暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part4♪

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358:凪海:2016/04/03(日) 13:58 ID:ySs

>>357

 夏になったらプールがベスト! だけど、E組はそうもいかない。別に本校舎のプールに行くな、というわけではないんだ。ただ、本校舎までの道のりならともかく、授業終了時。つまりは本校舎から帰ってくるときがつらい。何せ、炎天下の中。歩いて旧校舎まで戻らなくてはいけないからだ。
 ところで……。

渚「どうして海は夏のだというのに冬服なの? 暑くないの?」
海「え……、あぁ。私こう見えてけっこう寒がりなんだよね。夏でもさ、なんか寒いなぁって感じちゃうんだ。あはは」
中「てか、なんで本校舎に行かなけりゃいけないのに、こんな山奥に行くの?」
殺「行けばわかりますよ」

 まぁ、炎天下の中。本校舎目指して歩くよりは幾分ましかも。

カ「そういえばこの前、すごかったらしいじゃん。見ときゃよかった。渚くんの暗殺」
渚「え? ああ」
茅「そうだよカルマくん、面倒そうな授業はいつもさぼるんだもん」
カ「えー、だってあのデブ嫌だったし」
渚「あはは」

 でも、いくら人間相手でいい結果をだしても、ここじゃ通用しない。みんな、毎回色々と策を練ってはいるけれど……。

殺「さて、着きましたよ」
海「ここって⁉」
渚「プール⁉」

 そう、プールがあったのだ。

殺「何せ、浅瀬をせき止めて水を溜めるのに1日以上かかりましたから。さぁ、あとは1秒あれば飛びこめますよ〜」
皆「いやっほーーーー!」

 こういうことをしてくれるから、うちの先生は殺しづらい!

茅「楽しいけどちょっと憂鬱〜。泳ぎは苦手だし、水着は体のラインがはっきりでるし」
岡「そんなことないぞ、茅野。お前の体もいつかどこかで需要があるって」
茅「うん、岡島くん。二枚目づらして盗撮カメラ用意すんのはやめよっか」

 僕がプールの真ん中あたりで立っていると、中村さんが意外そうな顔をして僕に声をかけた。

中「渚、あんたって男だったのね」
渚「今更⁉」

茅「海ちゃんはどうしてダイバースーツなの?」
海「え⁉ えーっと、スク水が家になかったんだ。で、仕方なくこれを……。私もけっこう金づちだからさ、あんま水着らしい水着も持ってないんだよね」
茅「そうなんだ」

 僕らがプールではしゃいでいる最中、いきなり殺せんせーの声が響いた。

殺「こら、木村くん。プールサイドを走ってはいけません」
木「あ、すみません」
殺「中村さんに原さん、水中遊びもほどほどに! あまり長くもぐっていると溺れたかと心配します」
中&原「ごめんなさい」
殺「岡島くんのカメラも没収! 狭間さんも本ばかり読んでないで泳ぎなさい。海さんも泳ぎが苦手でもせめてプールに入ってください! 苦手は克服がナンボなんですから」

杉「こ、こうるせぇ……」

 殺せんせー、プールマナーにやたら厳しいなぁ。


凪海:2016/04/03(日) 14:41 ID:ySs [返信]


中「いるいる、自分が作ったフィールドだと調子に乗るやつ……」
海「典型的なバカだな」
茅「こらこら」

 僕らが呆れる中で、倉橋さんは持ち前の笑顔で殺せんせーに言った。

倉「そんな固いこと言わないでよ、殺せんせー。水かけちゃえ」

 ばしゃっ

殺「きゃん!」

 え……。
 何、今の悲鳴は。

 ぐらぐら

 カルマくんが何かに感づいたのか、殺せんせーの座っている脚立の足をつかんでぐらぐらとゆすった。

殺「ちょ、カルマくん! やめてください」

 もしかして、殺せんせー。

殺「いえいえ、別に水に浸かると触手がふやけるとかそんなんないしぃ。泳ぎたくないから泳がないだけだしぃ」
三「ビート板持ってるからてっきり泳ぐ気まんまんなのかと」
殺「これはビート板ではありません。麩菓子です」
三「おやつかよ!」

 泳げないんだ!
 これはもしかしたら、今までで一番使える手かもしれないぞ。


倉「海ちゃん、どこ行くの?」
海「ちょっと用事があるんだ。ごめん、みんな。先に帰ってて」
中「?」

裏庭

 そこには寺坂と村松がいた。

寺「成績が上がって良かっただぁ⁉」
村「なんでも、あいつのやった『模試直前ヌルヌル強化講習』を受けたらさ……いてっ」
寺「成績めあてで日和やがって!」

 寺坂は村松を思い切り突き飛ばし、校舎に戻っていった。


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