【久々の本編更新。>>551の続き】
「旭さん!」
ドギュッ
「ナイスコース!!」
じっ…とコートを見つめる日向。
菅(…すごい集中…リベロと交代中も全然途切れない…)
音駒15:烏野12
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影山のトスを日向は見て、強く打つことができない。
武「ああっ!また返すので精一杯…どうすれば上手く行くんでしょうねぇ〜」
烏「けど、よくあの目茶苦茶な体勢から返すモンだ。バランスがいいんだな
…初めてのプレーをすぐできないのなんて当然だ。でも、
どんなことだって、“やってみる”から始まるんだ。」
烏養と武田の目に映るのは、コートで懸命にスパイクを打とうとする日向と、それに応じてトスを上げる影山。
烏「ちびでへたくそで単細胞。でもなんか、うちのじーさんが言ってたことを思い出す」
武「烏養前監督ですか?」
烏「“小さな巨人”て前に烏野にいたろ」
武「日向くん憧れのエースですね!」
烏「名前のまんまだけど身長は170pそこそこで、最初はブロックに止められてばっかだった。
それが2年の後半には、空中戦で右に出る奴はいなくなった。
ブロックの高さに敵わないなら、その隙間を狙って打つ…わざとブロックの指先に当てて弾き飛ばす…そうやって、小柄な自分の戦える道を作って行ったんだ」
烏養の脳裏に浮かぶ、10を背負った“小さな巨人”
烏「…うちのじーさんがそいつについて言ってたことを、すげーよく覚えてる」
『“翼”が無いから
人は飛び方を探すのだ』
重なる日向と“小さな巨人”の影
日向はくんっ、とブロックを避けて
ブロックに捕まることなく、スパイクを決めた。
勢いよく打たれたそれは、誰も拾うことができなかった。
ピッ、と笛の音のあと、スッと審判の両手が上げられる。
武、菅「あーっ!アウトかーっ!」
犬「…すげぇ…すげぇな!ショーヨー!!」
日「ーーー…
…もう一回。」
その眼はまるで、“獣”のようだった。