暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part4♪

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530:凪海:2016/04/08(金) 22:16 ID:ySs

 今、普久間殿上ホテル編を書いてるけど、千速を書かなかったので書こうと思います。

 というわけで、番外編‼

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速水side

 銃を持つと、いつも不思議な感覚にとらわれる。
 黒で輝いた体面に指に上手くあった引き金、何より引き金を引いた瞬間に銃口から飛びだす弾。それが的に当たったときは、緊張から解き放たれた気持ちになる。

「ふぅ……」
「調子いいな」
「千葉……」

 声のしたほうを見ると、そこには千葉がいた。彼はライフルを持っていて、それを私の隣でセットし始めた。

「最近、調子いいみたい」
「……そうか」

 パン、パン、パンッ

 山の中で響く。3回ほど、的に当たった弾。私は目をこらして的を確認する。

「相変わらずすごいね」

 3回とも的の中央に当たっている。

「夏のときは、残念だったな」

 千葉の突然の言葉に、私は一瞬。どう答えたらいいのかわからなかった。

「でも、いい経験もした」
「そうね」

 本物の殺し屋、たしかガストロといっただろうか。彼の撃ってきた弾は狙った獲物は逃がさないがごとくの弾だった。
 正直、あの弾をすれすれで感じたとき、恐怖しかなかった。そのくらいの威圧感があった。
 あんな弾、私には放てない。でも、もしも千葉なら。

「俺でも無理だったろうな」
「え?」

 私は驚いて千葉を見た。

「あの殺し屋。狙った的は1センチたりともはずさなかったけど、それだけじゃない。ためらいがなかった。俺はあの暗殺決行の日、『この弾じゃ殺せない』と確信した。きっと、そういう思いで撃ったらだめなんだろうな」
「………」

 こういうとき、私はなんと言えばいいのだろう。
 そのとき、下校を知らせるチャイムがかすかに耳に届いた。

「もうそんな時間か。帰ろう」
「うん」

 私たちは銃と的を片づけて山をくだった。

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 うーむ、千速は書くの難しいなぁ。
 まだ続くよぉ。


凪海:2016/04/09(土) 01:02 ID:ySs [返信]


 私は家に帰って夕飯を済ませると、自分の部屋でなんとはなしに矢田とLINEでやり取りをしていた。

「ねぇ、矢田」
「もう! 凛香ってば。私のことは桃花って呼んでって言ってるじゃん(-"-)
 どうかしたの??」
「放課後に千葉と話したの」
「⁉ 何をっ?」
「夏休みの暗殺。必殺の一撃を加えるのに、ためらいはだめだって
 そう千葉が言ってたの」
「……そっか。
 それで、凛香はなんて答えたの??」
「何も答えられなかった」

 そう送ってから、なんだか情けない気持ちになった。
 千葉の言っていたことは正しかった。だからこそ、どう言えばいいのかわからなかった。

「凛香はもうちょっと、自分に素直でいればいいと思うよ」
「え?」

 私は驚いた。自分に、素直?
 突如として思い浮かんだのは、何故か岡島の顔……。
 イトナが3回目の襲撃をしたとき、私は「シロのやつにむかついてただけなんだから、勘違いしないでよね」と言った。そのとき、岡島が……。

「速水が勘違いしないでよねって言ったぞ」

 挙句、竹林にはツンデレ呼ばわりされたし……。

「凛香、どうしたの? 既読ついてるのに返信が(´;ω;`)」
「ごめん。ちょっと考え事してた」

 そのあとは矢田と普段通りの会話をして、LINEを終えた。
 私はベッドに倒れた。右手を開いたり閉じたりしてみる。この手で引き金を引き、ターゲットの急所を狙う。

 ピコン

 びっくりした。慌ててスマホを見ると、LINEで通知が入っていた。

「千葉……」

 私はそれを開いて、内容を見てみる。

「明日の朝、時間あるか?」
「あるけど」
「ちょっと朝練につきあってほしい」

 突然の、申し出だった。


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