速水side
千葉が好きだって告白してから、2週間が経とうとしていた。告白した割に、特に何の進展もない。
千葉とはよく自主練とかで一緒になったりしているんだけど、特に何の話をすることもなく。する話としたら、どういう高さで銃を構えれば、必殺を狙えるとか。そういうことばかり。
何か、これじゃあいつもと変わらない気が……。
「凛香、千葉くんと付き合うことになったんだって?」
矢田の言葉に私は思わず赤面した。
「ど、どうしてそれを……?」
「見てればわかるよ。前よりも千葉くんと話す機会が増えてるみたいだし」
「………」
は、恥ずかしくて何も言えない……。
「……でも、特にそのほかは進展ないのよね」
「え、そうなの?」
「うん……」
千葉は結局のところ、私のことをどう思っているんだろうか。
「あ、千葉くん来たみたいよ。それじゃ、私はこれからビッチ先生にちょっと教授してもらうことがあるから、これで」
「ちょ、矢田っ!」
矢田は走って校舎の中に入ってしまった。
千葉が私に気づいた。
「お、速水。今日も練習?」
「う、ん」
「俺も一緒にいいか?」
「か、構わない……」
顔をそむけてうなずいた。実は最近、千葉とまともに顔をあわせられない……。す、すごく恥ずかしいからっ!
「どうした?」
「な、なんでもないわ。行こう」
私たちは山奥へと歩いていった。
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千速ですが、こんな感じな始まりです。どうかな?
3つ同時進行でいこうかなぁ。
今日は拳銃ではなくライフル銃。
実を言うと、私はライフルより手持ちの銃の方が得意だ。ライフルはちょっと重いし照準を定めるのが難しい。
的を設置して、ライフルを構えた。
パン、パン、パンッ
「うーん……」
3発中2発しか中央にヒットしなかった。残りの1発は中央からやや外側に当たった。
「どうした?」
「なんか上手く固定できないっていうか、的に当たらないっていうか」
「速水の場合さ」
そう言いながら千葉は自分が持っていたライフル銃を地面に置き、私に近づいてきた。
えっ!
「こうやってさ」
千葉が……、私の手に自分の手、そえて……。
⁉
「……てやればいい。って、速水。聞いてた?」
「え、あ、え……」
き、聞いてなかった。
というか、手、手、手っ‼
それに近い、近いってば!
「大丈夫か?」
「あわ、わわわわわ……」
こ、この状況。どうすればいいの……。
千葉はさっきから平然としている。ぜ、全然気づいていない。
ど、どうしよう。心臓の音、バクバクいってる……。
聞こえてないよ、ね?
「おーい」
「だ、だだだだ大丈夫よ!」
私は慌てて千葉に背を向けた。