>>112の続き
少しギャグがある
・・・
リュナはニックの化物である
・・・
大量の書類とティッシュペーパーに挟まれた花を取り出す
花は水分が見事に抜けており、色鮮やかさだけが残ってい
そして、あらかじめ持ってきていた水色の画用紙にピンセットを使いながら整えていく
綺麗に押し花を配置したら、専用のラミネートシールを貼るだけだ
しかし、この行動はニックの書斎でやるのはまずかった
ニックとは別の気配が近付いているのだ
たぶん、仕事の関してのことだろう
だが、ニックとリュナはこの事にはもう慣れているのだ
ニックはペンの動きを止めることなく書類を進め
リュナはなんの前触れのもなく姿を消えた
次の瞬間、一人の男が入ってきた
ニックに書類を見せながら報告をし始める
しかもその報告内容は、ある組織がタキオンに逆らったそうだ
その調査と無断で売買しようとしていた品の回収をするために行っていた怪盗ファンタジスタのこと織戸恭也は無事に帰還したが体調を崩したために暫く休むらしい
すべての報告を聞き終えたニックは恭也の休みを承諾した
無事に報告人が書斎から出るのを見届けながらもニックは疑問を呟いた
「あの組織が我々に逆らうとは…」
「なんかそれぐらいの肝でも据えているのか、対抗する手段でもあるんじゃねーの?」
いつの間にかニックの背後から持たれるかのようにリュナが出現していた
…彼女はどういう仕組みなのかさっぱり分からないぐらい消えたり現れたりするから初めは驚いたが
慣れてしまえば気にすることではない
「まぁ、それよりあのファンタジスタが体調を崩すんてな」
「あぁ…たしかに」
"いつ人間を辞めてもおかしくない人その2"とリュナによってそんなレッテルを貼られている恭也が体調を崩すなんて珍しいものだ
同時に、美学とかいいながらそういうものは気をつけているタイプなために体調を崩すことなんてほぼ無いに等しい
ならば、季節の変わり目とかなら有り得そうだが残念ながらその時期ではない
だとすると、例の組織から何らかの薬品が体内に入ったのだろうか?
身軽なファンタジスタが大怪我なんてすれば帰還することは不可能なので薬品の可能性が高い
そうやってニックは、思考をめぐらした
とはいえ確証もないし、様子を見に行っても拒むだろう
こういう時こそ、リュナが役立つのだ
「リュナ、【共有】でファンタジスタの様子を見てくれません?」
「あいよー!」
彼女の持つ【共有】は恐ろしく便利なものだ
先程の男の気配も【共有】によって察知したものだろう
つまり、どれほどの範囲かはわからないが少なくとも今ニックがいるビルの全てを見れるのだ
とはいえ、あくまでも"全て"見れるだけである
数多くの映像が敷き詰められたようなものをただ見るだけ
そこから彼女は、一部をくり抜き重点的なものをより精密に【共有】するのだ
相手の考えや意思の【共有】をして相手が自分にとって利害な存在なのかどうか知る
つまり、彼女の前では嘘なんて通じない
「うぉっ!?…あー、うん、ほぉ…!」
【共有】によって恭也の様子を見ながらリュナは、ころころと表情を変える
正直、そんな様子を見ているコチラも気になってしまうぐらいだ
暫くすると、リュナは結果を言った
「ニック、今から言うことは冗談抜きじゃねぇーから、よく聞けよ!…恭也が人間を辞めていた!!」
「あぁ…、予想以上に人間辞めるの早かったですね」
「だよな!ニックも俺も真っ先にファルコンが人間を辞めるかと思っていたけど、2番目に出ていた恭也が先に人間を辞めるとは思わなかったよな!………じゃなくて!!」
とてもなめらかなニックの言葉に乗せられて、特に問題が無いように流されそうになったリュナはツッコミという形でなんとか保つ
そもそも人間を辞めるなんて大きな問題である
しかも、リュナには恭也がもふもふの大きな獣の姿になっていたのでなおさらだ
人型ならまだなんとかなるかもしれないが、四足の獣になると隠しようもない
ちなみにファルコンは、"いつ人間を辞めてもおかしくない人その1"という称号をリュナによって勝手につけられている事を知らない
>>342の続き
・・・
「あ!でも、どうやら戻り方は分かっているらしい……ん?」
また、廊下から人がくる気配を感じ取ったリュナは姿を消す
そして、ニックも同様に何事もなかったかのように仕事をこなしていく
また、ニックの書斎に人が入って来る
どうやら掃除に来たようだ
部屋の掃除ではなく邪魔者てあるニックの掃除である
しかし、そんなことは一瞬で終わりを告げた
気がつけば、暗殺者は動けない状況になっていた
なぜ、こういう事になっているのか思考が追いつかない
確かに、自分は部屋に入ってから掃除道具を出すふりをして銃で殺そうとしたはず
だが、握っていたはずの銃は床に叩き落とされており、首もとには冷たい"何か"が当てられている
この冷たい"何か"の正体はナイフだ
少しづつ暗殺者は、分かってきた
自分は、ニックが飼い始めた化け物に捕まった
ニックが飼う化け物は、前触れもなく仕留める
どのようなものか分からなかったが、ニックの書斎に潜んでいるとは思いもしないだろう
目を向ければ、より冷酷な目線を向けるニックと目が合ってしまった
まるで、この結果が分かっていたかのように
暗殺者の末路までも見通しているかのようで、いやニックが末路を選択しているのだ
そう思うと、暗殺者の背中から冷たい汗が吹き出した
「リュナ、今回もありがとう。彼の事は、ファルコンにお願いしましょう。彼の方が得意なので」
リュナ
それがニックが飼い始めた化け物
暗殺者を前触れもなく仕留めた者
そう思うとより恐怖心が増した
暗殺者の背後で動けないようにしている存在は普通の少女
無邪気な顔をする子供だ
「了解!」
嬉しそうな返事
まるで、ご主人様に褒められて喜ぶ可愛らしいペットだ
しかし、暗殺者から見れば異形な化け物であった
>>341上手い・・・・・・・・・・・・・・・・・・上手すぎる・・・・・
>>343
リュナ、強い、強い、強いぞ・・・・というかファンタジスタさん、人間やめちゃったのか。
>>342>>343の補足
実は、怪盗レッドオリジナル小説を書いてみます!(6)の話と繋がっている
ファンタジスタがとある薬で獣化する話を覚えているか?
リュナは、その様子を言っている
ちなみに、ファルコンはリュナの存在を知っている
というか、今回の暗殺者のような人物とかを引き渡してくる時に会う
もちろん、ファルコンのほうがリュナより強いけど、見た目からして近づく者はいない、
同時に、護衛としては最適だと考えている
言い方を変えれば、暗殺者とか近づけません、勝てる気がしないので
だから暗殺者を捕まえたりするために誘い出すのはリュナのほうが適任という風に考えた
ニックのことだから、わざと護衛がいないようにしてから、確実に敵の尻尾を掴むという作戦やりそうだと考えた結果です