《>>3の続き》
朝の支度が全て終わり、自身の趣味で特技でもある
絵画制作に取り組んだ。両親や城の使用人の了承を
得て、搭の中で暮らしていた頃のように、壁いっぱいに
絵を描いているのだ。
あらかた絵を描き終えると、満足気に微笑み
友達のカメレオン、パスカルに話しかけた。
「どう、パスカル?なかなか良い感じだと思わない?」
パスカルはラプンツェルに返答するように
うんうんと頷いた。
「あら、やっぱりパスカルもそう思う?
うふ、そうよね!」
ラプンツェルがはしゃいでいると、パスカルが
寝室の方を指差した。
「?」
一瞬、ラプンツェルは意味が分からなかったが
すぐに理解し、その大きな瞳を輝かせた。
そして、たたたっと寝室に走り出す。
「ユージーン!!」
寝室に向かってラプンツェルは叫んだ。
「ああ、ラプンツェル。おはよう」
ベッドの上からユージーンが優しく微笑んだ。
「もう!ユージーンったら、お寝坊ね!」
ラプンツェルは咎めるようにユージーンを
見ると、そう言った。
「おいおい、よしてくれよ。君が早過ぎるんだ」
「今日くらい早く起きたって良いじゃない!
もうすぐ舞踏会があるんだから!今日はその準備が
あるのよ!」