ある少年のお話。
雪のように白い肌を持ち、海のような髪の男の子。
その子は物心がついたころから、人を殺していくのを見ていた。
あまりにも、多く見すぎていつもなぜ人々が嘆いているのかわからなかった。
それは、嘆いても無駄だと知っていたから。
___人間は殺されるものだと思っていたから。
そんな少年は友達はいなかった。ただ、3人の話すと心が落ち着く人がいた。
1人は山吹色の髪をした、やんちゃで笑うとかわいい男の子フィン。
1人は黒曜石のような髪の色をしたクールで優しい男の子、キース。
1人は誰よりも面白くて誰よりも人のことを考えているベージュの髪の女の子、スティア。
そんなある日のことだった。
「早く逃げろー!」
「さっさとやっちまえ!!」
少年がいつものように深い眠りにつこうとした時、兵が叫び騒々しくなり、起きる。
何者かが侵入したようだ。
「ど、どうしよう」
少年は動くことはできない。いつも鎖をつけられていたから。
その時、通った兵士がこちらを見つけ、考えるような仕草をしたと思ったら、突然こっちに来ていった。
「こ、こいつを殺したら…もしかしたら…」
そういうと、兵士が腰につけていた剣を外し、振り下ろそうとした。
少年は思わず目をつむる。
その時に、なぜ日知人が嘆いていたかわかったような気がした。
続く
>>447 「 日知人 」 ではなく 「 人々 」 です。