「すみません……何度もNG出しちゃって……」
「あはは、大丈夫だよ卯月ちゃん」
今日は、ドラマの初収録。
……凛ちゃんと一緒に。
だけど、何度もNG出しちゃって、凛ちゃんや、他の出演者さんに迷惑をかけてしまった。
女優さんが慰めてくれたけど、やっぱり少しショック。
「凛ちゃん、良かったよ」
「あ、ありがとうございます」
凛ちゃんは、台詞が沢山あるのにそれをスラスラと言えてて、それに、演技力も……とにかく、凄かった。
カッコいい俳優さんにも褒められていた。
――――――私の方が、お姉さんなのに。
「お疲れ様でした。卯月、行くよ」
「あ、うん……」
落ち込んでいると、凛ちゃんは挨拶をして歩きだした。
私も今日お世話になった人達に「お疲れ様でした」を言い、凛ちゃんの隣まで行った。
「卯月、失敗気にしてるの?」
凛ちゃんは隣に来た私を見て、こう言った。
……やっぱり、見透かされてたんだ。
「は、はい」
私はそんな情けない返事しか返せなかった。
「大丈夫だよ。まだ最初だし、これから」
だけど、凛ちゃんは前向きに考えて、私を慰めてくれてる。
年上としてのプライドがあるけれど、それがとっても嬉しくて……
このままでいいかな、なんて思っちゃって。
……あっ、勿論失敗は直しますよ?
「凛ちゃん……ありがとうございます」
「ううん、思ったことを言っただけ」
凛ちゃんは私の感謝の気持ちに澄ました表情で答えるけれど、口元が緩んでる。体は正直だね。
「あ、もう家ついてた。じゃあね、卯月」
「はい! バイバイ、凛ちゃん!」
私は凛ちゃんにそう言って、別れた。
撮影の時の沈んだ気持ちはすっかり無くなってて、今は嬉しい気持ち。
「これも、凛ちゃんのお陰……」
いつか、私が凛ちゃんにこの気持ちを届けられるといいな。
りんなおかれん
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しきみなみ
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うづりん
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うづりん
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しきみか
4個目だぞ……w