今、普久間殿上ホテル編を書いてるけど、千速を書かなかったので書こうと思います。
というわけで、番外編‼
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速水side
銃を持つと、いつも不思議な感覚にとらわれる。
黒で輝いた体面に指に上手くあった引き金、何より引き金を引いた瞬間に銃口から飛びだす弾。それが的に当たったときは、緊張から解き放たれた気持ちになる。
「ふぅ……」
「調子いいな」
「千葉……」
声のしたほうを見ると、そこには千葉がいた。彼はライフルを持っていて、それを私の隣でセットし始めた。
「最近、調子いいみたい」
「……そうか」
パン、パン、パンッ
山の中で響く。3回ほど、的に当たった弾。私は目をこらして的を確認する。
「相変わらずすごいね」
3回とも的の中央に当たっている。
「夏のときは、残念だったな」
千葉の突然の言葉に、私は一瞬。どう答えたらいいのかわからなかった。
「でも、いい経験もした」
「そうね」
本物の殺し屋、たしかガストロといっただろうか。彼の撃ってきた弾は狙った獲物は逃がさないがごとくの弾だった。
正直、あの弾をすれすれで感じたとき、恐怖しかなかった。そのくらいの威圧感があった。
あんな弾、私には放てない。でも、もしも千葉なら。
「俺でも無理だったろうな」
「え?」
私は驚いて千葉を見た。
「あの殺し屋。狙った的は1センチたりともはずさなかったけど、それだけじゃない。ためらいがなかった。俺はあの暗殺決行の日、『この弾じゃ殺せない』と確信した。きっと、そういう思いで撃ったらだめなんだろうな」
「………」
こういうとき、私はなんと言えばいいのだろう。
そのとき、下校を知らせるチャイムがかすかに耳に届いた。
「もうそんな時間か。帰ろう」
「うん」
私たちは銃と的を片づけて山をくだった。
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うーむ、千速は書くの難しいなぁ。
まだ続くよぉ。
私は家に帰って夕飯を済ませると、自分の部屋でなんとはなしに矢田とLINEでやり取りをしていた。
「ねぇ、矢田」
「もう! 凛香ってば。私のことは桃花って呼んでって言ってるじゃん(-"-)
どうかしたの??」
「放課後に千葉と話したの」
「⁉ 何をっ?」
「夏休みの暗殺。必殺の一撃を加えるのに、ためらいはだめだって
そう千葉が言ってたの」
「……そっか。
それで、凛香はなんて答えたの??」
「何も答えられなかった」
そう送ってから、なんだか情けない気持ちになった。
千葉の言っていたことは正しかった。だからこそ、どう言えばいいのかわからなかった。
「凛香はもうちょっと、自分に素直でいればいいと思うよ」
「え?」
私は驚いた。自分に、素直?
突如として思い浮かんだのは、何故か岡島の顔……。
イトナが3回目の襲撃をしたとき、私は「シロのやつにむかついてただけなんだから、勘違いしないでよね」と言った。そのとき、岡島が……。
「速水が勘違いしないでよねって言ったぞ」
挙句、竹林にはツンデレ呼ばわりされたし……。
「凛香、どうしたの? 既読ついてるのに返信が(´;ω;`)」
「ごめん。ちょっと考え事してた」
そのあとは矢田と普段通りの会話をして、LINEを終えた。
私はベッドに倒れた。右手を開いたり閉じたりしてみる。この手で引き金を引き、ターゲットの急所を狙う。
ピコン
びっくりした。慌ててスマホを見ると、LINEで通知が入っていた。
「千葉……」
私はそれを開いて、内容を見てみる。
「明日の朝、時間あるか?」
「あるけど」
「ちょっと朝練につきあってほしい」
突然の、申し出だった。