フェアリーテイル ナツルーグレルー小説10!

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161:みさ◆tw:2018/01/08(月) 10:59 ID:.DE

前回は>>155でーす

* * * * * * * * * * * * * * *

【ルーシィside】

電車が揺れる。
窓の景色は街から山へ、山から海へとめまぐるしく回る。
内(なか)の人はせわしなく動いていく。

「ルーシィさん、もう退院できてよかったですね」
「ええ、家に帰れるのはとても楽しみです」

向かい合わせのシートには、私の横に、ウェンディさん。
前の席にはグレイさんと、エルザさんが座っている。

「そういえば、ナツさんは?」
「ナツさんならいつものあれですよ?」

あれ、とは何だろう。
記憶を失った私にはわからない。

「あ、そっか知らないんですよね」
「ごめんね」
「いえ、なんかやっぱりいつものルーシィさんとの調子で話しちゃうな」

それはいいことなのだろうか?
私をちゃんとルーシィだと思ってくれることはとてもありがたいことだ。
でも、私にはそのルーシィではなくて今のルーシィとして接してほしい。
もちろん、そんなことは言わないが。

「ナツは、乗り物酔いだ。確か、そばにハッピーがついていたはずだが」
「ハッピー?」
「おいエルザ、今ハッピー見ると混乱するからギルドまで隠しておこうって言ってたじゃねーか」
「すまんすまん。まぁ言ってしまったからしょうがないだろう」

私を置いてどんどん話が進んでしまっている。
ちょっとついていけないが、簡単に整理すると…。
ハッピーは得体のしれない"何か"、ということでいいのか?

「おいほら見ろエルザ。中途半端な説明で何も見ていないのにもう混乱してやがるぜ」
「なら、エルザさん一緒にハッピーを見つけに行きましょう。見せた方が早いと思います」

「そうだな」と言ってエルザが立ち、次の車両に行きはじめた。
それに、ウェンディもついて行く。
そして今度は、話自体を聞いておらず置いてけぼりになってしまった。

「あいつらは、ハッピーをさがしに行くんだとよ」
「わかった」

そして私は視線を窓の方へとやる。
気づかないうちに、のどかな町を走っていた。
心を落ち着けていた時、視線に気づく。

「なんですか?」
「いや、なんでも」

そういって、グレイさんは、通路を超え、反対席の窓を見た。

「やっぱ嘘だ。聞きたいことがある」
「…聞きたいこと?私は何も覚えていないのに?」

「ああ、そうだ」と言って、足を組む。


「実は、ナツが…この状態になったのは自分のせいだと言ってた。俺には意味が分からん。引っかかることはあるか?」
「ごめんなさい、ナツさんは一度も病室に来なかったのでわかんないです」
「そうか、いや無理は承知だった。ありがとう」

その言葉で会話は終わった。
私はまためまぐるしく変わる景色を見て、グレイさんは目をずっと瞑っていた。


to be continued


私的の解釈としては、

街→都会な方
町→田舎な方

と、とってほしいです(笑)


みさ◆tw:2018/02/12(月) 00:51 ID:8Ro [返信]

いつのまにかめちゃくちゃ書かれてる!

前回は>>161です

* * * * * * * * * * * * * * *

この生物はなんだろう。

青い…猫?



「あい!おいらはハッピーです!」







私とグレイさんは電車であの話以降は会話を続けないで、私は窓の外の景色を眺め、グレイさんは肘を立てて寝ていた。

エルザさんとウェンディさんはまだ帰ってこなかった。



でも、時間が経ち気づいた時にはトンネルに入っていた。

どうやら寝ていたみたいだ。



グレイさんに視線を向けるとやはりまだ寝ていた。

まぁ、寝たふりか何かはわからないが、まだ二人は戻っていないようだ。

何も変わっていない…。



…変わって、いない?

一瞬視界の下ぐらいに青い何かが見えた。

ゆっくりと視線を向けると、グレイさんの隣に青い生物がこちらをじっと見ながら座っていた。



「…なんですか?」

「あい!おいらはハッピーです!」



ハッピー…聞いたことがある。

というより、さっき耳にした気がする…。

あ!確かナツさんのそばにいたって言ってた…。



「あなた、ナツさんの…?」

「あい!エクシードです。

おいらエルザに遣いに行かされてギルドまでルーシィのことを伝えに言ってたんだ。

だから、一度もお見舞いに行けませんでした」

「エルザさんに?優しそうなのに?」

「記憶がなくなると、そこまで忘れちゃうんだね。

エルザには誰も逆らえないんだ。だってエルザはね…」



「あ、後ろ」と教える前にハッピーも後ろの気配を察知したようだった。

恐る恐る振り返る、そこには仁王立ちしたエルザさんがたっていた。



「ハッピーこんなところにいたのか。探したぞ」

「ナツのそばにいても意味がなかったので」

「ほう、だがそれよりも気になることがあってな」



何故か、ゴゴゴゴゴという効果音が聞こえた気がした。



「だってのあとは、なんだ?」



その後のことは、はっきりいって伝えられない。

だが、エルザさんに誰も逆らえない理由だけは明確にわかった。







「こいつがハッピーだ」



さっきと同じ席に座り、エルザは自分の膝にハッピーを置いた。

ハッピーはボロボロなのは言うまでもないだろう。



「で、マスターはなんと?」

「あ、あい…。一応このあとチームでの仕事は考えるように、だって」

「そうか…。まぁそれもしょうがないだろう」



私のせいで、仕事に行けなくなったのだろうか?

そしたら、私はなんのためにいるのだろう。

多分私はどう何やっても役に立たない存在なのかもしれない。

だから、今こんな状況になったのかもしれない。



「おいルーシィ。暗い顔すんなよ」

「そうですよルーシィさん!ポジティブに行きましょう!」



私の雰囲気を察したのか、二人が声をかけてくれた。

ほら、やっぱりまた迷惑をかけた…。



「でも…」

「ルーシィ、窓を見ろ」



エルザさんに言われて窓を見る。

そういえば、何故か窓の外の景色を見てなかったことに気づく。



そこには、さっきまでの穏やかな場所とは違い、打って変わって賑やかで明るい騒がしい町中だった。



「ここが私たちの街、マグノリアだ」


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