虹色付箋_rainbow color tag_(31)

1: 匿名希望:2014/05/31(土) 11:37 ID:kE.

【移転させていただきました】
http://ha10.net/test/read.cgi/novel/1396956391/l50#Z

rainbow color tagとはまあ、虹色付箋です。

✄------------------------- キ リ ト リ -------------------------✄

__付箋。付箋に一言書いて貼って、
また一言書いて貼れば何気ない言葉でも、
それを読めば文章として出来あがりますよね。
その付箋を貼る作業を繰り返したのが
小説かもしれませんね。

……さて、虹色付箋とは俗に言う短編集ですね。
我ながらタイトル短くまとめあげた気がします。
*・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:

.・ルール・.・・.・・.・・.・・.・・.
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・従ってください。         ・
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>>5までは上記URLのコピーとなります。・
・. .・. .・. .・. .・. .・. .・. ・

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3: 若葉◆l.:2014/05/31(土) 11:42 ID:kE.

【episode1 孤独】

__どうやらまたのようだ。
寝汗がシーツに染みて気持ちが悪い感触を肌が感じ取っている。
カーテンからそよ吹く風に顔を当てると
ベッドからその体を退いた。
そういえば今日はあの人の命日だったことを思い出す。

「二年前……か。あの日から」

鳥の無邪気な囀りさえも涙に変わってしまう。
憂鬱な気持ちのまま私はクローゼットから
瑠璃色に黒の刺繍が施してある長袖のワンピースを取り出し着替える。
時刻は純金で出来ている時計の針が九時をwし示している。
部屋は実に静寂に包まれており、必要のあるものしか置いてない
この殺風景な部屋にはとても静寂が似合うと思った。

白い机に白いベッド。ベッドの上は窓。
そして私らしくない白の机の上にあの人と私の写真。隣にはもういない家族の写真。
この部屋には虚しさと孤独しかない。
自分の部屋なのにそう客観的に見る自分がいた。

「行ってきます」
そう言ってドアノブに手をかけて部屋を後にした。

二階の自分の部屋から一階の玄関へ行き、黒いパンプスに足を入れる。
そして電気を消し外へと踏み出した。
眩しい日差しは春だと思えないくらい夏らしさを感じさせた。
赤煉瓦で全体的にできているこの街を歩き花屋を見つける。
花屋の女性店員は繕った笑顔で挨拶を交わしてくる。

「__貴方も館に行くんですか?」

甲高い花屋の声。確かにあの女性の声。
「え……? 」
「行くんですか? 」
彼女は真っ直ぐな目で見つめる。

「__行きますよ。彼の敵を討ちに」

そういうしかなかった。

4: 若葉◆l.:2014/05/31(土) 11:43 ID:kE.

「私もなんですよ」

影のある笑顔を作る女性。
外見は柊の葉のように髪は落ち着いた緑で目はオッドアイだ。
恐らく推測であるが身長は百六十センチぐらいであろう。

「お花、これがいいと思いますよ。」

そういうと彼女は白いアネモネの花束を私に丁寧に差し出し
「花言葉はw希望』……館でお会い出来るのを楽しみにしてますね」

そう言って歩き出す私を繕った笑顔でまた見送った。

「__そう。私はアイツ≠ノ会うんだ」
白いアネモネを持って私はまた北へ北へ歩いた。

館は案外近く、五分もあれば十分な距離だった。
古びた赤煉瓦の屋敷。この地域では最大であろうこの建造物。
年季は相当入ってると思われる。錆びているこの館への門は
鍵さえも壊れているのかいつでも空いていた。

館の玄関へはそこだけ白い砂利道が敷かれており
砂利道以外は全て芝生だった。
芝生を触るとスプリンクラーの後なのか若干湿っている。
「ご在住……ですか」
約十メートル程の砂利道を歩きとうとうドアの目の前の来た。

生唾が喉を通り過ぎて行く。
二十度超えてるというのに別の意味で汗が吹き出る。
ゆっくりとドアを開けると真っ暗で奥が何も見えなかった。
見えるのは自分の影。何も見えない中手探りで壁を見つけ
壁に沿うような形で前へ進む。

「あ……ああ……あ……あ。聞こえてるかな? 」

突然真っ暗な中反響するその垢抜けたその声は
十代の少女ということは間違いなさそうだ。

「新しい子が来たね。そこの青いワンピースで
綺麗な黒いショートwアーのコリー・アレントちゃーん」

……何かが可笑しい。先程まで遠くから反響した声だったのに今度は
頭上≠ゥら声が聞こえる。
「あれ。気づいちゃった? 私、この館主のメアリー・イラエムです」
その次に何か鈍い音が聞こえた。人が落ちたとかではなく、
重力を思いっきり床にかけてる。そんな感じの音だった。

「コリーちゃんは実に賢いよー私をよく見てるね
そう、私は重力をある程度操ることができるんだよね
後目も良いし聴力も侮らない方がいいよー」

暗闇で顔は見えないが向こうは今この部屋の真ん中にいる。

「さあ、能力の蕾を持つティーンエイジャーの皆様。
__その蕾私が開花して差し上げましょう」

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