暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part4♪

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356:凪海:2016/04/03(日) 02:01 ID:ySs

>>355

 本物のナイフを前にして、僕はどう動けばいいか迷った。

烏「いいか、鷹岡にとってこれは見せしめのための戦闘だ。対して君は暗殺。大きな力を見せつける必要もなく、ただ1回当てればいいだけ。だが、この勝負の真の意味。それはナイフの有無ではない。わかるか?」

鷹(そろそろ気づいたな、ナイフを持つとはどういうことか。『本物のナイフで人を刺したら死んじゃうよ。こんなもの、本気で使えない』と、俺はな。それに気づいてビビりあがる人間を見るのが大好きなんだ……)

 烏間先生のアドバイス。それは「暗殺である」ということ。
 あれ、でも……。
「ナイフの有無ではない」……。
 そっか、そういうことなのか。

 殺せば、勝ちなんだ。

 だから僕は笑って、普通に歩いて近づいた。通学路を歩くみたいに、普通に。
 鷹岡先生に歩み寄り、彼の腕によりかかるようにする。
 そして、そのまま。

鷹「⁉」

 ナイフを振り、獲物の顔すれすれまで持っていく。
 誰だって、殺されかけたらギョッとする。殺せんせーでもそうなんだから。
 獲物はギョッとして態勢をくずした。重心が後ろに偏っていたから服を引っ張ったら転んだので、仕留めに行く。正面からだと防がれるので、背後に回って確実に。

渚「つかまえた」
烏(なんてことだ。予想をはるかに上回った。戦闘の才能でもなく、暴力の才能でもない。暗殺の才能! これは、咲かせてもいい才能なのか⁉)

渚「あれ、みねうちじゃ駄目なんでしたっけ?」
殺「そこまでです。ですよね、烏間先生。まったく、本物のナイフを生徒に持たすなど、正気の沙汰ではありません。怪我でもしたらどうするんですか」
烏(フッ。怪我でもしたらマッハで助けに入っただろうに) 


凪海:2016/04/03(日) 02:02 ID:ySs [返信]


 僕の周りにみんなが集まってきた。

磯「すごいな。よくあそこで本気でナイフを振れたよな」
渚「いや、烏間先生に言われた通りやっただけで。鷹岡先生強いから」

 前原くんが僕の前にやってきて、いきなり平手打ちをした。

渚「いたっ。なんで叩くの⁉」
前「いや、ちょっと信じられなくて。でも、さんきゅ渚。今の暗殺、スカッとしたわ」

烏(ああやって見ると、とても彼が強そうには見えない。小柄だからこそ、鷹岡は油断したんだ)
殺「今回は随分迷っているようですね、烏間先生」
烏「悪いか」
殺「いえいえ、にゅ」

鷹「このやろぅ、父親も同然の俺に逆らいやがって。もう一回だ。心も体も全部残らずへし折ってやる……!」
渚「たしかに、次やったら確実に僕が負けます。けど、はっきりしたのは鷹岡先生。僕らの先生は殺せんせーで僕らの教官は烏間先生です。これは絶対に譲れません。本気で僕らを強くしようとしてくれていたのには感謝します。でもごめんなさい、でていってください」

 鷹岡先生は怒っている。僕は今更になってちょっとびびった。
 まずい、殴られる!
 飛びかかってくる鷹岡先生を前にして、僕は思わず防御の体制をとった。

海「はい、終了」

 視界に入ってきたのは、鷹岡先生の額に向かって飛び蹴りをした、海の姿。

海「言っとくけど、これ以上。人の仲間を傷つけたら次はこっちが殺りにいくけど?」
渚「海……」
海「みんな平気?」
中「てか、おいしいとこだけ持ってくとか、海は生意気〜」

 中村さんが海の髪の毛をわしゃわしゃしている。

海「ちょっ、何すんのさ」

烏「大丈夫か、みんな」
皆「はーい」
烏「身内が迷惑をかけてすまなかった。今後は俺が体育の教師となれるよう、上と交渉する」
理事長「交渉の必要はありません」

 理事長先生!

理事長「新任教師の手腕に興味がありまして、少し見学させてもらったのですが。鷹岡先生、あなたの授業はつまらなかった。教育に恐怖は必要です、が。暴力でしか恐怖を与えられない者は、その教師は3流以下だ」

 理事長先生は鷹岡先生の口に何かを押しこんだ。

海「あれ、解雇通知じゃね?」
茅「うそ⁉」

理事長「この学校の任命権はあなた方、防衛省にはありません。常に私の支配下であることをお忘れなく」
鷹「くっそ、くっそ、くそ、くそぉぉぉぉぉ!」

 鷹岡先生は走り去っていった。

前「鷹岡、クビ」
岡「ということは……」
皆「いよっしゃぁぁぁぁ‼」

 烏間先生が体育の教師だ!

烏「お前は、例えば彼が将来は殺し屋になりたいといえばどうする?」
殺「答えに迷うでしょうね。ですが、迷わぬ教師などいません。だから面白いんですよ、教師という職業は」


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