怪盗レッドのオリジナル小説書いてみます!(8)

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442:星月夜 杏里:2017/03/26(日) 19:58 ID:2.I

>>428の続きです。




「うわぁ……」
思わず声が漏れてしまった。
だってすっごいの!
周りは何個も積み上げられたジュラルミンケースでいっぱい!
通路は真っ直ぐ一本引いてあるだけ。
それも、2人通ったらいっぱいになるくらいの細さ。
あとはジュラルミンケースで埋まっている。
一体何個あるんだろう?
っていうか、中は何が入っているんだろう?
そのジュラルミンケースで作ってある通路の一番奥に、一際目立つ、やや大きめの金庫があった。

『その中に橙の月(オレンジムーン)がある。セキュリティは、虹彩認証、指紋認証、パスワードの3つだ。虹彩認証と指紋認証は解除しておいた。あとは、今から言う番号を打ち込め。』

私は金庫まで行き、ケイに言われた通りの、10ケタのパスワードを打ち込んだ。

でも、この金庫、なんかおかしくない?
あ、金庫に取っ手がない!
これじゃ開けようがない。
どうやって開けるの?

『アスカ、さっき持ってきたものがハンドルということくらい、アスカでも分かっていると思ったが?』

ため息混じりのケイの呆れた声。

あ!そういえば忘れてた!
っていうか、忘れてただけだよ!
私をそんなにバカ扱いしないでよね!

私はすっかり機嫌を悪くしながら、金庫に空いている穴に、ハンドルから伸びている棒の部分を差し込む。
うん、ピッタリ!
私はハンドルから出ている突起を一つ掴み、時計回りにぐるっと回していく。

ガタン キイィィーーー

開いた!
でも、なんでハンドルを別の金庫なんかに入れてたわけ?
いちいち取り出して、取り付けて……なんてやってたら時間かかるし、面倒くさいじゃん。

『こうやって俺達のように盗みにきたやつがいても、ハンドルが無くちゃ、金庫を開けられない。金庫のセキュリティだって、ハッキングか社長本人を使わないと絶対に開けられない虹彩認証と指紋認証があったからな。それも含めて、ここのビルの社長は相当な盗まれない自身があったんだろう』

そっか。
最近じゃハッキングはケイがよくやってるから当たり前みたいになっちゃったけど、そんなに簡単なことじゃないんだよね。

『ほら、さっさと盗め。長居は無用だ』

むぅー。そんなに急かさなくったって分かってるよ。
少し機嫌が直ったと思ったのに、また少しムッとしながら、私は金庫を開けた。
<続く>


星月夜 杏里:2017/03/27(月) 18:04 ID:XbE [返信]

>>442の続きです。




「うわぁ……」

本日2回目の漏れた声。
宝石は赤色の小さなクッションに置かれてあった。
今までは赤とか青とか、たまに緑とか、そんな色の宝石が多かったんだけど、今回の宝石はその名の通りキレイなオレンジ色!!
ライトをかざしてみると、まるで夕日のように、キレイで鮮やかなオレンジに変わった。

……思わず見惚れちゃいそうになったけど、ただでさえケイが急かしてきたんだから、急がなくちゃケイに後で叱られちゃう!!

そう思って、急いで宝石をポーチにしまい、大急ぎで部屋を後にした。

廊下を引き返そうとした……その瞬間―

ゾクリ

な、なんなの……
背筋に冷や汗が吹き出す。
嫌な予感と不安が私を襲う。
胸の鼓動がドクドクと音を立てて荒れ狂う。
怖い。

『アスカ、どうしたんだ?』

ケイの心配そうな声が聞こえる。
聞こえてるのに、ケイの言葉が耳に入ってこない。

周りを見ても、なんの変化も無い。
なぜ?
私はその嫌な予感の場所を、気配と勘を頼りに、なんとか探し出そうとした。

―その時だった。

ゾクリ

さらに嫌な予感が私を飲み込む。
この時、私はほぼ勘に任せて、体を屈めていた。

ヒュン

視界の端で、キラッと何かが通ったような気がした。
ふと立ち上がって床を見ると、何か銀の破片が刺さっていた。

あれって……
小型ナイフ?!
というか、柄の部分が無いのはなぜ?!
刃の部分しか残っていない。
え?!アレで飛ばしたら手とか切っちゃわない?

『アスカ、後ろを見ろ!!』

スピーカー越しに聞こえてくるケイの大声。

分かっていた。
分かっていたけど、振り向きたくなかった。
後ろにはとんでもない威圧感を感じる。
既に、私の背筋や顔には冷や汗が吹き出し、蔦って流れ、落ちていく。
自然と手は震えていた。

覚悟を決め、恐る恐る振り返って見ると……
<続く>(アスカが見たものとは?!)


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