何回言うかわかんないけど、海でまぁす。(>>168にあるA班に入れます)
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>>272
「茅野っ!」
僕は磯貝くんから電話を奪い取って、思わず声をあげていた。
しばらくの間、音は何も聞こえなかった。小さく、何かポップな曲が聞こえる以外は……。
「ま、彼女を無事に返してほしければ急いで賞金首を連れてくるんだね」
そうして電話は切れてしまった。
「……どうする?」
千葉くんが僕らを見た。
「と、とりあえず。茅野っちがどこにいるか見つけるのが先決だよ」
「そうだな。こっちにはGPS探知ができるクラスメイトがいるし! というわけだから、律。茅野のスマホの居場所を探知してくれ」
僕らは律の次の言葉を待った。ところが……。
「すいません。どうやら茅野さんはスマホを学校に置き忘れているみたいです」
⁉
「そんなっ!」
「打つ手がないじゃないか」
「で、でも。殺せんせーの嗅覚を使えば……」
「いや、その必要はないよ」
否定したのは海だった。
「どういうこと?」
「さっきの通話、あれをもう一度聞き直すべきだよ。律」
「あ、はい。では再生してみますね」
謎の人物の声、僕らの声、茅野の声……。
「な?」
「いや、な? って言われてもわからん」
うん、全然わかんない。
「は、早く答えを言ってよ、海!」
「いや、もう答えがでてんだけど……」
海が困ったような顔をした。
「じゃあ、律。さっきの通話。もうちょっと高くして」
「はい」
音量が上がって、もう一度再生。
謎の人物の声、僕らの声、茅野の声……。
「あ」
カルマくんが声をあげて、すぐにニヤリと笑った。
「てか、逆に海。どんだけ耳いいんだよ」
「いや、聞こうと思えば聞こえるよ。第一、人間の耳はそういうのに特化している動物だし……」
海はそう言って僕らを見回した。
「私、あんまりこの町について詳しくないからなんとも言えないんだけど、とりあえず。ここらでめっちゃ車が通る場所で、なおかつ。この音楽が聞ける場所なんだけど……」
そう言いながら海はスマホをいじって動画サイトを呼び出すと、そこからさらに検索をかけて音楽を流し始めた。僕らは聞き耳を立てた。
どこかの有名な遊園地でよく使われている音楽だった。
「じゃあ律、もう一回あの通話を再生して」
「はい」
そして再生される通話。僕らは、今度は外の音に注意した。
「あ!」
たしかに海の言うとおり、車が激しく行き交う音やあの音楽が流れている。でも、ときどきジャンルの全く違う音楽も流れたりした……。
どこかで聞いたような、このメドレーみたいな音楽……。
「ここって、もしかして椚ヶ丘駅の西口にあるデパートから流れている音楽じゃない?」
中村さんの言葉に僕らはハッとした。どうりで聞いたことがあると思った!
「じゃ、そこに狙いを絞ろう」
そして僕らは茅野を助けるために作戦をたて始めた。
☆(倉橋side)
みんなと別れてから30分くらいたったかな? 磯貝くんから連絡が入った。
「茅野の居場所がわかった」
「ホントかっ⁉」
私たちは互いにハイタッチをして喜んだ。
本当に良かったよぉ〜。
けれど、次の磯貝くんの言葉が私たちに衝撃を与えた。
「ただ、今は殺し屋に捕まってるそうだ」
⁉
「そいつから連絡があって、なんとか居場所がわかるところまではいけたんだ。相手の狙いは殺せんせー。これは疑いようもない事実だ」
え、でも……。
「殺せんせーを殺すのに生徒を人質に取るだなんて、賞金目当てじゃないのかしら」
寿美鈴ちゃんの言葉に私たちは「そうだね」とうなずきあった。
「いや、賞金目当てではあるらしいんだ。ただ、相手が茅野をさらった理由が……その。存在しない生徒を人質にとるってことで」
存在しない生徒……?
カエデちゃんはクラスの一員なのに、どうして……。
私の隣にいた桃花ちゃんが声を上げた。
「あ! 雪村あかりちゃんってことか!」
あ、たしかに!
「相手も手段を選ばねぇな」
村松くんが言った。
「俺たちは今から犯人の居場所へ乗りこむ。それから、もしも今後犯人から連絡が来たらそっちに行くようになってるから、穏便に犯人を説得してくれ」
任せて!