図書室のドアを開ける。
梅が立っていた。
梅はひなみの姿を見て、顔が赤くなる。
「ひ、ひなみさん、なぜナゾトキ姫に…?」
「あ、ちょっと事情があって…」
「ナゾトキ姫のまま図書室まで来たんですか?もし正体がバレたら…」
「大丈夫ですよ、放課後で、校舎内には人はほとんどいませんから」
「そ、そうですよね…」
ひなみは眼鏡をかけ、三つ編みをする。
いつもの姿に戻った。
「ひなみさん、これバレンタインのお返しです!受け取ってください!」
梅はひなみにチョコレートを渡す。
「あ、ありがとうございます!嬉しいです!このチョコレート、有名だから、一度食べてみかったんです!」
ひなみはにっこり笑った。
その可愛さに、梅はさらに照れる。
「梅くん、次はリッカくんのところに行きます。本当にありがとうございました!」
ひなみはお辞儀をし、図書館を立ち去った。
>>268の続き
ひなみは体育館裏の倉庫に着く。
だが、誰もいない。
(リッカくん、怒って帰ってしまったんでしょうか…?)
ひなみは申し訳なく思う。
すると、突然、視界が真っ暗になった。
手で、目を塞がれているようだ。
「だーれだ?」
いつものように、明るい声がした。
「リッカくん…ですね!」
「ピンポーン♫」
リッカは手を外す。
「すみません、遅くなって」
「全然いいよ、はい、これ」
リッカはお菓子を渡した。
「ありがとうございます!リッカくんは逆チョコもくれたのに」
「いいのいいの、ひなみんのことが好きだし〜」
突然の告白。ひなみの顔が真っ赤になる。
「え、あの…」
「ひなみん、顔が赤くなって可愛い〜」
そして、リッカはひなみに顔を近づける。
「リッカくん、近いです…!」
「大丈夫、ここには誰もいないし…」