>>940
僕らはある情報を得て、それを確認するために学校からほど近いカフェ店にやってきた。というのは建前で。
磯「いらっしゃいませ。あ、原田さん。こんにちは」
原「どうも〜」
カフェ店で働いているのは、磯貝くん。僕らのクラスの委員長だ。
前「うーむ、イケメンだ」
岡「殺してぇ……」
カランカラン
磯「いらっしゃいませ……って、海か」
海「何その反応」
磯「渚たちと待ち合わせか?」
海「うん」
磯「だったら、ほらそこ」
海「おー、ありがと」
茅野が海に向かって手を振ると、海はこっちに気づいたみたいだ。すぐに来た。
海「お待たせ」
片「海はまた和服なのね」
海「慣れちゃってるからね」
渚「ところで早退してたけど、風邪は大丈夫なの?」
海「あ、今日の早退は薬取りに行ってたんだ。足りなくなっちゃって。私の行きつけの開業医がさ、今日だけ閉めるの早かったから」
茅「風邪は平気なの?」
海「ぜーんぜん、平気!」
海はすぐにケーキと紅茶を注文してそれらにぱくついていた。
そこへ、また店のベルが鳴る音が響いた。
?「おやおや、情報通りバイトしている奴がいるよ」
?「いーけないんだ、磯貝くん」
この声は!
浅「これで2度目の重大校則違反だ。見損なったよ、磯貝くん」
五英傑に浅野くんまで……、最悪だ。
店の外
磯「頼むよ、浅野。今日やれば今月分は足りるからさ」
浅「そうだね……、僕としてもできれば穏便に済ませたいしね」
よからぬことを考えているときの浅野くんは、本当に理事長そっくりだ。
ところで……。
榊「ねぇ、君。かわいいね。よかったらうちに奉公に来ない?」
海「………」
さっきから榊原くんが海にめっちゃ言い寄ってるんだけど……。
まぁ、海は普段男子の制服を着ているから、女子らしい服(和服だけど)を着てると女子に見えちゃうもんね。まぁ、女子なんだけど。
前原くんが小声で僕に言ってきた。
前「おい、彼氏。助けてやれよ」
渚「う、海が怖くて……。それに彼氏じゃないし」
片「何言ってんのよ、男でしょ」
でもなぁ……。
海は榊原くんを無視しながらも、さっきからとんでもない殺気を放ってる……。
磯「……おい、やめろ!」
そのとき、磯貝くんが海をかばった。
すると、海が待ってましたとばかりに、何かとんでもないいたずらを思いついたかのような顔をした。