異変に気づいた棗はいち早く走ってくる。
続いて蛍や先生も。
「蜜柑!どうした!?」
棗が蜜柑を抱き起こす。
しかし、蜜柑は目を閉じたまま動かない。
「日向、とりあえず佐倉を病院に!」
先生の声に棗は蜜柑を抱き、病院に走っていった。
「みんなは自習をしておくように!」
先生は一言そう言うと棗のあとを追っていった。
IN病院
「日向、お医者様と話すからお前は出ていっとけ。」
先生は蜜柑の手を握っている棗に声をかける。
棗はなにも言わずに立ち上がると病室から出ていった。
「それで…佐倉は?」
棗が出ていったのを確認した先生が口を開く。
すると、医者は言いにくそうに口を開いた。
「分からないんです。」
「分からない?」
思いもよらない答えに先生は目を見開く。
「はい、でも重い病気であることは確かです。いつになるかは分かりませんが可能性としては記憶障害が生じるかもしれない。」
「記憶障害…ですか…」
「まだ決まったことではありません。当分、入院してもらって調べさせてもらいます。」
「そうですか…わかりました。ありがとうございました。」
先生は医者の話を聞き終えると病室から出ていった。
「鳴海先生に報告だ…」
先生は急いで鳴海先生のところにむかった。
かくね!
前のは>>21だよっ!忘れた人は見てみてね!
続き
「鳴海先生!」
病院から戻った体育の先生は職員室に走り込むと鳴海先生の行方を探す。
「そんなに慌ててどうしたんですか?」
鳴海先生は息を切らす体育の先生を見て驚く。
「佐倉が…!」
体育の先生は、病院での出来事を話した。
「…なるほどね。皆には言わないほうがいいね。棗君、蛍ちゃん、ルカ君には知らせておこう。」
声は落ち着いているものの鳴海先生の表情には焦りが浮かんでいる。
「そうですね…。」
重苦しい雰囲気が職員室に流れるのだった。
鳴海先生は放送で棗、蛍、ルカを呼び出す。
蜜柑のことだと悟ったのか三人とも走って職員室まで来た。
「ナルッ…!蜜柑は…!」
棗は真っ先に鳴海先生を見つけると詰め寄る。
鳴海先生はあくまで冷静に答えた。
「落ち着いて聞いてね。蜜柑ちゃんは原因も病名も分からない病にかかってしまっているらしいんだ。時がたてば記憶に異常が出る可能性もあるらしい。これは僕たちと先生方だけしか知らないことだこら皆には内緒にしてね。そして、できるだけ蜜柑ちゃんの側にいてあげて。」
鳴海先生はそう言った。
棗も蛍もルカも動揺を隠せなかった。
「うそ…でしょ?あんなに元気だったのよ?びょ、病気だなんて何かの間違いよっ!」
最初に口を開いたのは蛍だった。
瞳には涙が滲んでいる。
「話は以上だよ。僕たちもこれからは全力で蜜柑ちゃんを治す方法を探さなくちゃいけない。君たちは蜜柑ちゃんの側にいてあげてね。」
そう言うと鳴海先生は三人を職員室から出すと調べものを始めるのだったー。