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殺せんせーはイトナにやっとのことで追いついた。
すぐさま彼の近くに寄ろうとすると、
カッ
殺(こ、これはっ! 私の動きを鈍らせる光っ‼)
続いて放たれる、対せんせー弾。しかし、その方向は殺せんせーではなく、イトナへと向かっていく。
シ「お前は自分以外が狙われると、途端に反応速度が落ちる。結局お前も、自分のことしか考えていない奴だ」
殺「にゅ、にゅ、にゅーーーーーっっ‼」
殺せんせーは着ている服でなんとか対せんせー弾がイトナに当たらないように守っているが、限界が近づいている。
万事休す、かと思われたが。
ドカッ
部下「ぐぉっ」
寺「これ、対タコ用に作られた服だろ? おかげでタコの代わりに俺らが落とさなきゃなんねーだろーが」
寺坂くんが木の上にいたシロの部下の1人を蹴り落とした。
僕らはカルマくんや前原くんや寺坂くんや岡野さんが次々と落としていくシロの部下たちを片っ端から簀巻き(すまき)にした。
シ「なっ!」
カ「こっち見てていいの、シロ? 俺らに注意を向けてたら、ネットなんてあのタコに根元からはずされちゃうよ〜」
シロが後ろを振り向いた頃には、すでに殺せんせーはイトナくんを捕らえていたネットの根元を壊していた。
殺「シロさん、あなたは周到に計画を練りますが、生徒を巻きこめば必ずその計画は台無しになる。イトナくんをこのクラスに残して早く去りなさいっ!」
シ「モンスターにコバエが群がるクラス、か。大層うざったいね。いいよ、そんな子はくれてやる。どうせ、もって3日の命だ」
シロはそう言い残して、部下と共に軽トラに乗りこみ、走り去ってしまった……。
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ま、大方知っての通り、このあと寺坂組がイトナを助けてイトナは正式にE組加入だね。
そこからさらに飛ばして、次からは体育祭行きまーす!
僕らはある情報を得て、それを確認するために学校からほど近いカフェ店にやってきた。というのは建前で。
磯「いらっしゃいませ。あ、原田さん。こんにちは」
原「どうも〜」
カフェ店で働いているのは、磯貝くん。僕らのクラスの委員長だ。
前「うーむ、イケメンだ」
岡「殺してぇ……」
カランカラン
磯「いらっしゃいませ……って、海か」
海「何その反応」
磯「渚たちと待ち合わせか?」
海「うん」
磯「だったら、ほらそこ」
海「おー、ありがと」
茅野が海に向かって手を振ると、海はこっちに気づいたみたいだ。すぐに来た。
海「お待たせ」
片「海はまた和服なのね」
海「慣れちゃってるからね」
渚「ところで早退してたけど、風邪は大丈夫なの?」
海「あ、今日の早退は薬取りに行ってたんだ。足りなくなっちゃって。私の行きつけの開業医がさ、今日だけ閉めるの早かったから」
茅「風邪は平気なの?」
海「ぜーんぜん、平気!」
海はすぐにケーキと紅茶を注文してそれらにぱくついていた。
そこへ、また店のベルが鳴る音が響いた。
?「おやおや、情報通りバイトしている奴がいるよ」
?「いーけないんだ、磯貝くん」
この声は!
浅「これで2度目の重大校則違反だ。見損なったよ、磯貝くん」
五英傑に浅野くんまで……、最悪だ。
店の外
磯「頼むよ、浅野。今日やれば今月分は足りるからさ」
浅「そうだね……、僕としてもできれば穏便に済ませたいしね」
よからぬことを考えているときの浅野くんは、本当に理事長そっくりだ。
ところで……。
榊「ねぇ、君。かわいいね。よかったらうちに奉公に来ない?」
海「………」
さっきから榊原くんが海にめっちゃ言い寄ってるんだけど……。
まぁ、海は普段男子の制服を着ているから、女子らしい服(和服だけど)を着てると女子に見えちゃうもんね。まぁ、女子なんだけど。
前原くんが小声で僕に言ってきた。
前「おい、彼氏。助けてやれよ」
渚「う、海が怖くて……。それに彼氏じゃないし」
片「何言ってんのよ、男でしょ」
でもなぁ……。
海は榊原くんを無視しながらも、さっきからとんでもない殺気を放ってる……。
磯「……おい、やめろ!」
そのとき、磯貝くんが海をかばった。
すると、海が待ってましたとばかりに、何かとんでもないいたずらを思いついたかのような顔をした。