>>315
次の日、殺せんせーの分身が増えていた…。
茅「どうしたの、殺せんせー? なんか気合い入りすぎじゃない?」
殺「にゅ? そんなことありませんよ」
昨日の理事長の言葉を思い出す…。
理「この世界ではスピードだけでは解決しない問題もあるんですよ」
…………。
授業終了のチャイムがなったと同時に、殺せんせーの分身が消え去った。
殺「ぜーはー、ぜーはー」
殺せんせーは息を切らして、うちわであおいでいた。
前「どうしてそこまでして、俺らの成績をあげたいのかね」
殺「だってそうすれば、皆さんは先生のおかげで成績が上がったと喜んでくれますし、その噂を聞きつけて近所の巨乳女子大生が勉強を教えて欲しいとやってくるかもしれません。先生にはいいことづくめですから…ヌルフフフ」
岡島「いーや、成績は今のままでもいいよな」
中「どうせうちら、エンドのE組だもんね」
殺「……そういう考え方をしますか」
?
殺せんせーはすっくと立ち上がった。
もしかして、怒ってるのだろうか。
殺「全員、校庭にでなさい。それから烏間先生とイリーナ先生も呼んでください」
僕らは殺せんせーに言われた通り、校庭にでてきた。
前「どーしたんだ、殺せんせーのやつ」
中「何か急に怒ったよね」
殺「イリーナ先生」
ビ「何よ」
殺「プロの殺し屋として伺いますが、あなたは仕事をするとき、用意する作戦は1つですか?」
ビ「…いいえ、プランなんて予定通りにいくことの方が少ないわ。より綿密に予備のプランを立てておくことが暗殺の基本よ」
殺「では次に、烏間先生。ナイフ術を生徒に教えるとき、重要なのは第一撃だけですか?」
烏「…第一撃はもちろん最重要だが、その後の第二撃、第三撃をいかに高精度に繰り出すかで勝敗が決まる」
何が言いたいんだろう、殺せんせーは。
殺「先生方がおっしゃるように、自信の持てる次の手があるから自信に満ちた暗殺ができる。対して君たちはどうでしょう。『自分たちには暗殺があるから別にいい』と思っている。
そんな危うい君たちに先生からアドバイスです。
第二の刃を持たざるものは暗殺者の資格なし!!」
皆「わぁぁぁぁぁ!」
風が、強い!!
殺せんせーは校庭の真ん中でくるくるまわりながら、竜巻を起こしていた。
やがて、とまった。
殺「校庭にでこぼこが多かったので、手入れしました。私は地球を滅ぼせる調整物なので、この工程を平らにするなど、たやすいことです。もしも君たちが第二の刃を示せなければ、ここに私を殺せる暗殺者をいないと見なし、校舎を平らにして先生は去ります」
渚「第二の刃、いつまでに…」
殺「明日です、明日の中間テストで全員50位以内に入りなさい!」
え⁉
。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。
本当に申し訳ない。同時進行をさせるために漫画の再現をしまくってます…。
どうしてもやりたい展開があるので、すいません…。
>>316のやつ。
超生物じゃなくて、調整物になってる!
ごめんなさい‼‼
>>318に注意を受けてしまったので、うーん。少し端折りますか。
中間テストは、見事に理事長の妨害を受け、惨敗してしまった。
どうやらE組も僕らには知らされずに試験範囲が変わってしまったそうで。
どうしよう、殺せんせーは僕らが全員50位以内に入らないと、校舎を破壊して出て行くと言っていた。
僕らは不安で仕方なかった。
殺「先生の責任です…。君たちに顔向けできません」
え?
僕は顔をあげて殺せんせーを見た。
殺せんせーはひどく落ち込んでいるようで、僕らとは反対の方向。つまり、黒板の方を向いて立っている。
その時だった。
殺「にゅやっ!」
かつん
落ちたのは、対せんせーナイフだった。
カ「いいのぉ? 顔向けできなかったら、俺が殺しにくんのも見えないよ」
殺「カルマくん! 先生は今、落ち込んで…⁉」
ばらまかれた、カルマくんの解答用紙。
カ「俺、範囲変わっても関係ないし」
磯「数学100点⁉」
しかも学年4位!
カ「俺の成績に合わせてさぁ、あんたが余計な範囲まで教えたから対処できたんだ。それに、俺だけじゃないよ」
カルマくんの視線が後ろへ向く。
海さん。
海「いやいや、僕は大したことないよ。カルマに比べたら…さぁ」
カルマくんがひょいっと海から解答用紙を奪った。
海「ちょ⁉」
カ「ほぅら、クラス順位7番。上等じゃね?」
渚「でも、どうして?」
海「…まぁ、僕は僕で問題を解いているうちに気付いたら範囲外になってたんだけどね。ねぇ、殺せんせー」
殺「?」
海はゆっくりとした足取りで殺せんせーに近づいた。
海「僕は殺し屋だけど、勉強の楽しみを教えてくれた先生には感謝してるつもり。だからさ、期末はもっと頑張れるよ」
カ「俺は俺でこのクラス、出る気ないよ? こっちのクラスの方が断然楽しいし。で、そっちは? 全員50位以内に入んなかったって言って、ここから尻尾巻いて逃げちゃうの? それって結局さぁ、殺されんのが怖いだけなんじゃないの?」
僕は思わず笑いが漏れた。
周囲でも、「なんだぁ、怖かったのか」とか「正直に言えばよかったのにぃ」と言う言葉が広がっていた。
海もクスクス笑っていた。その目にはいたずらっぽい光があった。
殺「逃げるわけではありません! こうなったら、期末テストであいつらに倍返しでリベンジです!」
海「おぉ、大きく出たね」
今回の標的は手強かったけど、今度こそはと僕らは決意を新たにした。