翌日
「梨乃ちゃん、おはよう。」
梨乃ちゃんに挨拶をした。
でも、無視されちゃった。
声、小さすぎたかな?
『梨乃ちゃんっ!おはようっ!』
それでも無視して歩いていく。
どういうこと?
いつも私に付いてくれていた、
近児さんに挨拶をしたら、…
無視されちゃったよぉ!
どういうことなの?一体っ!
音嶺佳が廊下を歩き、教室に入って
行くのが見えた。
「音嶺佳っ!おはようっ!」
「あら?菜奈佳、白井さんは?」
「それがね…」
私は、音嶺佳に梨乃ちゃんとのことを
話した。
「ふうん。ドンマイ。私、菜奈佳の
敵だから、味方には一生ならない。
いくら菜奈佳が幼馴染みだとしても、
味方になろうとは思わないわ。」
私、避けられてるってこと!?
音嶺佳、私の敵なの?
「菜奈佳。ウザイ、帰りな!」
「梨乃ちゃんっ!どうしてっ!」
「アンタのこと、嫌いだし、
見たくない。帰りな!」
これって、イジメ?
「菜奈佳、帰りなよ。菜奈佳の
居場所、学校にはないんだから。」
何でっ!
続く
>>45の続き
悲しすぎてトイレにかけ込んだ。
「ねえ、白井様、音嶺佳を利用して、
菜奈佳と一緒にいるのやめたって。
菜奈佳、つまらないらしいよ。」
「ガチメに?音嶺佳、白井様が仲間に
入れてくれたって思ってるもんね。
音嶺佳、鈍すぎだし。そろそろ
音嶺佳も菜奈佳と同じようになるよ。
悲鳴を聞いてなよ。」
トイレで話す声。私と音嶺佳の話?
音嶺佳、操られてるってこと!?
梨乃ちゃん、止めないとっ!
「ちょっと!その話、どういうこと?
わたしと音嶺佳の話してたよね。」
「は?人の話聞いてたのかよ。」
『キャーーーーーーーーーーー!』
音嶺佳の悲鳴だ!
「音嶺佳っ!」
私は、一目散に走り出した。
音嶺佳がかわいそう。
音嶺佳、ごめんなさい。
こんな幼馴染みで、ごめんなさい。
許すわけないよね、こんな幼馴染み。
『うるせぇよ!』
梨乃ちゃんっ!
ひどい、ひどすぎるよ。
「音嶺佳っ!」
「菜奈佳?」
「音嶺佳、梨乃ちゃん!聞いて!
梨乃ちゃん、私の幼馴染みを
傷つけないでっ!私、音嶺佳が
転校してきてくれて、嬉しかった。
また仲良くしようと思って。
でも、梨乃ちゃんが誘ってくれて、
断れなかった。いじめられるのが、
何よりも怖かった。音嶺佳との縁を
切ってでも、梨乃ちゃんと仲良くして
いじめられないようにしよう。
思ったんだよっ!」
「菜奈佳っ!今頃遅いわよ。私、
菜奈佳と音嶺佳をいじめること、
何よりも好きだったんだから。」
「梨乃っ!」
ヤバ、呼び捨てしちゃったよ。
音嶺佳、助けて。
「菜奈佳は悪くないよ。んん、悪い
のは私。梨乃も悪く…いいえ、梨乃が
一番悪いんじゃないかしら!人を
いじめて笑いあって、最低。」
音嶺佳っ!
「クソッ!」
梨乃ちゃんは逃げていった。
「音嶺佳、ありがとう。幼馴染み失格
だね、私。ごめんなさい。」
「んんん。私も失格。」
『これからも、よろしく。』
降っていた雨がやんだ。
すると、七色の虹が出た。
太陽の光に反射して輝いている。
ダイヤモンドのように…
そして、私達の今みたいに。
完