パーフェクト教室〜偽りの笑顔〜

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧 1- 101- 201- 301- 401- 501-キーワード▼下へ
1:霜月:2014/01/10(金) 17:38 ID:h4U

えーっと、ジャンルは『いじめ』です。
こんな駄作を誰かが読んでくれることを祈ってます。あと、アドバイス等もよろしくお願いします。

260:汐羅:2014/04/23(水) 16:35 ID:SNw

あ、あああ!安価ミス!

× >>252-256
〇 >>252-253

261:しょこら:2014/04/23(水) 18:37 ID:h4w

やはりですな!!((

よく荒しくるのはきっと汐羅の小説が人気だからだね!!
実夜梨、倒れたりすること多いねw

262:匿名さん:2014/04/23(水) 20:57 ID:6qU

叩くのは得意だぜw叩きマグロ一丁ですなw
>>259
二回連続で倒れますか…w

263:永年:2014/04/23(水) 21:12 ID:PHo

初コメさせて頂きます。
ここまで読んで、凄く感動しました!
自分のとは大違いですな(-.-;)
手本とさせていただきます。
今後ともよしなに…

264:匿名さん:2014/04/23(水) 21:22 ID:6qU

よしなに…w

265:永年:2014/04/23(水) 21:24 ID:g9o

>>264
そう言わずに(笑)

266:匿名さん:2014/04/23(水) 22:39 ID:6qU

よしなにってなんですか?w

267:汐羅:2014/04/24(木) 15:45 ID:sSU

>>しょこら
ありがとう!
人気かどうかはなぞとして、荒らしはもうこないでほしい・・・

う〜ん・・・。確かにそうだねw
私としては「実夜梨の体は弱い」って表現したかったんだけどねw
まあこれからは倒れるネタ控えめにしますw

>>262
得意ならまた荒らしがきたら叩き頼んでいいですか?w

2回目は倒れると言うか、寝たんですよね。わかりにくくてすみません

ついでにですが、「よしなに」は「よろしく」とかそういう意味ですよ〜

>>永年様
コメントありがとうございますー!!!!
荒らしがきた後だから読者様がきてくださるか本当に心配していたんですが、読んでくださってありがとうございます!
感動して頂けましたか!?感動ものって書くのが難しくて、伝わるかな・・・とか思ってたんです!w
永年様も小説書いていらっしっゃるんですか!?・・・読んでみたいですw
手本になるかはわかりませんが、こちらこそ今後ともよしなにです!

268:汐羅:2014/04/24(木) 16:22 ID:sSU

私が見た夢、それは歌歩が私のカバンの中を見て学校で問い詰めるという夢。
やけにリアルで目覚めたときは身震いをしたほどだ。
ちなみに今夜になっている。そして私は起きて、勉強中である。

「実夜梨、お友達が来てるわよ。」

と、お母さんがノックしてそういった。
けれど、正直今はもう他人とは会いたくなかった。明日にしてくれ。

「断ってきて。会いたくないって。」

「・・・本当にそれでいいの?」

「いいの。勉強中だからもういいでしょ?」

そういうと、ドアの外でパタパタと階段を下る音がした。
ホッとしてもう一度ノートと睨み合う。難しい問題に取り掛かっていたため、集中力が切れないうちにサッサと解いてしまおうと試みることにした。


現時刻は23時26分。思いのほか勉強していたようだ。
まぁ、最後の方は集中力が完璧に切れてノートに落書きしていたんだけれどもね?

トイレに行こうと部屋を出ようとすると、扉にノックがかかった。

「お嬢様、夜食にございます。」

夜食。そういえば私、なんにも食べてなかった。お腹すいたなぁ。
なんて思いながらドアを開けると、召使が美味しそうな料理を部屋に運び入れた。
夜食とは思えないほど豪華な料理だ。まぁ、これが普通なんだけどね。

「ありがとうー。」

軽〜く返事を返して席に着く。
召使が部屋から出ていくと、さっそく料理に手を付け、空腹を満たすのだった。

269:汐羅:2014/04/24(木) 17:35 ID:sSU

翌日、私がモソモソと朝食のフレンチトーストを頬張っているときだった。
呼び鈴が鳴り、お母様が「こんな時間に誰よ・・・」と呟きながら玄関の方へ向かった。
私は他人事のようにテレビを見ていた。

「実夜梨、三井美加って子が迎えに来てくれたわよ。」

「ゴフッ」

朝から盛大な女の子らしくなさを発揮した。
お母様からの冷たい視線は正直痛い。

「ゲホッゲホッ・・・美加が?」

絞り出した声で聞くと、お母様はうなずいて「早くいってらっしゃい」と言った。
仕方ないなぁ、もう。
なんて冗談かましながら、ナイフとフォークを置いて準備を始めた。


「お、おはよう美加」

「おはよう実夜梨。行くわよ。」

と、無理やり会話をすすめて私の手を引いた。


しばし無言なまま足をすすめていた。
だって喋る話題ないし。実に奇妙な光景じゃない?これ。
だって現のいじめっこ&いじめられっこだよ?なんで一緒にいるんだって話だよね。

「・・・ねぇ、美加」

「なによ」

沈黙を突き破った私の一言儚く、短すぎる答えで返された。
なんか虚しい気がするのは気のせいだろうか。うん、気のせいだ。
そう思い込み、話を進める。

「なんで急に迎えに来たりしたの。散々いじめてたくせに。罪滅ぼしのつもり?」

「・・・ごめんって言いたかっただけよ。」

「はぁ?」
「一回で聞き取りなさいよ。ごめんって言ってるの。」

「は、はぁ・・・。で、え?やっぱり罪滅ぼしのつもりで来たの?」

「別に私はいじめについて謝ってないのよ。別の事よ、別の事。」

「なに?別の事って」

「ま、学校行ったらわかるわよ。」


学校に着いて下駄箱を開けると、いつも通りぐちゃぐちゃだった。
覚えのないゴミやらが入っていると言ういつもの感じ。うん、いじめについてはやめる気絶対ないな。
少々怒りのこもった笑みを美加に送ってやった。

270:しょこら:2014/04/25(金) 20:10 ID:h4w

私からも荒しこないことを願う。w
本当に汐羅人気!!上手だし!!これからも頑張って!!

よしなにってよろしくって意味なんだ…w

271:汐羅:2014/04/26(土) 09:08 ID:gp.

人気じゃないよ!?本当にもう駄作者・・・!
今思ったけどもう29レスで300行くんだね。・・・早いw

272:汐羅:2014/04/26(土) 09:09 ID:gp.

廊下を進み、教室に着いた。
いじめ継続中ならまた机の上にいろいろ置いてあるんだろうな。ついでに机の中もぐっちゃぐちゃだろうな。
美加にバレないように溜息をこぼすと、いつも通りドアを開けた。
すると、いきなり飛び込んできた衝撃の光景に目を疑った。

「え、な、なんでなにも置いてないの?」

自分の机の上を凝視し、振り返って美加に驚きながら聞いてみた。
美加は呆れたように溜息を付き、両手に腰を当てて私を見た。

「あんたドMなわけ?なにもないんだから喜ぶとかなんとかしなさいよ」

「そんなわけないでしょ!?いや、ただ純粋に驚いただけじゃん!?」

「ふーん」

美加は適当に受け流すと、自分の席へとスタスタと歩いて行った。
私は呆気にとられてしばらくはその場を動けずにいた。
夢でも見ているんだろうか。今朝見た夢よりこっちの方が夢感ハンパないんだけど?
自分の席にフワフワした足取りでいくと、メモ書きが置かれている事に気が付いた。

『先に言っておくけど、どうなろうと私に頼らないで自分で何とかしなさいよ。
 あと、もう謝ったから私のせいにするのはやめるのよ。       美加 』

「は?」

思わず声が漏れる。
全く書いてある意味がわからない。いや、意味は分かるけど意図が分からないって言った方が正しいかも。てかどっちでもいい。
でも自分で何とかしろとか私のせいにするなとか本当に何に対して言ってるんだ。
メモはご丁寧に机にテープで張られてあるため、ベリッと破り、クシャッと握りしめる。
そして、このメモ書きの第一印象を心の中で言い放った。
・・・これくらい口頭で言えよ!


気持ちを落ち着かせ読書を初めて数分後、教室のドアが勢いよく開く音がした。
大抵の視線がソッチに行くと思う。でも、私は別に見ようとも思わない。
どちらかというと久々の妨害のない読書を楽しんでいたかった。
いつもなら突き刺さる様な視線と陰湿な悪口に耐えて、いじめの後片付けなど、時間に追われていた。
でも、今日はそれが無い。のんびりとゆっくりと読書ができる。
しかし、小説を読んでいるときはその世界に入り込み過ぎてしまうのは私の悪い癖だ。
大事なことも忘れてしまうという盲点も有する。

「実夜」

という聞き慣れているのに随分と懐かしい気もする声で一気に現実に引き戻された。
同時に恐怖のような感情も生まれ、顔を上げようとできない。とりあえず返事はなしだ。無視無視。
小説を読んでいて気づきませんでしたよ?アピールのために次のページを捲る。
と、いきなりバッと小説が取られた。
さすがにそれは見過ごせない。キッと上を睨みつける。

「・・・返してくださいよ、相川さん」

低い声でそう言うと、相川さんも負けじと私を睨んできた。
私は視線を逸らして、周りを見渡そうとした。でも、できない。
なぜって?そりゃああれだよ。歌歩と結花と相川さんと内田さんに机を囲まれてるからだよ。
ちょっと、本当にこの状況なんなの?

「というかわざわざ4人揃ってまで私に何の用ですか。」

心当たりがない。
話しかけるなと以前言ったら、皆納得して話しかけなくなった。いじめだってばれていないはずだ。

「もうしらっばくれるのもやめてよ」

「は?意味分かんないんだけど?私がいつどこでなんのことをしらっばくれたの?」

「今ここでいじめについてしらっばくれたでしょ。」

結花が淡々と告げる。
確かにその通りだよ。いじめについてしらばっくれてるー・・・え!?
驚いて結花を見る。

「その反応は肯定と受け取っていいのかしら?」

「ダメに決まってんじゃん。誰から聞いた作り話なの?」

慌てて言葉を返す。平然を装ったが、果たしてどうなっているのだろうか。
とりあえず一回気持ちを落ち着けようと努力してみる。でも、深く考えれば考えるほど頭の中が混乱する。
まずなんでいじめの事がバレてるの?・・・多分、アレかな。

273:汐羅:2014/04/26(土) 09:09 ID:gp.

「じゃあこのノートはどう説明するんだ?」

内田さんが一冊のノートを机の上に置いた。
そのノートは、カバンに入れたはずの落書きされたノートだった。
・・・あ、なんだ。やっぱりノートなんだ。予想的中。

「それは昔のですよね?昔いじめられてましたし、その時のですよ」

冷静に答えた。このノートについてはもう対策法は考えてあった。
多分この方法で来るだろうなと思って昨晩言い訳を考えた。
幸いにもこのノートは新品だったため、学年や名前、教科は書いていなかった。中身の白紙だ。
こんなノート、いくらでも言い訳はできる。

「ふーん。」

あれ?なんか反応薄いんだけど。
もっと動揺するものだと思っていたばかりに、少し面喰ってしまった。

「とりあえず、来て。実夜」

「嫌です。」

「じゃあこのノート、全校生徒にバラしてもいい?」

「脅しですか。最低ですね」

「そう、脅しだよ。最低なのはどっちだろうね」

歌歩はそう言い残すと結花と内田さんと共に早々と教室を去って行った。
なんだ、あきらめてくれたんだ。
とか思って肩の力を抜くと、相川さんが私の掴んだ。

「きゃっ」

そして腕を引っ張られ、席から立ち上がる。
多分、このまま屋上に連れて行かれるんだと直感的に判断した私は、美加に視線で助けを求めた。
しかし、美加は見事に視線を逸らし、「私に頼るなって言ったでしょ」と私に聞こえるくらいの声の大きさで言ってくれた。
地味にショックだ。ということは頼るべきは自分か・・・。
そんなことを考えていると、いつの間にか教室のドア付近まで来てしまっていた。
このままじゃ、本当に屋上行きだ。
「やめてください!」

一応声を掛けてみて、やめてくれるか試してみる。
でも、相川さんは振り返ってくれもしないで、足を止めようともしない。
私は絶対行くもんかと踏みとどまった。そして壁に手をついて前に進まないように固定する。
相川さんは急に私が止まったことにとって、少しバランスを崩しかけた。
しかし、すぐに体制を整えると、私を見た。怒っているようだ。

「往生際が悪い!」

「無理矢理連れて行こうとしないで下さい!私は行きたくないんです!」

「だから無理にでも連れて行こうとしてるんだろうが!」

「その行為最低ですよ!男性としての恥を知りなさい!」

「う・・・!だぁぁあああ!もういいからサッサと来いって!」

急に手を離したかと思うと、次の瞬間には足が地面から離れていた。
そして上には相川さんの顔。
これは・・・なんだっけ、乙女の憧れとかなんやら言われてるお姫様抱っこか。
・・・ってなんでこうなる!?

「ちょ、相川さん何やってんスか!」

「こうでもしないとお前こねーだろ!?」

「逆に行く気失せますよ!おろしてください!私はこんな形で乙女の理想を奪いたくありません!」

「乙女の理想?」

「鈍感!本当に鈍感!」

「いみわかんねーよ!」

「分からなくていいですからとりあえずおろしてください!」

「無理だってっば!」

とかなんとか言い合いしてたらいつの間にか屋上に行っちゃってた。
いつかこの理想の代償は払ってもらうからな。ま、お姫様抱っこなんて私には理想でもなんでもないけどね。

274:しょこら:2014/04/26(土) 13:24 ID:h4w

お、そろそろ最終回迎える感じかな??
なんかそれっぽい…でもまだみたい!!

美加は仲直りさせようとしてるのかな?ならいいヤツ!!まぁ悪いやつだけど…w

275:りったん:2014/04/26(土) 14:39 ID:pBA

美加が、謝った…ww
そろそろ最終回なの…!?

276:汐羅:2014/04/26(土) 18:32 ID:Qis

>>しょこら
え?そんな風に見える?w
どっちでしょうw美加は悪者か善者か・・・。

>>りったん
お久しぶりですね!
最終回ではないです♪まだまだいろいろ解決してないのでw
翔君の恋心とか、翔君の恋心とか・・・(汗)
とりあえずまだですww

277:汐羅:2014/04/26(土) 18:37 ID:Qis

さて、どうやってこの状況を切りぬけるべきなのだろうか。
別に後ろに屋上の出口があるから出ようと思えば出られる。
・・・でも、今逃げたら絶対教室で問い詰めるだろうなぁ。よし、チャイムが鳴るまで適当に時間稼ぎでもしよっと。

「・・・で、こんなところにお姫様抱っこまでして連れてこられたんですがどういう事ですか。」

「お姫様抱っこ?」

歌歩が顔をしかめながら聞き返してきた。とりあえず頷く。
すると歌歩と結花と内田さんが冷たい目線で相川さんを見た。相川さんは明後日の方向を向いている。
今のうちに逃げ出せないだろうか。
ソッと出口に向けて移動していると、歌歩は私に向き直ったたため、私はぴたりと動きを止める。

「美加に聞いたの。」

「なにをですか?」

「いじめだよ。実夜梨いじめられてたんでしょ?」

美加〜〜!!!あいつ私を困らせるためにわざと言ったんでしょ!
それでバレとところで私に「あんだけバラすなって言ったのに」的な感じでいじめを悪化させるつもりか!本当にズル賢いんだから!
というわけで知らないふりをすることにした。

278:汐羅:2014/04/26(土) 18:45 ID:Qis

〜余談〜

次回だけ書き方変えたいと思います。
どちらの方が見やすいかアンケート取りたいと思ってます!
はい、というわけです。

279:汐羅:2014/04/26(土) 19:20 ID:Qis

「なんか言ってよ」

しまった。考えすぎて間を開けてしまった。

「別にいじめられてなんかいませんよ。美加のガセネタですよ。美加って相当な暇人なんですね」
「なんでそうやっていつも否定するの?」
「なんでって、事実じゃないからですよ。事実じゃないから否定してなにがいけないんですか?」

歌歩は悔しそうな顔をして私を睨みつけた。
フッ。私に口論で勝とうなんざ100年早いね。あとは最終スパートをかけるだけだ。

「こんなくだらない話に付き合わせないでください。
前にも言いましたが、私貴方たちが大嫌いなんですよ。もうしゃべりたくもないっていいましたよね?
 ガセネタで私の時間を潰すとか本当に最低ですね。あぁ、もうまじで気分悪い。」

4人の氷の様に冷たい視線が痛すぎる。
でも一応私は真実を話すわけにもいかない身でもあるので、4人の氷の視線に、次はバカにしてやる。

「ていうかアンタらどんだけ私の事が好きなの?ガセネタで屋上にまで呼び出すとか」

鼻で笑って、心底馬鹿にしてますという目で4人を見た。
あぁ、私ってこういう修羅場が好きなのかな。なんかめちゃめちゃ楽しいし。笑えてきちゃうわ。

すると、屋上のドアが唐突に開け放たれた。
もしかしたら先生が注意しに来たのかもしれない。なら都合がいい。
期待しながら振り返ると、まさかの期待外れの人物だった。正直今、要らない存在だわ。

「あ〜・・・もう何で美加が来るわけ?」
「どうせあんたの事だから否定してるんだろうなって思ったのよ。いじめられてるくせに。」

美加って本当になにしにきたの?自爆でもしに来たわけ?なんで事実喋っちゃってんの?本物の馬鹿か。

「・・・いじめられてないって。ガセネタとか本当にやめてよ。この年でそんな噂流すとかおこちゃまなんだね、美加って」
「おこちゃまなのはあんたでしょ」
「美加にだけは言われたくないわ〜」
「実夜梨みたいなチビがそんなこと言っても全く説得力ないわよ。」
「ひ、人のコンプレックスをそんなサラッと言ってのけるなっ!私だって好きで小さいわけじゃないもん!」
「ま、別になんでもいいわ。とりあえず全部歌歩たちに吐いちゃえば?許可するし」

今まで仲の良さげな会話を交わしていると、美加がそんなことを言ったのですぐさま私は演技モードに入る。
美加って私をそこまでして困らせたいのだろうか。嫌な奴。

「許可ってなんの?美加に支配されるわけでもないんだから許可とそんなものないし」

笑って答える。今起こったら逆に怪しまれる。これは笑顔で済ませるのが吉だ。
すると、歌歩が後ろから私の肩を叩いた。
一瞬、私の頭の中はパニックに陥った。恐怖心がこみあげてきて、その手勢いよく払いのけた。
思わず目の前にいる美加にぶつかってしまった。

「・・・あ、ごめん」

一応謝っておく。美加はプイッと顔を逸らしてしまった。
機嫌が悪そうだ。私、そんな怒られることしたっけ?

「なんでそこまでビビるの?」

不意に聞こえた歌歩の声に、思わず振り返ってしまう。
歌歩は悲しそうな表情を浮かべ、自分の手を握りしめている。私が払いのけた右手だ。

「え、あ、ごめ・・・」

罪悪感が襲ってきて、私はおもわず謝りそうになる。
でも、今自分における状況を思い出すと、その言葉はすぐさま飲み込んだ。
だって、今は歌歩たちは私の敵だ。敵に情けをかけてはいけない。

「ビ、ビビってなんかいないし。歌歩の汚らわしい手で触れられて欲しくなかったからに決まってるでしょ?」
「実夜梨」
「えぇい、うるさい!美加は黙ってて!」
「そういうわけにはいかないっつーの。」
「黙れないのなら教室に帰る事!!」
「帰らないわよ。実夜梨、あんた一回頭冷やせよ」

美加に言われ、ハッとした私は深呼吸をして、気持ちを落ち着かせた。

280:匿名さん:2014/04/26(土) 21:13 ID:6qU

美香いいやつ!

281:りったん:2014/04/26(土) 21:21 ID:pBA

だよね!!よかったぁ。
最終回とかじゃなくて…ww

美加が悪い人なのか、いい人なのか
分かんなくなってきたww

敬語じゃなくていいよ!!

282:汐羅:2014/04/27(日) 12:45 ID:h4U

>>280
コメントありがとうございます!
美加はいいやつですか??
ネタバレ含むので詳しくは言えませんが、そのまま美加をいいやつだと信じててやってくださs((

>>りったん
呼びタメ許可ありがとう♪

うん、最終回はまだまだw
頑張って長く続けようと思っていたらいつの間にか問題が増えていって、その問題まだ解決できてないw

美加は○○やつだよw


〜読者の皆様へ〜
小説の書き方ですが、
通常通りの書き方と>>279の書き方、どちらの方が見やすいですか??
最低3人の返事が来たら続き書きますので、よろしくでs((
(というかどこに違いがあるかわかりますか?分かりにくかったらすみません(-_-;))

283:匿名さん:2014/04/27(日) 15:08 ID:6qU

んー…ぶっちゃけあまり変わらないように見えるかな。

284:りったん:2014/04/27(日) 17:44 ID:pBA

んー・・・どっちかっていうと通常かなぁ。

285:汐羅:2014/04/27(日) 17:50 ID:kVM

>>283
ですよねー・・・(^^;
じゃあ、変えなくていいと言う事でいいんですか?

>>りったん
なるほど。
じゃあ通常どおりが一票ということで。

286:しょこら:2014/04/27(日) 18:24 ID:kQs

美加はいいやつだってことを信じてる!!←

通常通りでいいと思う!!

気になる…翔くんの恋心とか翔君の恋心とか翔く(ry

287:りったん:2014/04/27(日) 18:37 ID:pBA

>>汐羅
水音の影が薄くなって来てるような……ww
>>しょこらさん
美加は、いいやつっぽいですよね!!
しょこらさんもタメでいいですか?

288:匿名さん:2014/04/27(日) 20:01 ID:6qU

水音「 」

289:匿名さん:2014/04/27(日) 20:17 ID:6qU

水音「解せぬ」

290:永年:2014/04/28(月) 15:04 ID:aPw

>>279の方が見やすいですねー

291:汐羅:2014/04/28(月) 18:11 ID:ezE

>>しょこら
信じててやってwww

通常通り2票目〜

>>りったん
で・す・よ・ね?
別に忘れているわけじゃないですよ?・・・フフフッ

>>288-289
www
確かに水音からしたらそうかもしれませんねw

>>永年様
おお!初めての>>279票ですね!
投票ありがとうございます!

〜投票について〜

期間的には明日までとさせていただきます!
いまのところ通常どおりが候補ですね。

〜お願い〜

>>300レスは作者が取らせていただきますので、ご了承ください。
あと、取らないでください。

292:汐羅:2014/04/28(月) 18:12 ID:ezE

「・・・でも私はいじめられてなんかいない。」

「お前いつまで嘘ついてるつもりなんだよ!」

私がぽつりとつぶやくと、相川さんが突っかかってきた。
少しだけビクついちゃったんだよね。あぁ、情けない。

「嘘とか言わないでよ。嘘言ってるのはそっちでしょ?」

「いいえ。私たちの話は真実よ。クラス全員が認めたわ。」

「はぁ?どういうこと?」

「実夜梨が倒れて家に帰ってからあのノートについてクラスに聞いてみたのよ。
そしたら美加が名乗り出てくれてね。そしたら皆つられたようにいじめたと証言したのよ。」

結花の言葉は私の今まで抑えてきた感情の引き金となった。
嘘でしょ?なんでクラスのみんなまで真実語っちゃってんの?まずバレたらマズいんじゃないの?そこまでして私に苦痛を味あわせたいの?
・・・なんで私の努力を無駄にするの?
わざと喧嘩もした。バレないように細心の注意を払っていた。どれだけ辛くても耐え抜いてきた。
なのに、どうして・・・!

「・・・なんで?」

「え?」

「なんでなの!?一体、一体私が何をしたっていうの!?」

抑えきれなかった。私はもう我慢の限界を迎えていた。
私が大声を出したことによって、私以外の全員が一瞬怯んだように見えた。

「実夜」

「うるさい!あんたみたいな奴が話しかけてこないで!」

歌歩が何か言おうとしたが、今の私は他人の話を聞いていられる心の余裕を持ち合わせていなかった。
今は自分の気持ちをまき散らしたかった。

「大体歌歩達はなんで私に構ってくるわけ!?嫌いって言われたんだからほっときゃいいじゃん!」
「そんなこと」

「そんなことできないなんて寝言は言わないでよね!なに、私がそんな美しい友情に付き合うと思ってんの!?
せいぜい偽りの友情としか付き合わないし!というかもう友達なんて要らないから!」

「実夜梨。あんた一回落ち着けよ」

「こんな私にしたのは美加、あんたのせいじゃない!」

「・・・」

美加は黙ってうつむいた。
分かってる、美加だってきっと罪悪感でもあるんだと思う。きっと何か事情でもあるんだと思う。
ここで美加を責めるのはおかしいのではじゃないか。
それに、私が言いたいのはこんな事じゃないんだ。本当に伝えたいことはもっといっぱい他にある。

「お願いだからもう、私に構ってこないでよ・・・」

自分でも気が付かないうちに弱弱しい声でそう言って、涙を流した。

「実夜!?」

「もうやめてよ・・・。私の名前を呼ばないで」

立っているのも辛くなり、その場にしゃがみ込んで膝に顔をうずめた。
コンクリートの地面に涙が落ちて、色が滲む。

「もういやだ・・・。なんで私ばっかりこんな目に合わなくちゃいけないの?我慢しなくちゃいけないの?構われなくちゃいけないの?」

私は考えることをやめ、思った事をすべて吐き出した。
まるで独り言を言っているように、そう、すべて。

「もう一人で良いのに・・・。皆私を空気みたいに扱ってしまえばいいのに・・・。」

涙の止まる気配は一切なく、むしろ大粒になってきている気がする。
声は徐々に小さくなっていって、膝はガタガタと震え始める。
それでも私は言葉を止めようとはしない。

「我慢もたくさんしたし、罪悪感の中で喧嘩もした。悟られないように注意を振り払った。
 なのに、どうして・・・」

頬を伝っては落ちる涙を初めて拭った。
その涙は生暖かくて、冷たかった。

「実夜。」

「私がいじめられている真実も、私の存在も、全部消えちゃえばいいのに・・・」

「・・・実夜。」

「どれだけ我慢しようが結果が同じならこんなの終わらせてしまいたい・・・」

「実夜!」

「いつか失う命なら、もういっそ、ここで」

「実夜梨!!」

大声で私の名前を呼ぶ声。
初めてその声が私の耳に届き、顔を上げる。涙で視界がボヤけている。

「それだけは口にしちゃダメだよ!!一体自分をなんだと思ってるの!?」

歌歩が怒ったような顔で私に向かって叫んだ。
歌歩が冗談でもなんでもなく、真剣に怒っていると、怖い。

293:しょこら:2014/04/28(月) 23:10 ID:kQs

>>りったんs
ですよね!!
はい!タメどころか呼び捨てでいいですよ!!



あと少しで300!!すごい!!頑張って!!
汐羅の実夜梨の涙がコンクリートに落ちたときの表現が上手!!

294:汐羅:2014/04/29(火) 07:45 ID:3ug

>>しょこら
うん、頑張る〜!!!w

、上手?ありがとう!
なんかそうやって褒めてもらえると素直に嬉しいw

295:りったん:2014/04/29(火) 10:17 ID:pBA

>>しょこら
ありがとう!!うちのことも、タメ、呼び捨てで!!

>>汐羅
うん!しょこらが言ってるように、
表現の仕方が上手!!

296:汐羅:2014/04/29(火) 18:09 ID:SPA

>>りったん
ありがとう!
本当に書き方とか表現とか難しくていつも困ってるよ・・・(汗)

297:汐羅:2014/04/30(水) 16:11 ID:fBE

〜投票について〜

はい、では締切ですね!
通常票が3票と多かったので通常通りと言う事で・・・
こうなると何のために投票したのか意味ないですよね・・・。
>>279の方が良いと言って下さった永年様、ご希望に添えることができなくて申し訳ありません!

298:汐羅:2014/04/30(水) 16:50 ID:fBE

「なんでそんなこと考えるわけ!?」

「なんでって、仕方ないじゃない!」

イラッとしてしまった私は泣いているとは思えないほどのキッパリとした声で言った。
私はそんなに偽善者ぶった言葉聞きたくなかった。
しかし、歌歩も負けじと強めに言い返してくる。

「私がどうしてこんなに実夜梨の事を気にしてるか分かってるの!?」

「知ってるわけないじゃん!心が読めるわけじゃないんだし!」

「わ、私は実夜梨が好きだからだよ!」

「・・・は?」

何この展開。シリアスな空気じゃなかったっけ?
ほらほら、この場にいるみんな呆然として言葉失って歌歩を凝視してるじゃん。

「私は実夜梨が好きだから、実夜梨になにかあったら心配するよ!」

いや、私だって歌歩の事好きだよ?でもそれはおかしいって!理由になってないって!
ていうか本当になにこれ、ドッキリ?なにかの罰ゲーム?

「だから実夜梨が死ぬなら私も死ぬ!」

「はぁあ!?」

歌歩から放たれた言葉に驚きすぎた私だった。でも、仕方ないよね?

「実夜梨とずっと一緒にいたい!」

どんなプロポーズだよ。練習台に使うのは勘弁してほしい。
というか本当にシリアスな空気はどこに行った。

「だから仲直りしてよ。死ぬなんて言わないでよ」

「ふざけてんの?」

思わず今まで溜めていた気持ちを口に出してしまった。
すると、クスクスと笑い声が聞こえてきた。
声の主は結花だった。久々に見た彼女の美しい笑顔。

「そりゃ、そういわれても仕方ないわよ、歌歩。」

結花が微笑みながら歌歩に言うと、歌歩は「いいじゃん!」と頬を膨らませた。うん、子供。

「どさくさに紛れて告るなよ〜」

「先越されたな。」

相川さんはよしとして、内田さんの発言が引っ掛かる。
なんで先越されたになるの?
私が首を傾げていると、相川さんは顔を真っ赤にさせながら内田さんに殴りかかった。内田さんは相川さんの拳を華麗に交わしていた。すごい。
すると、美加が私の肩に手を置いた。

「これでも歌歩たちと仲直りする気ないの?」

「・・・うん。ないよ。だって散々迷惑かけちゃったし?」

私は今更ながら後悔している。でも、自業自得だしもう諦めている。

「でも歌歩は仲直りしようって言ってるのよ?」

「それは歌歩だけじゃん。」

「アホ」

と美加に頭を軽くシバかれた。痛くは無かった。

「だったら結花は笑ってないわよ。普通に反対するでしょ」

「あっ」

不意に声が漏れた。確かにそうだと思う。

「でも」

「ウジウジウジウジしててウザい。いいからさっさと仲直りしてこい馬鹿。」

美加は私の背中を押した。それ同時に気持ちも前に押された。
でも、これからどうすればいいの?

299:匿名さん:2014/04/30(水) 17:33 ID:6qU

さぁ、どうなるかな…

300:汐羅:2014/04/30(水) 17:55 ID:fBE

☆祝☆300と言うことでパーフェクト教室〜偽りの笑顔〜を一時中断いたします!


☆〜★〜主な登場人物紹介〜★〜☆

*綺秋 実夜梨[きあき みより]
 本作の主人公。人見知りで気弱。
 【容姿】
 幼児体型で髪型は黒髪のツインテール

 *新島 水音 [にいじま すいね]
 とても強気で傲慢。
 【容姿】
 少し背が低い。髪型は茶髪のフェーブのロング

 *水谷 歌歩 [みずたに かほ]
 ムードメーカで人気者。
 【容姿】
 容姿端麗。髪型はミディアムの明るい茶髪

 *西沢 結花 [にしざわ ゆいか]
 大人っぽい。冷静でクール
 【容姿】
 モデル体型。髪型は黒髪でポニーテール。

 *相川 翔雅 [あいわか しょうが]
 元気だけが取り柄のスポーツバカ。
 【容姿】
 長身で黒髪で少しはねている髪をした、美しい顔立ち

 *内田 舞彦 [うちだ まいひこ]
 クール&毒舌
 【容姿】
 平均身長で少し色素の薄い茶髪で、髪の短いかわいらしい顔立ち

*三井 美加 [みつい みか]
言葉はきついが、優しく友達思い。
【容姿】 平均値より少し高い身長で、茶色と黒の混じった髪は高めの所で緩いお団子にしている。




☆〜★〜あらすじ〜★〜☆
 お金持ちのみが入園を許可される『星華オーヴェスト中高学園』に転入してきた実夜梨。
 実夜梨を待っていたのはあたたかい笑顔が溢れたクラスだった。
 が、そのクラスにはいじめがあることを知った実夜梨は・・・


☆〜★〜これまでの読者様〜★〜☆
 *しょこら 様
 *海莉 様
 *バニカ 様
 *野薔薇 様
 *愛凛羽 様
 *りったん 様
*花恋 様
 *なな 様
 *レイラ&テツヤ 様
 *もみじ 様
 *モエ 様
 *いっちゃん 様
 *夕月 様
 ** 様  
*ショコラ姫 様
*ちくわ 様
*匿名さん( ID:6qU) 様 
*永年 様  

        計18名様


☆〜★〜これまでの読者様へのコメント〜★〜☆
 まず初めに、りったん様!
>>200の時は本当に申し訳ありませんでした・・・!大切な読者様を忘れるだなんてもう、私最低ですね!本当にごめんね!

300まで見てくださって、本当にありがとうございます!感謝の気持ちでいっぱいです・・・!!
読者の皆様からは優しい言葉や励ましの言葉など心温まるコメントを書いていてくださってくれて嬉しいです!
そして感謝の反面、私は読者の皆様に何もできていないので、なんだか申し訳ないです・・・。
そういえば荒らしさんが来ましたねー・・・。「汐羅じゃない」と言って下さっていた方、本当に感謝いたします!

そういえば、「敬語じゃなくていいよー」と言って下さる読者様がいらっしゃるんですよね!
あれは本当に親近感が湧いて温かい気持ちになりますね〜!!
敬語って堅苦しくて本当は少し苦手です(^―^;)

読者様の中で読者様同士が仲良くなってくださっていると私も嬉しいです!
雑談はほどほどとして、この小説がきっかけで友達が増えていってくれるのであれば、レスを使っていただいても結構ですので!

本当にありがとうございましたぁ!!これからもよろしくお願いします!

☆〜★〜投票について 〜★〜 ☆
 どうでもいいかもしれない投票に参加して下さった、匿名さん( ID:6qU)様、りったん様、しょこら様、永年様・・・。
本当にありがとうございました!!(≧∇≦)
これからまた投票していただく機会があるかもしれないのでその時はまた頼みます(*_ _)
他の方々も、また機会の投票待ってます^^


☆〜★〜最後に〜★〜 ☆
先程読者様にコメントを書いているとき、嬉しすぎて興奮で心臓バクバクしてました。
じゅ、18名様なんて・・・!!!と思って5回ほど数え直してみましたが、18名様でした・・・!

 さてさて、本当に300ですね・・・!私は夢の中にいるんでしょうか?
せいぜい100まで続いたらいい方かなー、なんて当初は考えていたんですよ。・・・まさかの3倍ですよ!?w
本当に喜びと驚きが交えて大変な心境におります(^^;)
 では次は4倍目指したいと思います!

 まだまだ初心者で下手くそな汐羅ですが、精一杯努力したいと思います!
 新たな読者様が増えることを祈りつつ、文章力を磨いていけるように頑張ります!
 なので我が子を見守る親の様に超温かい目で見守ってやってください!

301:汐羅:2014/04/30(水) 17:57 ID:fBE

>>299
どうなるでしょうか?w
楽しみにしてて下さると嬉しいです!

302:ちくわ:2014/04/30(水) 17:57 ID:6qU

おめ!

303:ちくわ:2014/04/30(水) 17:59 ID:6qU

あと、うちも二次創作書き始めたんでよろです!

304:ヨウカズ◆R.:2014/04/30(水) 18:03 ID:23U

300おめでとうございます!
今日かきはじめたばかりのものです…((
書いてみても「読みやすい文章」というものがよくわからず、レス数の多いこの作品を読ませていただきました。
話の展開がスピーディ、なのに内容に重みがある。
まだ謎な部分もちらほらあったので、これから読み続けたいなと思いました。
では失礼致します(´∀`

305:ちくわ:2014/04/30(水) 18:50 ID:6qU

>>303
http://ha10.net/ss/1398851345.html
です!
できれば読んでください。

306:永年:2014/04/30(水) 20:08 ID:vL2

300おめですー

通常通りでも良かったと思いますー

青天の霹靂という小説書いてますー

307:ちくわ:2014/04/30(水) 20:41 ID:6qU

>>1は、小説家目指していますか?
いますよね?いないと怒りまs((((

308:伊織:2014/04/30(水) 22:13 ID:uU2

初コメです(^o^)
初めまして!
以前から読ませていただいております。
300突破おめです。
ちょくちょく見に来るので
その時はヨロシクです
応援してますよーっ!!
ちなみに男です。 

309:りったん:2014/05/01(木) 20:39 ID:pBA

なんか、仲直りしそうww

310:汐羅:2014/05/02(金) 18:33 ID:.mw

>>ちくわ
ありがとう!!

私は小説家志望だよーwまだまだ下手っぴなんだけどねw

OK〜!また読みに行くね♪

>>ヨウカズ様
ありがとうございます!!そして小説デビュー(?)おめでとうございます!
読みやすい文章になっていたか心配ですが、見て頂けて心から感謝いたします!
とても嬉しいお言葉ばかり、感動しました!
ぜひ、読み続けてくだs((
本当にありがとうございます!またヨウカズ様の小説も読ませていただきます!

>>永年様
ありがとうございます!!
投票の件ではありがとうございました^^
私も最初の方は>>275のような書き方をしようかな、と思っていたんですよ。
結局今のような書き方にしましたが、>>275の書き方に賛成して頂けて嬉しかったです!

では、また永年様の小説を覗かせて頂きます♪

>>伊織様
初コメありがとうございます!
以前から読んで頂けていたとは嬉しい情報です(・ω・*)
こうしてコメントして頂けてとっても嬉しく思います!
こちらこそ、よろしくお願いします♪
応援ありがとうございますー!!!
性別までご丁寧にどうもです!

>>りったん
フッフッフッ・・・( ̄ー ̄)

311:汐羅:2014/05/02(金) 18:34 ID:.mw

>>310
安価ミス・・・
正しくは→>>279

312:汐羅:2014/05/02(金) 18:35 ID:.mw

>>310
安価ミスです・・・。
正しくは→>>279
でした。申し訳ありません

313:汐羅:2014/05/02(金) 18:38 ID:.mw

>>311-312
復重すみません!レスが無駄になってしまいました・・・。
自業自得ですね。ごめんなさい。
では、続きです↓



助けを求めて振り返って美加を見るけど、美加はフイッと視線を逸らせて明後日の方向を向いた。
仲直りしてこい、って本当に何言えば良いわけ?言いたいことが多すぎて要約できないんだけど!
・・・あ。

「そういえば、美加。」

美加に近づいていく。美加は「なんで戻ってくんだよ」と眉をひそめた。
でも、私はそんなことを気にしようと思わなかった。

「なんで私をいじめたわけ?」

「え、えぇえ!?」

私がそう聞くと、さっきまで結花と話していた歌歩が驚きの声を上げた。
その声で一番驚いたの私なんだけど。

「それは放課後に、ね。」

美加はそれだけ言うと、早々と屋上を去っていった。
私たちは呆然としちゃって、何も言葉を発せることができなかった。
まぁ、内田さんは興味なさげに欠伸をしていたけど。

「自由勝手な人よね、美加って」

それは肯定しよう。歌歩も「うんうん!」と頷いている。相川さんは苦笑いをしていた。
・・・さてと、美加も帰っちゃったし私も教室戻ろっかな。
すると、背後から声を掛けられた。

「どこいくの?」

「え、教室?」

疑問に疑問で返してしまった。まぁ、特に問題があるわけじゃないんだけど。
でも、本当に教室に帰った方が良いよね?

「まだ実夜に返事聞かせてもらってないんだけど」

「返事って?・・・まさか」

仲直りしようの返事、だよね?どうしよう、まだ気持ちの整理ついてないんだけど・・・!
私が内心焦って戸惑っていると、歌歩は私の手を掴んだ。
え!?と歌歩のいきなりの行動に更に私の頭の中はパニック状態。

「私と付き合ってくれる?」

「・・・え?」

歌歩は今平然と告白した。しかも、私と言う女に。色々と間違ってる。うん、本当に色々と。
タイミングやら告る性別やら。そりゃもう、色々と。
私は呆然とするより、人生初の告白が女だという複雑な気持ちと気恥ずかしさがこみあげてきた。

「ねぇ、どうなの?」

「・・・いや、歌歩女でしょ!?」

ようやく絞り出された言葉がこれだった。正論は言ったんだから間違いではない気がする。
歌歩は「そうだよ」と軽く言った。・・・ですよね、女装男子とかじゃないですよねー・・・。

「問題ある?」

「あるよ!?私は普通に男子を好きになるよ!?」

「そんな小さいこと言わないでよー」

「小さくないし!歌歩ってソッチ系だったの!?」

「うん、そだよー」

「ごめん、私は常識人だから。付き合えない」

フッたのは間違いではないよね?私って常識人だよ?
歌歩は「なんで〜」とブー垂れていたけど、仕方ない。私に罪は無い。

「じゃあ、教室戻ろっか〜。」

「え、お前立ち直り早くね!?」

相川さんが後ろで驚愕の声を上げる。歌歩は振り返ってピースサインを出した。
次々と屋上を去って行く。私は一人、取り残されるような気がした。
まぁ、仕方ないんだけどね?
そう自分に言い聞かせて孤独に耐えようとした。

「実夜?」

「ん?」

なぜか声を掛けられて、顔を上げる。そこには歌歩たちがいた。
なんで?

「ほら、行くよ?」

「え、なんで?私は」

「まーだそんな事言ってんの?誰ももう気にしてないよ?」

歌歩に言われて、驚きで目を見開く。
だって、散々迷惑かけたし、許されて良いことなの?

「大丈夫だって。」

そう言って歌歩は私の腕を掴んだ。そして、強制的に屋上から出て行った。
その時に、誰かが私たちの様子を冷たい視線で見ていたのは誰も気付くことはなかった。

314:ヨウカズ◆R.:2014/05/02(金) 21:19 ID:23U

なんやかんやあっても、何事もなかったように元に戻っていく…
家族みたいな友情で好きですね(´∀`

315:匿名さん:2014/05/04(日) 21:12 ID:6qU

そういえば水音のことすっかり忘れてました。
彼女のことを思い出すとまた一波乱ありそうで………

316:汐羅:2014/05/05(月) 17:14 ID:HMs

>>ヨウカズ様
ありがとうございます♪
温かい友情ってやつを一度書いてみたかったのでw


>>315
水音影薄いw
>>325さんは勘が鋭そうですね〜!

317:汐羅:2014/05/05(月) 17:16 ID:HMs

>>316
安価ミス
ただしくは>>315です。

最近なんかミスが多いので、気を付けます

318:汐羅:2014/05/05(月) 17:25 ID:HMs

なんとか無事(?)仲直りできた。
これは喜ばしい事なのか、それとも、また気を遣わなくてはならない疲れの原因となるのか。
それは今の私にはわからないことだった。

「実夜。でもどうして私たちにいじめの事言わなかったの?」

歌歩の声に反応して、歌歩に顔を向ける。
今はお昼休み。授業は順調に進み過ぎて怪しいくらいだった。

「迷惑かかるかなって。それに心配かけたくなかったし。」

「へぇ。まぁ、逆に迷惑かかった気がしたのは私だけなのかしらね?」

結花がニヤニヤしながら言ってきた。
結花ってば、楽しんでる。これ、絶対楽しんでる。

「ごめん」

これ以上結花の好きにさせてたまるか、としおらしく謝ってやった。
結花は驚いたように私を見つめた。私が結花の好きにさせるとでも?

「全く・・・。絶対反省して無いでしょう」

「ううん。これ以上ないくらい反省してるよ。」

これは曇りのない真実だ。でも、私は反省より、別の事の方が大きい。
沢山迷惑かけて、沢山傷つけた。沢山笑顔を奪った。
なのに、歌歩たちはまた私を以前と変わらぬ笑顔で迎えてくれた。
いじめから救ってくれた。
私を気にかけてくれていた。
だから、私は・・・

「でも、感謝の方が大きいかな。」

これが一番の気持ちだった。
「ごめん」とか、「反省してる」とか、そんな言葉じゃない。

「ありがとう」

ただ、この一言で良かった。
長々と感謝の言葉を語るより、ずっと気持ちが伝わる。
証拠にほら、

歌歩も結花も翔君も舞君も、みんな優しい微笑みを浮かべているでしょう?

319:匿名さん:2014/05/05(月) 19:06 ID:6qU

ああああああ!もうこれはオチ見え見え…

320:りったん:2014/05/05(月) 22:48 ID:pBA

>>汐羅
おぉー!!仲直りしたー!!!
でも、美加が実夜梨をいじめてた理由が気になるww
あと。水音の存在が〜・・・

321:汐羅:2014/05/06(火) 09:39 ID:Ou2

キーンコーンカーンコーン キーンコーンー・・・
放課後を知らせるベルが鳴り、静まり返っていた教室は賑わいを取り戻した。
私も帰ろうかな。

「実夜。」

ガッシリと腕を掴まれてしまった。もちろん、掴んだのは歌歩だが。
なに?と振り返ると、歌歩はクイクイと腕を引っ張った。
訳は分からないが、とりあえずついて行ってみることにする。いや、もう諦めただけなんだけど。



「遅い」

連れてこられたのは屋上。しかも屋上に着いたと思ったらいきなり文句言われるってどうなの。
舞君ひどい。翔君も笑ってるんじゃないよ。

「ごめんごめん。実夜がとぼけてて・・・」

いや、私のせいにするの?ひどいわ。まじでひどい。
私がジト目で歌歩を見つめていると、屋上のドアが開く音がした。
振り返ると、結花と美加がいた。
なんか珍しい組み合わせだな〜とか思っていたら、美加は私の方を見た。見たと言うより、機嫌を窺っているみたいだった。

「ところでなんでこんなところに集まってるの?」

思わず舞君を見た。
舞君は、呆れたような表情をしていたが、ご丁寧に教えてくれた。
「三井にいじめた理由聞くんだろ?」、とのこと。あぁ、なるほど。

「で、なんで実夜をいじめたの?」

歌歩が唐突に切り出した。
美加は怯える事も、顔を歪ませることもせず、ただただ青く澄んだ空を見つめていた。
そして、どこかうわの空で話し出した。

「・・・頼まれた、からかしら」

「はぁ?ふざけてんのかよ」

翔君がどこか怒ったような声を上げる。
私は自分の為に怒ってくれているとわかって、嬉しかった。

「いたって本気よ」

「そんなことはいいの!誰に頼まれたの!?」

次は歌歩が叫び声のような悲痛な声を上げる。
私は自分の事のように悲しんでくれているとわかって、嬉しかった。

「誰でもいいじゃない」

「よくない。その人物くらい言えよ」

舞君が親の仇かの如く憎しみのこもった声を出した。
私は自分の事のように憎しみが浮かんだことがわかって、嬉しかった。

「言わないわ」

「なんでなのよ。お願いだから教えて」

結花はどこか焦ったように早口で言った。
私は自分の為に焦ってくれていることがわかって、嬉しかった。

「実夜梨が聞いて平気なら。」

「ん?私なら別に平気だよ」

多分。

「・・・新島水音。」

「「「「は/え?」」」」

見事に翔君、歌歩、舞君、結花の声がハモッた。
私に至っては・・・驚きで声も出なかった。

322:汐羅:2014/05/06(火) 09:40 ID:Ou2

「・・・新島水音。」

「「「「は/え?」」」」

私はそれを聞いた瞬間、思考が停止したのが分かった。
何も考えられない。言葉の意味が理解できない。

「私は水音からいじめを依頼されたのよ。実夜梨と水音は姉妹だそうね。」

「なんで、知ってるの?」

声が詰まる。動揺している自分が目に浮かぶ。
いや、ここはいったん落ち着いて一つずつ質問していくのが吉だろう。

「水音から聞いたのよ。」

「一つずつ聞いていくから、すべて嘘無く答えてね」

深呼吸を何回か繰り返して、落ち着いたところで美加を見る。
口は真一文字に閉ざされ、顔色は少し悪い。・・・覚悟してるんだなぁ。
改めて美加にも美加で大変なんだなと思った。

「まず、なんで水音の言う事を聞いているの?」

「・・・脅されたから。」

「脅された?」

思わず聞き返すと、美加は始めた表情を変えた。
悲しみや憎しみ、怒り、痛みを混ぜ合わせたような、暗くて寒気がしそうな表情に変化した。
そして、美加は絞り出すように、感情を抑えるように話し始めた。

美加の話を要約すると、こうだ。
美加は誰かに手紙呼び出され、集合場所にいたのは水音だった。
用件を聞くと、水音は急に美加に襲いかかってきて、地面に押し倒され、ナイフを突きつけられた。
美加は不敵な笑みを浮かべ、こう言った。

「このまま刺されたくなかったら、綺秋実夜梨がボロボロになるまで精神苦痛を与えなさい」

喉にナイフを突きつけられている美加には拒否権が無く、頷くしかなかった。

「もし言う事を聞かなかったら殺すから。」

水音は満面の笑みでそう言うと、美加の上から退いた。けれど美加は恐怖でしばらく動けなかった。
そんな美加を見た水音は愉快そうに微笑み、美加の顔の真横にナイフを落とした。

「私は本気だから。人なんてあっという間に殺せちゃうんだからね」

水音は軽快な声で言うと、その場から立ち去った。
立ち去った水音のその目は、邪気と狂気に満ち溢れていた。

323:汐羅:2014/05/06(火) 10:11 ID:Ou2

今の話は真実なのだろうか。あまりにも突飛で、現実味が全くない。
ナイフだの殺すだの脅すだの、まだまだ私たちには手の届くことのない領域だと思ってたのに。

「で、次は?」

美加は表情をもとの無に戻していた。
先程の表情からどうやったらこんな無表情に変えることができるのだろう、なんて思った。

「次は?」

「え、あ、うん。」

表情の事ばかり考えていたため、次の質問が遅れてしまった。
早くしないと、学校の完全下校時刻に間に合わなくなる。

「美加って、結局私の事助けてくれたよね?でも、美加はどうなるの?」

「いったい何が言いたいわけ?」

美加は眉を寄せ、怪訝な顔で私を見ている。伝わらなかったらしい。
もっと簡単に言うべきだったかな。え、あれ?でも結局どうなるんだ?

「だから、美加って脅されてたんだよね?でも結果的には私を助けてしまったし、私自身ボロボロにはならなかったんだけど。」

自分にも、美加にも分かるように言葉を出す。
美加は私を助けた。私をボロボロにすることはできなかった。水音の約束は果たせれていない。
・・・それって

「美加は、水音を裏切ったことになる。・・・まさか!!」

この言葉を言い放った瞬間、私はやってしまった。
これだけは言ってはいけなかった。最悪の結末が頭に浮かぶ。
美加は、儚そうに笑って、頷いた。
やめてよ、頷かないでよ。否定してよ。なんで?なんでこれだけで・・・!!!
そして、美加は言ってしまった。一言ずつ、ゆっくり、ハッキリと。






「ワ」




「タ」




「シ」




「ハ」




「コ」




「ロ」




「サ」




「レ」




「ル」

324:汐羅:2014/05/06(火) 11:22 ID:h4U

>>319
ま・じ・で・す・かー!!!???
ま、まぁ今までの展開も結構在り来たりでしたからねw
見え見えで当然ですよねw

>>りったん
水音ほんとに影薄いよねww
でも、これから結構濃くなってくるかも?w

325:匿名さん:2014/05/06(火) 16:12 ID:6qU

け、警察に通報して、それからおばちゃんちでしばらくとめてもらって、(勿論全員で)
全員で全員の身を警戒して、いつも一緒にいる!
あと、理事長にチクる!

326:汐羅:2014/05/07(水) 15:16 ID:.92

>>325
それが一番の解決法ですかね!
理事長は最後亜たりしかでてこないんですよw

327:匿名さん:2014/05/07(水) 22:32 ID:6qU

えwこれ最後らへんじゃないんだ…orz

328:しょこら:2014/05/10(土) 14:28 ID:kQs

久々にきたっていうか最近全然きてなくてごめん!! 300おめでとう!! 次は400!!いけるかな?w頑張って!!
え これ最後らへんじゃないんだ…w
まぁまだ汐羅の小説が読めると思うと嬉しい!!w
実夜梨とか仲直りできてよかった!!
水音怖っwどうなるん!?シリアス…w全員無事であってほしい…!!

329:あゆみ:2014/05/10(土) 21:05 ID:cEM

初コメです。ここまで読んで、とても感動しました!!私は、小説とか書かないので、アドバイスはできないのですがこれからも、頑張ってください!続きを、楽しみにしています♪

330:汐羅:2014/05/11(日) 14:42 ID:/Fg

>>327
う〜ん・・・。
あともうちょっとありますね。
400までは行くと思いますね。

>>しょこら
ありがとうね^^*
しょこらよ、翔君のこと忘れてないかね?w
まぁ、書かなくていいならもうすぐ終わるからw
それに、パーフェクト教室が終わった後の小説の案もう思いついてるしw

>>あゆみ様
ありがとうございます!!!
感動して頂けて本当に嬉しいです!感動モノって書くのが本当に難しくて・・・(汗)
温かいコメントありがとうございました!

331:汐羅:2014/05/11(日) 15:57 ID:/Fg

私は今、理事長室でお父様に水音の事を話していた。
私の横には美加、歌歩、結花、翔君、舞君が座っていた。

「・・・で、私にどうしろと?」

お父様は他人事のように言った。無性に腹が立ったのは紛れもない事実だった。
でも、今はそんなことを構っている暇はない。
だって、美加の命が危ないんだから。

「水音を退学処分とし、二度と星華オーヴェスト中高学園に入らせないようにしてください。」

「それは意味あるのか?」

「え?」

「考えてみなさい。新島を退学処分にしてこの各園に入らせないようにしたところで新島が三井の命を狙っていることに変わりは無い。」

お父様は淡々と告げた。私は、確かになぁ、なんて思ってしまっていた。
水音が学園に来なっても美加の命はいつでも狙える。
・・・じゃあ、どうすれば?

「方法は一つしかないわね」

「結花?なにかいい案でもあるの?」

「水音と仲直りするしかないでしょう?」

結花はもうあきらめた、とでも言うように微笑んだ。
その美しい微笑みは横から飛んできた呆れた声によって崩された。

「はぁ?お前正気か?」

「正気よ。じゃあ舞彦はなにかいい案あるのかしら?」

「ねーから困ってんだろうがよ。」

ヤバい、この二人が口論を始めるとものっすごい言葉が飛び交うから、今すぐ止めないと・・・!

「ちょ、二人ともストップ!ここ理事長室だし、今口論してる場合じゃないでしょ!?」

な、ナイス歌歩!
私が何て言えば口論が止まるかな、なんてトロトロ考えていたら歌歩がサッサと止めに入った。
理事長とこの状況のことを言ったなら口論も止めざるを得ないよね。
しかし、結花と舞君はコソコソと口論を続行していた。往生際が悪いなぁ・・・。

「でも、本当にどうするんだ?」

珍しく静かだった翔君が言ったので、私はもう一度考えてみた。
しかし、とても安全かつ平和に終わる案は思い浮かばなかった。
それに、私の頭に浮かぶのは最悪のシナリオだった。
誰かが転校する。誰かがいじめられる。誰かが泣く。・・・誰かが死ぬ。

「もういいわよ」

「美加?」

「もう死んでもいいって言ってんの。」

「はぁ!?何言ってんだよ!」

美加の言葉に翔君は声を荒げた。私の翔君と同じように声を荒げる寸前だった。
美加は動揺もせず、ため息をついた。

「別に覚悟の上でしたことだし、アンタらにまで迷惑かけようだなんて思ってねぇし。それにもう、私も疲れたし。」

その言葉に、私の中の何かがキレた。

332:汐羅:2014/05/11(日) 17:16 ID:ae2

美加は言葉では強気だったけど、美加自身は俯いていた。

「美加。ほんっと私ムカついてきたんだけど。」

「なんでよ」

「自分勝手にもほどがあるよ。もうあたしら巻き込まれてるんだから。」

「まだ間に合うから、実夜梨達は関係ないってことにしとけばいいんじゃないの?」

「もう手遅れだよ!」

「大丈夫だから。なんとかしてみせるから。私が死ねば終わること何だし、さ」

気のせいだろうか。美加の声が震えている気がする。
でも、私の怒りも最高潮だった。

「そうじゃない!私も一回もう水音と会ってるの!」

「・・・え?」

美加がようやく顔を上げた。
美加の顔にはうっすらと涙が浮かんでおり、顔色が悪かった。
・・・なんだ、美加も怖いんじゃん。

「私さ、水音と昨日屋上で喋ったんだよね。その時点で私、関係者。おーけー?
 ついでに美加が水音らしき人と電話してるの見ちゃったし。」

「み、見たの!?・・・わかった。」

美加はもうあきらめました、と言わんばかりにうなだれた。
でもね、美加。それだけじゃないんだ。

だって私、お姉ちゃんだもん。

333:汐羅:2014/05/11(日) 17:43 ID:ae2

「これで私と美加は運命共同体だよ。もう一人じゃないから。」

「別に一人でも良かったんだけど・・・。」

うんざりしたような顔をしている美加ににやりと微笑んで、頬をつねってやった。
あ、美加って案外ほっぺた柔らかいなぁ。

「ふぉふぉ!ふぁにふんふぉよ! (訳:ちょっと!なにすんのよ!」

「さっきまで泣いてたくせに何言ってるの!」

「ふぁいてふぁい! (訳:泣いてない!」

「さっきから何言ってんの〜?」

ケラケラと笑うと、美加が私の頬をつねってきた。
う、しまった。両手を不自由にさせておけばよかった・・・

「いふぁいいふぁいー! (訳:痛い痛いー!」

「こらぁ!そこふざけないの!」

結花の喝が入ると、私も美加もお互いほっぺたから手を離した。
ジンジンする。美加って力強いなぁ。

落ち着いて姿勢を正してソファーに座り直した。

「おとうさ・・・寝てるの!?」

お父様にどうすればいいか聞こうとしたら、お父様は寝ていた。
娘の命がかかってるというのに、呑気ですこと。

「実夜、仕方ないよ。屋上戻ろ」

「・・・そ、うだねー。お父様一回寝たら起きないし。」

でも、私知ってる。お父様は嘘寝だということを。
私を騙せると思ってるのかな?何年お父様と居てると思ってるんだろう。
それに、お父様はきっとこのことに関して関わりたくないんだろう。だって、水音だって自分の娘なんだしね。
そのことは誰にもいわず、理事長室の扉を閉めた。

334:しょこら:2014/05/11(日) 23:51 ID:kQs

翔くん…ね!!もちろん覚えてるよ!!ww
好きだったんだねー翔くん。
美加死なないでくれるとありがたい!!っていうかみんないい人であってほしい!!w水音もねw
HAPPY ENDかBAD ENDか。HAPPY ENDを私は望む。w

335:匿名さん:2014/05/12(月) 05:22 ID:6qU

>>334 同じく。

うう…お腹壊した…

336:汐羅:2014/05/12(月) 17:18 ID:bCg

>>しょこら
ネタバレしないでよwまぁ、元から知ってるかw
告白法とかシチュエーションとか楽しみにしててくれると嬉しい♪
どっちの終わり方になると思う?w

>>335
ありがとうございます!
お腹壊したって大丈夫ですか?心配です・・・

337:汐羅:2014/05/12(月) 17:20 ID:bCg

屋上に着いた私達は、それぞれ思い思いの場所に行った。
外の様子は暗くて星が美しく瞬いていた。ケータイで時間を確認すると、もう8:48分だった。
・・・お父様が理事長で良かった。
私は一番端っこのフェンスにもたれかかっている。そして、横には結花がいる。

「・・・結花、私決めたよ。」

「え?」

「私が美加を守る。」

「何言ってるの?それじゃ実夜梨の身が危なくなるわよ!」

「それでもいいの。たとえ私がどうなろうとも・・・」

美加は守る。
それが今私に出せる唯一の解答だった。
私は、どこまでも続く闇の中に輝く満天の星空を見つめながら言った。

「水音とは仲直りできる気がしない。それに、水音は何を仕掛けて来るか分からない。
そんな今だからこそ、一人が犠牲にならないと生きていけない。・・・そう思う。」

この世界はゲームなんかじゃない。漫画でもない。アニメでもない。
「ごめんなさい」「もういいの。仲直りしましょう」「うん、仲直りね」
なんて甘っちょろい世界じゃない。

・・・ここは現実だ。

「実夜梨一人でなにができるっていうの?」

「確かに私一人じゃできないかもしれないけど、やらないよりはマシ。私の命で美加が救えるなら喜んで差し出すよ。」

美加は私に大切な事を教えてくれた。
いじめの辛さや友情と言う名の希望、友達がいるという暖かさ。
美加はこれ以上ないくらい私に学ばせてくれた。これから生きていくうえで大切な経験をさせてくれた。

「今度は、私が美加に恩返しするんだ。命の尊さを教えてあげるんだぁ!」

美加は私が死んだら散々罵ればいい。
そばにいる人が一人消えたと言う寂しさを知ればいい。
もう二度と会えない悔しさを味わえばいい。
命は尊いものだと知ればいい。
そして、悲しみ、悔やみ、嘆き・・・成長していけばいいんだ。
そう思って、結花に笑顔を向けた。

「だから、もう何も悩まなくていいよ。これは私と美加の・・・ううん、私の問題だから。」

「寝言は寝てから言いなさい」

「結花たちにはなーんにも関係ないから。今まで通りの生活しててね。
 あ、今の話は歌歩たちに内緒ね?私は結花を信用して話したんだからさ。」

結花はとうとう押し黙ってしまった。
よしよし、それでいいんだ。結花達は何も言わずに引き下がってくれればいいんだ。
満足気に私は美加の名を呼んだ。

「美加ー・・・ってアレ?美加は?」

暗くてよく見えない上に、気配すらも感じられない。
そして、私は分かった。美加の姿が屋上にはなかったという事を。

「歌歩、美加知らない?」

というか歌歩自体どこにいるのかわからない。
その場で正面を向き、聞こえるくらいに叫んでみた。すると、前の方から声がした。

「知らないよー?それより実夜、何処にいるの?」

「一番端っこのフェンスに凭れかかってるけど。歌歩は?」

「あ、多分実夜の前だと思う。」

「じゃあそっち行くね?結花、行こ」

結花は何も言わなかった。どんな表情をしているのかもこの暗闇の中じゃわからない。
私は結花の手を取ると、フェンスに沿って前へと歩みを進めた。

338:しょこら:2014/05/14(水) 07:23 ID:kQs

あ、そっかネカバレになるのかwすみません!!w
美加どこいったぁぁぁぁああああ
っていうかなんかBAD END っぽいんだけど…ww
>>335 お大事に!!

339:汐羅:2014/05/14(水) 15:20 ID:EsM

「翔君と舞君はどこー?」

私は歌歩に近づきながら歌歩に問いかけてみた。
まさか翔君と舞君までいないとか言わないよね?いなかったらホラー並みに怖いよ。

「相川と内田は私の横にいるから大丈夫ー!」

あぁ、いるのか、良かった。心底安心したよ。
安心して足を進めていると、私の手を握る結花の手の力がこもった。

「ん?どーしたの、結花。」

聞いてみるも、応答は無し。ただ手の力が増すのみだった。
正直に言おう。痛い。
ま、いいや。なんか結花、甘えてるみたいで可愛いな。

「あ、実夜見えたー」

「えっ、嘘!歌歩何処ー!?」

歌歩は意外に猫目か。確か結花も猫目じゃなかったけ?私の親友は目が良いらしい。
しかし私の目は夜、役立たずである。

「こっちこっちー」

声のする方を頼りに前へ前へ突き進んでいると、誰かにぶつかった。
「キャッ」と可愛らしい悲鳴が聞こえたので、ぶつかったのは歌歩だとわかった。

「あ、ごめん歌歩っ」

「いいよいいよー。実夜だよね?」

「うん。翔君と舞君はいる?」

「いるぞー。」

「いる。」

「じゃあ、結花と歌歩と翔君と舞君はいるんだね?・・・美加は?」

そうだ。美加がいないのだ。
いつの間にいなくなったのだろうか。屋上のドアが開閉される音は聞こえなかったはずだ。
なんだか嫌な予感がする。胸騒ぎが止まらない。・・・一体なんで?

「美加って屋上に来てたか?」

舞君の呟きに私は少しだけ安心した。
だって、ここにきてないのであれば理事長室にいるはずだよね。理事長室なら安心だよね。

「じゃあ、迎えに行こっか。でもなんでこなかったんだろ」

歌歩の声は耳元で聞こえた。近い気もするけど、別に問題があるわけじゃないから目を瞑ることにする。
私は歌歩に屋上の出入り口まで誘導をお願いすると、歌歩は快く引き受けてくれた。

夜の目が効かない私は歌歩の制服の裾に掴まってひょこひょこ歩いている。
そして、なぜか夜の目が効くはずの結花が私の手を握っている。
いや、別に嫌ってわけでもない。むしろ好かれてるんだって安心できる。・・・でもなんかいつもの結花じゃないみたいだよ!?
私の結花のイメージは、大人っぽくて我が道を突き進むお姉さん。
でも、今の結花はまるでお姉ちゃんに甘えて手を握る妹だよ!?
なんか悪い物でも食べちゃったかなぁ。なんか心配だよ。

「ねぇ、結花」

「・・・」

まさかの無言だよ。シカトですよ。
あ、もしかして眠たいのかな。いやぁ、さすがお嬢様。夜更かしは美容にもよくないよね。

「眠たいの?」

「ハハハッ。いくらなんでもこの時間に寝る奴はいねぇだろ」

私は真剣に聞いたんだけど?笑わないでくれるかな、翔君や。
ま、なんでもいいや。
それより美加だよ。美加はいったい何が目的で理事長室に残った訳だ。
・・・。

「ダメだ、わからん」

私の考える能力は著しく低下していた。
疲れたんだろうなぁ、私。家に帰ったらゆっくり休もうかなぁ。

340:汐羅:2014/05/14(水) 15:23 ID:EsM

>>しょこら
別にいいよw
読者様もほぼ100%気づいてると思うしw
BAD ENDっぽい!?w

341:りったん:2014/05/17(土) 10:31 ID:pBA

最近コメ出来なくてごめん!!!
いや〜。やっぱり好きなんだね〜ww
翔君、実夜梨のことww

342:汐羅:2014/05/17(土) 12:47 ID:.Aw

>>りったん
ううん!またみてくれてありがとう♪
その通り。翔君は実夜梨の事が好きww

343:汐羅:2014/05/17(土) 12:48 ID:.Aw

「どーしたぁ?」

声の主は翔君だと思う。
声的にもだし、舞君がこんなバk・・・ゴホンッ、元気のある喋り方をしないだろう。

「いや、なんで美加一緒に来なかったんだろうって考えてみたんだけどね。全っ然答えが見えてこないんだよね」

「まず人の思考を考える時点でオレにはわからない行為だわ」

「え?普通じゃないの?」

「別に考えなくてよくね?自分の言いたいこと言ってる方がいいし。」

「自己中ってやつじゃない?」

「だって黙ってたらなにも伝わんねーじゃねーか。それに相手に合わせてるだけだったら自分の為にも相手の為にもなんねーだろ?」

あぁ、なるほどな。一理あると思う。
すると、前にいた歌歩がケラケラ笑い声を上げた。

「相川がマトモな事言ってるー!」

「オレはいつだってマモトだっつーの。歌歩と一緒にすんな」

「いやいや、絶対私のほうがマトモだよ。ねぇ、実夜?」

「実夜梨、別に合わせなくてもいいんだぞ?」

急に私に話題を振るとは何事だ。
まぁ、でも私は正直者だ。キッパリと意見を言わせてもらうよ。

「私は舞君の方がマトモだと思う。」

私がそういうと、二人は「それズルい!」的な事をそれぞれ言った。私知らないもん。
すると、歌歩が歩く速度を速めた。だから私の手は制服から離れてしまった。
ヤバいじゃん。私何も見えないし・・・。
身の危険?を感じた私は一旦立ち止まることにした。

「でもさ、私はまだマトー・・・キャアアァアア!!」

歌歩が何かを言おうとして、悲鳴を上げた。
歌歩に何が起こったか全くと言っていいほどわからなかった。
私は反応に遅れ、前から思いっきり胸を押された。
悲鳴も上げられずに私の体は後ろに傾いた。私は傾いた自分の体を支えるほど力を持っていなかった。
力は無いくせに、なぜか考える力だけはあるんだ。
頭打ったら危ないよね?こういう時は体を一回転させて顔から地面に突っ込むのかベスト。・・・結花、手離してるね。よかった。
と、いうわけで体を一回転させて、地面に突っ込むのを待つ。

「いったーーーー!!!」

歌歩の声が聞こえる。こけたのかな?できれば状況説明を求む。
ま、今更状況を知ったところでなにも変わりは無いんだけど。

ドサッ

・・・ドサッ?
地面ならドンッ!とかバンッ!とかそういう痛々しい音がしない?でも、今なったのは生ぬるい音。
それに、全然痛みを感じない。むしろ柔らかい物に倒れ込んだみたいな・・・
不思議に思った私は何が見えるわけでもないが、顔を上げてみた。

・・・温かい。

これが率直な感想だった。
暗闇で何も見えない。何が起こったのか、状況もよくわからない。
でも、これだけは分かる。


私は暗闇の中で誰かに倒れ込み、誰かとキスをしてしまった。


相手もよくわかっていないらしい。一言も声を上げない。
でも、私は状況を早々と理解してしまっているため、声を発するよりは相手を考える方が先だった。
後ろにいたのは翔君と舞君。・・・どっちとキスしたの?
正直、めちゃくちゃ恥ずかしい。ファーストなんだけど・・・。

「きゃああああああああぁぁああああぁぁぁ!!」

そんな時だった。
私の羞恥心さえも忘れさせてしまうような悲鳴が、ドアの向こうから聞こえた。

344:汐羅:2014/05/19(月) 17:53 ID:JJU

「この声、美加!?」

歌歩が声を発する。歌歩も、美加の声を見分けられるくらいになったんだ。
・・・じゃなくって!!!
私はキスに関して考える前に、自然と体が動いて、誰よりも早く駆け出していた。



「美加―!!」

美加の名前を呼びながら廊下を走り抜ける。
暗い暗い廊下を走るのは本当に心細くって、夜の学校と言う事もあり怖い。
でも、美加になにかあったら、と考える方がよっぽど怖い。

「あっ!?」

私は本物のドジっ子だ。何もない所で足をもつらせて転んだ。
すると、足に何かが刺さったような気がした。
足を動かしてみると、鋭い痛みが足に走った。

「実夜!」

後ろから歌歩の声が聞こえる。足速いな、歌歩。
歌歩は私に近づいて、しゃがみ込んだ。

「大丈夫!?」

「−・・・」

私は返事をせずに、自分の足に何か刺さったようなので足に手を滑らせる。
わかった。本当に刺さっちゃったんだ。

「歌歩、ごめん。ちょっと血付いちゃうかもしれないから私から離れて」

「え?」

歌歩の反応をよそに、私はアレを抜いた。
悲鳴を上げそうなくらいに痛かった。涙がにじんでくる。

その時、廊下に明かりが灯った。

「わりぃ、遅くなった!」

視線が集まって行く先にいたのは、翔君だった。
小走りで近づいてきて、うっすらと汗がにじんでいる。きっと翔君が電気をつけてくれたんだと思う。

「あ、ありがとう、相川!で、実夜―・・・ひっ」

私に視線を戻した歌歩は小さく悲鳴を上げた。
それもそのはず。だって私の足には血が流れていたから。

「み、実夜梨、それー・・・!」

「実夜梨、どうしたんだよ!」

「実夜梨、なにがあった?」

私の足を見てみんなの顔が青ざめている。これは刺激が強いかな。
私はそれを誤魔化すように目尻に涙をためたまま微笑んだ。

「あ、アハハッ。転んだ時に刺さっちゃったみたいで・・・。」

「アハハじゃないでしょーが!何が刺さったの!?」

私は先程抜いたばかりのアレを見せた。
先端に地味に血が付いている。私の血だ。

それは、画鋲だった。

345:しょこら:2014/05/20(火) 20:47 ID:kQs

最近コメしてなくてごめん!!
が、画鋲?マジカヨ!!がびょーん((((
っていうか!!キ、キスやないかい!!翔くんか!?翔くんなのか!?wwすげぇ楽しみw
実夜梨の足に画鋲が刺さったあと、美加はどーなった!?危なくね!?もうこんな状態になったら普通耐えきれないよww

346:りったん:2014/05/21(水) 23:07 ID:pBA

えっ!?
実夜梨、キスしちゃったの!?どっち?!
翔君か?!舞君か?!

画鋲って痛いよ!絶対痛い!

347:汐羅:2014/05/22(木) 18:23 ID:JmY

>>しょこら
いやいや、全然いいよ!?w
さて、どっちでしょうww
確かに危ないねw

>>りったん
いや〜、ラストに近づいてきてるからなんか刺激がほしくてねw

私も一回画鋲が指に刺さったことがあったんだけど、まじで痛かったよ!
涙止まらなかったw

348:汐羅:2014/05/22(木) 18:24 ID:JmY

転んだ時にブスッって行っちゃったみたいだ。でも、なんでこんなところに画鋲が?
の前に血だよ、血。ドッバドバでてるよ。

「みみみみ、実夜!」

「私はみみみみ実夜じゃないよー。あぁ、誰かハンカチ持ってない?」

私が冗談を言いながら真面目にきいてみると、結花がポケットから慌ててハンカチを出した。
そんなに急がなくってもいいのに。まぁ、でもありがたく受けとー・・・って、あぁ。

「ごめん、汚れるよ?」

「馬鹿ね、気にしないわよっ!早く血止めなさいよ。」

結花は慌てた表情でハンカチを当ててくる。
あいたたたた。ちょ、結花力が強い。

「ごめん、私ここで休んでてもいいかな?だからみんなは美加探しに行ってくれる?」

「でも・・・」

歌歩がモゴモゴと言っている。何かそんなに迷う事があるだろうか?
すると、歌歩は名案を思いついたかのように

「あ。そうだ、内田。あんたお姫様抱っこしてよ。」

「はぁ?」

「だーかーらー。前も保健室に実夜梨連れて行ったみたいにお姫様抱っこしてって言ってるのっ」

「・・・ハァ」

なんか内田さんは深―いため息をついた。
私はと言うと、アレだ。出血止めるのに必死で、会話についていけてない状態。
あぁ、もう。早く血止まらないかなぁ。

「ぅえっ!?」

変な声が出た。お恥ずかしい。
というか、いったいどんな状態なんだよ、これ。なんかすっごいデジャヴ感があるだけど。
あぁ、思い出した。なんか保健室に連れて行ってもらった時とよく似てる。
・・・あれ、確かお姫様抱っこじゃなかったっけ?

「ちょいちょいちょいちょい舞君!?なにしてんのかなー?」

「動けねえ病人は黙って大人しくしておくこと。」

「いや、歩けー・・・ないけど、置いて行ってくれてもいいし!」

「危ないだろ。夜の学校に怪我した女を一人にするわけねーじゃん」

そんなカッコイイ台詞言われたら黙るしかないじゃんか。
私はもう諦めて大人しくお姫様抱っこされることにした。

349:汐羅:2014/05/25(日) 10:04 ID:hQE

さて、いったい美加はどこにいるのだろうか。見当もつかない。
でも今の私は足を怪我しているため、動こうにも動けない。一体どうしたら良いのだろうか。

「ねぇ、舞君。一旦おろしてくれないかな?やっぱり自由に動けないと不便だよ、私も舞君も。」

「別に問題ない。それに、どこか行きたいなら言ってくれれば行くから。」

「そっ、か。ありがとう。」

まぁ、もともとおろしてくれるなんて思ってなかったから別にいいんだけどね?
一応聞いてみただけだよ?おろしてくれたらおりるつもりでしたよ?

その時―――

「あっれ〜?なんでお姉ちゃんがここにいるの?置いてきたんじゃないんだぁ」

背後からすごく明るく軽い声が聞こえた。皆が一斉に振り返る。
私は舞君が振り返ってくれないとその声の正体が分からないため、舞君が振り返ってくれるのを待つ。
そして、私は声の正体を目に入れてしまった。

そこにいたのは、水音だった。

350:汐羅:2014/05/25(日) 10:26 ID:hQE

「お姉ちゃん、足怪我してんでしょ?置いていくと思ってたー」

愉快そうに笑いながら水音はそういった。水音は私が怪我をすることを知っているような口ぶりだった。
頭が呆然としている今、私はなぜ知っているのかなんて考えることができなかった。

「なんで知ってるの!?」

歌歩が強く言い放った。正直、ビクッとなったのは言うまでもない。
しかし、水音は表情を変えず、淡々と告げた。

「だってこける様に細工したの私だもん。糸張って、画鋲置いて。
まさか本当にグサッっていくとは思わなかったけどね。ホントドジだよね、お姉ちゃんは。」

水音はバカにしたように笑みを浮かべた。多分、皆ムカッと来ただろうな。
だって、普段怒ることがあまりない結花が舌打ちしたんだし。

「・・・でも、糸なんてなかったよ!」

「お姉ちゃんが引っ掛かった時に切れたんでしょ?そうなるように柔くしておいたんだから。」

さも当然の様に水音は言った。いや、別に今は私のけがの原因なんかどうでもいい。
ただ私が気になるのは、なぜ水音がここにいるのか、だ。

「なんで水音がここにいるの?」

なるべく、平然を装って。落ち着いているように装って。
歌歩はそんな私に驚いたのか、目を見開いて振り返ってきた。私は取り乱すと思っていたらしい。

「裏切り者には報復を、ってやつ。」

「美加になにをしたの?」

認めたくないけど、なんとなくわかっていたんだ。ここに水音がいる理由。
美加を襲う。下手したら殺される。
なにが美加を守る、だよ。とんだヒーローじゃん。

「なにもしてないけど?」

「嘘だ。本当のことを言って。」

「ホントホントー。ま、美加は階段から落ちたけど?」

「えっ」

「一応言っとくけど、私は落してないからね。」

水音はどれだけいうと、クルリと背を向けて闇に溶け込むように姿をくらませた。
誰も追わなかったのは、多分美加の方が重要だからなんだと思う。

351:汐羅:2014/05/25(日) 10:48 ID:hQE

そこから美加の発見までは早かった。私のケータイにお父様からメールが来た。
美加は私立病院で眠っていて、右手を骨折したが、大事には至らなかったらしい。
それを聞いたとき、全身から力が抜けていくような気がした。
そして、ついでにだが、私の足の怪我も診てもらうことになったのだった。



私は三日間病院で安静にしているようにと言われ、今は病院のベッド上にいる。
結構快適な空間で、思ったより楽は出来た。けれど、私の頭の中は決して楽ではなかった。
水音が何故私たちの前に姿を現したのか、何故美加に手を出さなかったのか。
そればかりを考えてしまい、夜は寝つけが悪い。

「実夜梨」

今声を掛けたのは同じ病室の美加。お父様のコネで同室にしてもらった。
美加はもう目を覚ましていて、こうやってよくしゃべっている。

「ねぇ、本当に落とされてないんだよね、水音に。」

「なんで声を掛けただけなのにそんなこと聞かれなきゃいけないのよ。まぁ、落されてないけど。」

そうなのだ。階段から落ちたのは完全に美加の不注意らしい。
暗くて足元が見えなくて、踏み外して落ちてしまった、とのこと。
ちなみに、理事長室に残ったのは教室に忘れ物をしたから理事長に教室の鍵を貸してもらおうとしたから、だそうだ。
全く、人騒がせな。どれだけ心配したと思ってんだ。

「じゃあなんで水音がいたんだろ。」

「私に報復しようと思って、勝手に私が怪我したからできなかったんじゃないの?」

「だったら私たちに美加が階段から落ちたって伝える必要なくない?」

「あんたらの反応が見たかっただけじゃないの?」

そんな簡単な理由じゃないと思う。なにか、水音には裏があるはずだ。でも、それが分からない。
あぁ、もう頭の中がヤバいよ。パンクしそうなんだけど。
美加はそんな私を気遣ってか、もうしゃべらなくなった。
・・・いや、ただ眠たくなっただけだ。決して気遣ったわけじゃない。やっぱ、美加は美加だ。

「美加・・・。」

私は眠りに落ちた美加の頭をそっと撫でた。

「なにがあっても美加は私が守るから。絶対に。・・・私の命なんていらないから」

352:りったん:2014/05/26(月) 14:53 ID:pBA

実夜梨めっちゃいい子じゃん!
水音は、自分の中で最初の時とイメージが
変わったな……ww

353:汐羅:2014/05/26(月) 17:39 ID:A/E

>>りったん
たしかにwリアルにこんな良い子いないw
水音の最初のイメージってどんなのだったの?

354:汐羅:2014/05/26(月) 18:21 ID:A/E

鏡に映るのは元気に立ち上がっている自分。いつもと同じツイテールをして、いつもと同じ制服を着ている。
私は改めて制服のシワを伸ばして、自分の姿を確認する。

「なんか私、ヤツれてる?」

目元には薄いクマができてあり、全体的に暗い人、と印象を与えてしまうような自分だった。
あぁ、これは少しメイクで隠した方が良いパターンだね。早起きしてよかった。
そして、ドレッサーの前に座ってメイクを始めた。

入院してから早3日が経った。正直まだ足は痛むときもあるけれど、歩いたり、走ったりすることはこれと言って問題は無かった。
その間の授業は舞君が親切にノートをとっておいてくれて、それをいつも渡しに来てくれた。
その間の当番は翔君が代わりにやっていてくれた。
その間の私の周りの世話は歌歩と結花がやってくれることもあった。
・・・何気に私、メッチャみんなにお世話掛けてるし。すっごい罪悪感あるんだけど。

まぁ、そんなこんなで退院をして、今日から学校に行くんだ。
ちなみに、美加はあと1週間入院生活を送るそうだ。
へっ、ざまぁww
・・・はい、嘘です。本当にごめんなさい。


いつも通り教室に入ると、みんな私を有名人かのように出迎えてくれた。
中でも、歌歩はすごかった。いきなり抱きついてきて、泣き始めたんだから。
いや、アンタはどれだけ私に溺愛してるんだよってツッコミを入れなかった私をほめてほしい。

「あっ、実夜梨、今メイクしてるでしょ?」

ゲッ。何故にバレた。めっさナチュラルメイクのつもりなんだけど。
目立つ(?) 所と言えば色つきリップ程度だと思うのだが。

「なんでわかったの?」

「なんかいつもと違うんだよね。フインキって言うか、なんか大人っぽいんだよね」

「いやいや。私はいつまでたっても背が伸びない幼児だよ。」

「フインキ限定だよ!?誰が実夜梨自身を大人っぽいと言った!?」

「え、ちょ、それはそれで失礼じゃない!?ねぇ、結花、翔君、舞君!?」

おかしいよね!?と気持ちを込めて視線を送ってみるも、効果なし。
結花は「そうかしら?」とニヤニヤと笑みを浮かべ、翔君は「そうか?」と首を傾げ、舞君は「別に」と興味なさげに欠伸をした。
・・・一体なんなんだ!!

「ま、まぁ背なんていずれ伸びるって!」

翔君が焦ったようにフォローを入れてくれる。あぁ、優しい少年。君は私のエンジェルだよ。
・・・あ、ダメだ。翔君が天使になってしまったところを想像すると吐き気してきた。ウエェ〜ッ・・・。

「ありがとう、翔君。やはり君は人間が向いているよ。部活頑張れよ。」

「・・は?」

翔君=部活と言っても過言ではないくらい元気がいいスポーツ少年だ。きっといいスポーツ選手になれるさ。
異論は認めません。

「・・・なんか実夜梨キャラ崩壊してる。」

歌歩がボソッと呟いた。しっかり耳に届いたぞ。その言葉、忘れないからね?
そんなことを思いながら私は聞こえていないふりをしたのだった。

355:しょこら:2014/05/26(月) 23:30 ID:kQs

なんか舞くんも実夜梨のこと好きみたいな感じに思えてきたw
え、汐羅画鋲刺さったことあるん!?大丈夫だった!?

>>りったん
私も水音のイメージ変わったw最初はいじめられててかわいそうだなーと思ってたけど今ではムカつくわ((

356:りったん:2014/05/27(火) 00:57 ID:pBA

汐羅>>
しょこらが思ってるのと
おんなじ感じだよ。
しょこら>>
あ、それうちも思った!翔君と舞君。二人とも
実夜梨のこと好きなんじゃね?って!ww

357:汐羅:2014/05/27(火) 14:00 ID:Yzc

>>しょこら
大丈夫だったけど、本当にあの時は痛かった・・・。
地味なトラウマww

水音も美加もいないと言う事で、しばらくの間は5人の恋愛事情書くから、その時分かるよw

>>りったん
なるほどー。
確かに水音、性格変わってきたよねw

358:紺音 シキ:2014/05/27(火) 14:38 ID:Yzc

そういえば、歌歩も結花もメイクしてるよね。何でだろう。
私は普段からメイクをしないのでなんでメイクが必要なのかがよくわかっていなかった。
・・・だって今日メイクしてきたのはクマ隠しだし。

「なんで歌歩も結花もメイクしてるの?」

「そりゃ自分を可愛く見せるためじゃん!」

「えぇ?歌歩すっぴんでも十分可愛かったけど?」

「いつすっぴんみたの!?」

「翔君の家、泊まりに行った時かな。」

えぇぇー・・・と歌歩が変な声を漏らす。別に私は悪いこと言ってない。真実を言ったまでだもんね。
自分を可愛く見せるため、かぁ。誰に可愛く見せるんだろ。
・・・まさかっ

「歌歩好きな人いるの!?」

「ふぇえ!?」

勢いよく聞いてみると、歌歩は驚いたような顔をした。しかし、そこの顔はみるみるうちに真っ赤になった。
うん、これ図星っぽいね。いいねぇ、青春だ。
結花もその様子察したらしく、ニヤニヤしている。ていうかニヤニヤしてても美しい結花が羨ましいんだけど。

「だーぁもう!!いるよいるよぉっ!いるからもうやめてぇえ!!」

まだだれも何も言ってないのに・・・。自爆しちゃいましたね、歌歩。
翔君もケラケラ笑ってるし、結花もニヤニヤを通り越して、もう声を上げて笑っている。
・・・あれ?舞君が静k−・・・えぇ!?寝てるじゃん!

「舞君自由奔放過ぎ・・・。」

苦笑いで呟くと、翔君がハハハッと笑った。それは肯定の意ととっていいんだね?
そういえば、舞君にも彼女とかいるのかな・・・。
いるよね、きっと。だって舞君かっこいいもん。それに、こんな自由なところも可愛いって思っちゃうし。
・・・あれ?なんだろう。なんかすっごく、胸が痛い。

359:紺音 シキ:2014/05/27(火) 14:51 ID:Yzc


 〜お知らせ〜

@ ハンネ変えました!

 ハンネ変えさせていただきましたー。読み方は普通に「こんね しき」です。
 ホントどんだけ変えるつもりだって感じですよねw
 霜月→汐羅→紺音シキ、とこの小説スレのみでも3回目ですよ。多分これで最後だと思います。
 えーっと、呼び方はご自由にどうぞ。
 これから、紺音シキとしてよろしくです。m(_ _)m


A 短編集始めました!
 
 はい、新しくできた短編小説版でスレ立てさせていただきました。
 URLはこちら↓
 http://ha10.net/test/read.cgi/short/1401168110/l50
 見てくださるかは皆様のご自由ですが、見てくださると嬉しいです。
 


続きを読む 全部 <<前100 次100> 最新30 ▲上へ
名前 メモ
画像お絵かき長文/一行モード自動更新