スレタイどおりです。
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いやぁ、自分は読む専門やからな(・ω・`)
26:視点:リナ◆ZM sage:2017/06/13(火) 18:43 |_ ̄)スレ主さん、読み専、了解しました。
なんか思いついたのでスペースお借りします。
題:先輩と私/リナちーとあたし
作:レス番>>24
四月。高校入学して間もなくの新入生歓迎ライブ。
とある洋楽のコピーバンドが、私の印象に強く残りました。
元になったバンド名も曲名も知らなかったけど、
大音量にも関わらず、とても聴き心地が良かったのを覚えています。
そして、ポニーテールに結い上げた長い髪をなびかせて、
楽しそうにドラムを叩く女性の姿に、私は目を奪われました。
かっこよくて綺麗な、二年生の先輩。
ライブの後、私は「素敵な演奏でした」と伝えに行き……
先輩は少し驚いたような、照れ混じりの笑顔で
「ありがとう」と答えてくれて……
私は、軽音楽部への入部を決めました。
「リナちー、『ゲイン』って書いてあるツマミは真ん中に合わせてね。
ゼロだと音が出ないけど、大きすぎると音が割れちゃうよ」
「はいっ、先輩!」
入部してから音響機材の使い方を教えてくれたのも、
私に『リナちー』という愛称をくれたのも先輩でした。
軽音楽部は創設から十年も経っていない、若いクラブで、
その頃に流行っていた『軽音女子が題材のアニメ』の影響を受けたとか受けないとか。
当時の先輩達が、部員集めや顧問の先生を探すのに、
涙ぐましい努力をした話が脈々と伝わっているとか。
先輩はそんな裏話まで、面白おかしく聞かせてくれました。
学校生活にも、部活動にも慣れてきたある日…
「リナちー。今度の日曜日さ、あたしの家に遊びに来ない?」
思いがけない先輩のお誘いに、私は驚きと喜びを抑えて、頷きました。
期待の一年生……リナちーは、小学生の頃にピアノを習っていたらしく、
バンドではキーボードを担当している。
高校生にしては小柄で童顔…ぶっちゃけ、ランドセルを背負わせたら、
今でも小学生で通じそうだっていうのは、本人には言わないでおこう。
ついつい頭を撫でたくなっちゃうリナちーだけど、
いざ演奏となると、あたしに難なくついて来てくれる。
向上心があって真面目だし、いい子だ。
話を聞くと、どうやらお家も近いらしく、じゃあせっかくだから、と家に呼んでみた。
「お、お邪魔します、先輩」
あたしの部屋に足を踏み入れながら、リナちーはキョロキョロと周囲を見回した。
ふんわりとしたショートボブの髪が揺れる。
リスとか子猫とか、小動物を思わせる仕草……なんとも可愛らしい。
「肩の力抜いて、楽にしてってよリナちー。あんまし女らしくない部屋だけどさっ」
「そんなことないですっ!素敵ですよ!」
ぐっ、と両拳を胸元で握りしめるリナちー。
緊張をほぐす為にも、まずは座ってもらって、お茶とお菓子でもてなす。
市販のクッキーに、ティーバッグの紅茶でご容赦願いたい。
手作りのお菓子やら優雅なティーポットなんて、あたしの柄じゃないんだ。
ちなみにリナちーは時々お菓子を作るみたい。
部活の時に、みんなに振る舞ってくれた事もある。
手作りのチョコクッキーは、サックサクでめっちゃ美味しかった。
うーん、女子力高いねリナちー。
まぁ服装にしたって、リナちーが女子らしい水色ワンピで、
あたしはタンクトップにジーンズなんて男みたいなカッコだから、
女子力うんぬんは今更だけどさ。
改めてあたしは、一応綺麗に片づけたつもりの自室を見回した。
リナちーは素敵だとお世辞を言ってくれたけど、
女の部屋にしては不愛想だよなぁ、と自分でも思う。
部屋の隅には練習用の電子ドラムセット。
本棚にはドラム教本と、楽譜がズラーッと並んでいる。
で、壁には洋楽バンドのポスターが貼ってある。
クラスメート達が好きなアイドルグループより二回りぐらい年上の、
渋いオッチャン達が腕を組んで立ってる、暑苦しいポスターだ。
いいでしょ別に。あたしが好きでポスター貼ってんだから。
聴いてみると格好いいんだぞ?ハードロックとか、ヘヴィメタルとか。
そんな訳で、あたしの部屋で女の子らしいものなんて……あ、一つあった。
「あっ、くまさんのぬいぐるみ!」
リナちーが、ベッドの枕元にある『それ』を見つけた。
「クラスの友達で、学校帰りにゲームセンターによく行く子がいてさ。
取ってきてくれたんだ、ナントカキャッチャーで」
「かわいい!あの、先輩!この子、抱きしめてもいいですかっ!?」
「あはは。いいよ、ご自由に」
律儀に許可を取るリナちーに、あたしは苦笑した。
ガサツなあたしを見かねて、なかば押しつけるように熊さん人形を渡した我が友よ。
残念だったな。あたしよりも、もっと絵になる子が熊さんを抱いてるぞ。
「えへへー、くまさん、ふわふわだぁ……」
気持ちよさそうに熊のぬいぐるみに頬ずりするリナちー。
下手に可愛さアピールを狙ってやろうものなら、あざとすぎてドン引きだけど、
この娘は見た目が見た目だし、天然だからなぁ……。バッチリ似合ってる。
ふふふ、ぬいぐるみ諸共抱き寄せて、お姉さんが頭をなでなでしてくれよう。
「もぉー可愛いなぁリナちーはっ!あたしの所に嫁に来いっ!」
「ふゅっ!?」
リナちーが不思議な声を上げた。
「ふゅ」て。なんだよ、「ふゅ」て。
なにこの娘、超かわいいぞ、おい。
「……およめに、もらってくれますか?せんぱい?」
不意に、甘ったるい舌足らずな声が、あたしの耳をくすぐる。
ぽーっと上気した顔で、リナちーの黒目勝ちな大きい瞳が、
あたしを上目づかいに見つめる。
ちょ、ちょっと、リナちー?顔、近いよ?ねぇ、近いよ?
うわ、めちゃくちゃ良い匂い。なにこれ、シャンプー?
「リ、リナちー?『かわいい』とか『結婚しよ』とかさ、
あの、女の子同士じゃ、挨拶みたいな、もんでしょ?
べつに、深い意味があるわけじゃ……」
「ふふっ、慌てちゃって、『かわいい』です。
先輩、『結婚しましょ』?」
鈴を鳴らすみたいな笑い声。返された『挨拶』。
リナちーの童顔が、その時は凄く大人っぽく見えて……
次の瞬間。あたしは、唇を塞がれていた。
「んんっ!?」
「んー……」
あたしは目を見開いたままで……
至近距離のリナちーは、祈るように目を閉じていて……
理解が追い付かない。キス、しちゃってる?
誰が?あたしと、リナちーが?
密着した互いの身体の間で、むにゅ、と柔らかいものが形を変えた。
そういえばリナちーって、顔に似合わず、結構、『ある』んだったな……。
あぁ、ヤバい……思考が、まとまらない……。
『もぉー可愛いなぁリナちーはっ!あたしの所に嫁に来いっ!』
いつもみたいに軽い……
けれど優しい口調で紡がれた言葉に、
私は、自分を抑えられなくなりました。
いいえ、実際は先輩の言葉通り、
『かわいい』とか『嫁に来い』という『愛の言葉』は、
気軽なガールズトークの内だったのでしょう。
日本の法律では同性婚は出来ず、
せいぜい限られた自治体で『結婚と同じ扱い』があるだけ……
だからちょっと考えれば冗談だと解るし、普通はそれで済みます。
けれど私は、あえてその言葉を『自分に都合よく』受け取りました。
体温を重ねていたのは、どのくらいだったのでしょう?
数秒だった気もすれば、1分以上だった気もします。
互い、息つぎをするように離れて……
「リナちー?」
愛称を呼ばれて、私はハッとしました。
(キスしちゃった。無理矢理。先輩の意思も無視して)
先輩は赤味が残った、どこか困ったような表情で私を見つめました。
嫌われたらどうしよう。気持ち悪いって思われたらどうしよう。
思考が渦を巻き、後悔に満たされます。涙が、止まりませんでした。
「ごめんなさい……わたしっ……ごめ……なさ……せんぱ……ぃっ……」
「あー、泣かないでリナちー。ビックリはしたけどさ。その、嫌じゃ、なかったから」
「え……?」
おそるおそる顔を上げてみると、
先輩は視線を斜め上にさまよわせて、首筋を掻いていました。
「あたし達、女同士だし、正直、まだ混乱してるけどさ!
今は、細かい事を考えないことにしたっ!
こんな可愛い後輩泣かせたら、女が廃-すた-るもんなっ!
ほらっ、おいで、リナちー!」
「わ、ひゃっ!?」
先輩は吹っ切れたように笑うと、私の顔を胸に抱き寄せてました。
シャツが涙で濡れるのも構わず、私の頭を撫でてくれます。
ドラムで鍛えられた、引き締まった上腕。
けれど女性らしいしなやかさも合わせ持った、優しい手。
あったかくて、近くで心臓の音が聞こえて……
私は、すがりつくように先輩の背に手を回しました。けれど、力が入りません。
キーボードを弾く時みたいな、丁寧な指使いも出来ないくらいに……。
「リナちー。リナちー。かわいい。大好きだよ。リナちー」
耳元で心を揺さぶる、ストレートで飾らない囁き。
吐息の暖かさまで感じられる距離です。
何度も呼んでくれる『リナちー』は、貴女がつけてくれた愛称……。
「先輩、先輩っ!私、わたしもっ、大好きです!
幸せで、溶けちゃいそうですっ……」
「いいよ、溶けちゃえリナちー。あたしが、全部受け止めてあげるから」
「ふぁ……!」
嬉しくて、安心して……私の意識は、遠のいていきました……。
「って、おーい?」
リナちーは、すぅすぅと可愛い寝息を立てていた。
心が高ぶりすぎて失神ってやつ?
ホントにあるんだね、こういうの。
「つーか、メチャクチャ恥ずかしいこと言っちゃった!
なんだよ『全部受け止めてあげる』とか、何様だよあたし!」
う わ ぁ ぁ ぁ ぁ 。
あたしは、頭抱えてうずくまった。
その前は、あたし何言ってたっけ?
あぁやだやだ、思い出したくない。
恥ずかしくて死にたくなる。恥ずか死ぬ。
けれど、それを言う原因になったリナちーを責める気にはならなかった。
可愛いって思ったのも、好きって思ったのも、あたしの本心だもんな。
起こすのもかわいそうだけど、確かリナちーは門限あった。
このまま放っておく訳にも行かない。玄関まで背負っていこう。
母さんに頼んで、車でリナちーの家まで送ってもらう事にする。
「あらあら、リナちゃん寝ちゃったのね。
ふふっ、王子様はエスコートかしら?」
「誰が王子様だ。あなたの娘ですよ。
母親が年頃の我が子に、そういう事言うかね?」
「女の子として見て欲しかったら、少しはリナちゃんを見習ってみなさい?」
「へいへい」
ごもっともですお母様。正論に生返事する。
親子仲は悪くないけど、時々変な方向であたしをいじるからな、この母。
街灯が灯り始めた夕暮れの道。
母さんはリナちーを気づかって、静かに車を走らせる。
あたしは飽きることなく、車の中でリナちーの寝顔を眺めていた。
-END-
|_ ̄)お目汚し失礼致しました。
葉っぱ天国の規約上、過激なのはNGとの事ですが、
服着たままだし、キス+アルファ程度だし多分大丈夫…だよね?
読んで頂き、ありがとうございました。
>>30
よきかな〜
この世の外ならどこへでも
人生は一つの病院である。そこに居る患者はみんな寝台を換へようと夢中になつている。
或るものはどうせ苦しむにしても、せめて煖爐の側でと思つている。
また或るものは窓際へ行けばきつとよくなると信じている。
私はどこか他の処へ行つたらいつも幸福でいらそさうな気がする。この転居の問題こそ、私が年中、同棲中のりこちゃんと談し合つて居る問題の一つなのである。
「ねえ、りこちゃん、リスボンに住んだらどうかな?あそこはきっと暖かいからりこちゃんは蜥蜴みたいに元気になるよ。あの町は海岸うみぎしで、家は大理石造りだそうだ。それからあの町の人は植物が大嫌いで、木はみんな引き抜いてしまうそうだ。あそこへ行けば、お前のお好みの景色があるよ、光と鉱物で出来上つた景色だ、それが映る水もあるしね。」
りこちゃんは答えない。
「りこちゃんは活動しているものを見ながら静かにしているのが好きなんだから、オランダへ――あの幸福な国へ行って住もうとは思はないかい。画堂にある絵で見てよくほめていたあの国へ行ったら、きっと気が晴々するよ。ロツテルダムはどう?何しろりこちゃんは檣マストの林と、家の際に舫もやってある船が大好きなんだから。」
りこちゃんはやっぱり黙っている。
「バタビヤの方がもっと気に入るかも知れない。その上あそこには熱帯の美と結婚したヨーロツパの美があるよ。」
一言も言はない。――りこちゃんは死んでいるのだろうか?
「じゃありこちゃんは患っていなければ面白くないような麻痺状態になつてしまったの?そんなになっているのなら、『死』にそっくりな国へ逃げて行こう――万事私が呑み込んでいるよ、かわいそうなりこちゃん!トルネオ行きの支度をしよう。いやもっと遠くへ――バルチク海のはてまで行こう。出来るなら人間の居ないところまで行こう。北極に住もう。そこでは太陽の光はただ斜に地球をかすって行くだけなのよ。昼と夜とののろい交替が変化を無くしてしまう、そして単調を――虚無の此の半分を増すの。そこでは長いこと闇に浸っていられる。北極光は私たちを楽しませようと思って、時々地獄の花火の反射のように薔薇色の花束を送ってくれるわきっと。」
遂に、突然、りこちゃんは口を切った。
そして賢くもこう叫んだ。
「どこでもいいわ、この世の外なら!」
良いね(・ω・`)
面白いよ。
あげ
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