「ねえ、美嘉。また志希がいないのだけれど」
「えっ!?
……もー、志希ちゃんまた失踪して……」
アタシは奏ちゃんと一緒にため息をつく。
レッスンの少し前、事務所に来ていたはずの志希ちゃんがいなくなっていた。
いつもの、“失踪”だ。
「なあ美嘉。志希を探しに行ってもらえ……」
「当たり前でしょー」
アタシはプロデューサーの言葉を全部聞く前に、事務所から出た。
これは、トレーナーさんに怒られないようにしないためと、アタシのちょっとしたお節介。
志希ちゃんは大体理由もなく失踪するけれど、例外もあった。
ある日のレッスンの日には「気分が乗らないから」とか言って事務所に来なかった。
だけど、レッスン終わりに家に押しかけてみたら風邪で寝込んでいた。
そんなことが、何回かあったから……
「あっ」
少し前のことを思い出しながら歩いていると、見覚えのある人物が見えた。
これは、絶対志希ちゃん。
アタシはそう確信してその人物の元に走り出す。
「美嘉ちゃんだ〜」
……良かった、今日は意味の無い失踪だった。
アタシはお仕置きとして志希ちゃんの額に軽くデコピンをして、それからそのアタシより少し小さな手を握って事務所に戻る。
「美嘉ちゃん痛い〜」
「これは志希ちゃんが悪い」
ホント、莉嘉より手が掛かるんだから……
りんなおかれん
>>242
しきみなみ
>>275
うづりん
>>349
しきみか
4個目だぞ……w