興味がなかったらスルーしてください❗


凪海:2016/03/15(火) 00:28 ID:2bc [返信]


テストの時間

渚side

もうすぐ中間テストだ。
3年E組は今日から「高速強化テスト勉強」という授業が加えられた。
殺せんせーがマンツーマンで僕らに勉強を教えてくれるんだ。
それにしても、疲れた…。

渚「あ」

職員室の前を通りかかったとき、視界に職員室の中が入った。
あの人。間違いない、理事長だ。
どうしてこんなところへ?
それに、殺せんせーと烏間先生、ビッチ先生まで。

理「なんとも悲しいおかたですね。世界を救うつもりが世界を滅ぼす巨悪と成り果ててしまうとは」

救う…滅ぼす?
いったい、なんの話をしているんだろう。

理「仮にあなたを殺せた後の学校の未来ですが、率直に言いますとこのE組はこのままでなくては困ります。我が校の目標は95%の働き者と5%の怠け者がいる集団です。
実はこの前、D組の担任から苦情がきまして。E組の生徒がD組の生徒に『殺すぞ』と脅したそうです」

うっ…。
この前の集会後、かつてのクラスメイトが「殺すぞ」と言ってきたから、つい…。
「殺す気なんか、ないくせに」
と、言ってしまったんだった…。

理「殺せんせー、1秒以内に解いてください」

理事長が殺せんせーに投げ渡したのは、知恵の輪だった。

殺「にゅやっ、いきなり!」

1秒経過…。
殺せんせーは触手同士をからめまくって、倒れていた。
なんてザマだ‼

理「殺せんせー、この世界ではスピードだけでは解決しない問題もあるんですよ」

そう言って、理事長は職員室をあとにしようとする。
まずい、どこにも隠れる場所がない!
僕は慌てて職員室から背中を向けた。

理「やぁ、中間テスト、期待してるよ。頑張りなさい」
渚「…………」

理事長の、とても渇いた「頑張りなさい」は、僕を一瞬で暗殺者からエンドのE組へと突き落とした…。


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