怪盗レッドのオリジナル小説書いてみます!(7)

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112:神出鬼没◆A.:2016/10/06(木) 19:06 ID:GQE

>>111の続き

…ゾロ目とったぜ!!

・・・

「ニック、コスモスとシバザクラとカラスエンドウ持ってきた!」

「採ってくるの早くありませんか?」

「そりゃ、俺の家の庭から採って来たんだからな」

この時、ニックはある疑問が浮かんだ
さっきの彼女は家の庭から採ってきたと言った
しかし、彼女が持ってきた花々は季節的に開花時期がバラバラである
つまり、家そのものが異常なのだ
もちろん、すぐ温室という考えが浮かんだが管理することも難しいのですねありえないだろう

「リュナ、貴方の家はどうなっているのですか?」

「オレの家?オレの家は、庭が家の中にあるよ」

いまいちな答えが返ってきた
やはり、温室という考えがいいのかもしれない
リュナは割と手慣れた手つきで必要のない書類とティッシュペーパーを用意して、新鮮な花を挟み込む
そして、その上にまた大量の書類と目印用の付箋をつける

「つまり、貴方の家には温室があるのですね」

「うーん、間違っては…ないか?家そのものが庭であり温室みたいな感じだな」

「…割と特殊な環境みたいで」

「そうそう!そのとおりだよ!!」

ニックは、ふと自分に"何か"が繋がったような気がした
しかし、彼女は気にすることはなく続けてこんなことを言うのだ

「花が枯れることがないんだ!まるで美しいまま時間を止めたように」

瞬間、ニックの脳裏に鮮明な映像が流れ出す
ガラスと鉄骨で囲まれた広い空間に風に揺れることなく枯れることのない美しい花がきらびやかに咲いている
しかし、その花々はとても綺麗で…いや不気味なほど綺麗すぎるのだ
まるで、誰かの手によって時間から忘れ去られてしまったかのように

「ニック、わかるか?オレが言いたい意味が」

リュナの言葉により夢から覚めたかのように我にかえる
そして暫く考えたあと眉間にしわを寄せながら言った

「リュナ、何故勝手に私に【共有】させた?」

「いや、言葉でいるより早いかなって…」

「全く…これをやる時は一言声をかけてからやってください」

「はーい…」

先程の感覚の正体は、彼女の【共有】の能力である
同時に、あの鮮明な映像も彼女の記憶の一部がニックに【共有】されたものなのだ
しかし、それは余りにも強烈過ぎるものであり、少し間違えれば、向こうに落ちてしまいそうになる
つまり、知らなくていい事までも【共有】により知ってしまうどころか、飲まれていき元に戻れないことになってしまう
自分が自分ではなくなってしまうかように
だからこそ、前もって言ってほしい
そうしなければ心の準備が間にあわないのだ

「次からは、3Dにして部屋全体で見せるようにするぜっ!」

「そこじゃないですよ」

しかし、そんなことをリュナが気がつくのはまだまだ先のようだ


神出鬼没◆A.:2016/10/23(日) 20:39 ID:.rU [返信]

>>112の続き
少しギャグがある

・・・

リュナはニックの化物である

・・・

大量の書類とティッシュペーパーに挟まれた花を取り出す
花は水分が見事に抜けており、色鮮やかさだけが残ってい
そして、あらかじめ持ってきていた水色の画用紙にピンセットを使いながら整えていく
綺麗に押し花を配置したら、専用のラミネートシールを貼るだけだ

しかし、この行動はニックの書斎でやるのはまずかった
ニックとは別の気配が近付いているのだ
たぶん、仕事の関してのことだろう
だが、ニックとリュナはこの事にはもう慣れているのだ
ニックはペンの動きを止めることなく書類を進め
リュナはなんの前触れのもなく姿を消えた

次の瞬間、一人の男が入ってきた
ニックに書類を見せながら報告をし始める
しかもその報告内容は、ある組織がタキオンに逆らったそうだ
その調査と無断で売買しようとしていた品の回収をするために行っていた怪盗ファンタジスタのこと織戸恭也は無事に帰還したが体調を崩したために暫く休むらしい
すべての報告を聞き終えたニックは恭也の休みを承諾した
無事に報告人が書斎から出るのを見届けながらもニックは疑問を呟いた

「あの組織が我々に逆らうとは…」

「なんかそれぐらいの肝でも据えているのか、対抗する手段でもあるんじゃねーの?」

いつの間にかニックの背後から持たれるかのようにリュナが出現していた
…彼女はどういう仕組みなのかさっぱり分からないぐらい消えたり現れたりするから初めは驚いたが
慣れてしまえば気にすることではない

「まぁ、それよりあのファンタジスタが体調を崩すんてな」

「あぁ…たしかに」

"いつ人間を辞めてもおかしくない人その2"とリュナによってそんなレッテルを貼られている恭也が体調を崩すなんて珍しいものだ
同時に、美学とかいいながらそういうものは気をつけているタイプなために体調を崩すことなんてほぼ無いに等しい
ならば、季節の変わり目とかなら有り得そうだが残念ながらその時期ではない

だとすると、例の組織から何らかの薬品が体内に入ったのだろうか?
身軽なファンタジスタが大怪我なんてすれば帰還することは不可能なので薬品の可能性が高い
そうやってニックは、思考をめぐらした
とはいえ確証もないし、様子を見に行っても拒むだろう
こういう時こそ、リュナが役立つのだ

「リュナ、【共有】でファンタジスタの様子を見てくれません?」

「あいよー!」

彼女の持つ【共有】は恐ろしく便利なものだ
先程の男の気配も【共有】によって察知したものだろう
つまり、どれほどの範囲かはわからないが少なくとも今ニックがいるビルの全てを見れるのだ

とはいえ、あくまでも"全て"見れるだけである
数多くの映像が敷き詰められたようなものをただ見るだけ
そこから彼女は、一部をくり抜き重点的なものをより精密に【共有】するのだ
相手の考えや意思の【共有】をして相手が自分にとって利害な存在なのかどうか知る

つまり、彼女の前では嘘なんて通じない

「うぉっ!?…あー、うん、ほぉ…!」

【共有】によって恭也の様子を見ながらリュナは、ころころと表情を変える
正直、そんな様子を見ているコチラも気になってしまうぐらいだ
暫くすると、リュナは結果を言った

「ニック、今から言うことは冗談抜きじゃねぇーから、よく聞けよ!…恭也が人間を辞めていた!!」

「あぁ…、予想以上に人間辞めるの早かったですね」

「だよな!ニックも俺も真っ先にファルコンが人間を辞めるかと思っていたけど、2番目に出ていた恭也が先に人間を辞めるとは思わなかったよな!………じゃなくて!!」

とてもなめらかなニックの言葉に乗せられて、特に問題が無いように流されそうになったリュナはツッコミという形でなんとか保つ
そもそも人間を辞めるなんて大きな問題である
しかも、リュナには恭也がもふもふの大きな獣の姿になっていたのでなおさらだ
人型ならまだなんとかなるかもしれないが、四足の獣になると隠しようもない

ちなみにファルコンは、"いつ人間を辞めてもおかしくない人その1"という称号をリュナによって勝手につけられている事を知らない


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