時を駆けて、初恋*します。

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1:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/03(日) 16:18


*プロローグ*

出逢えたら良かった。
でも。

「私たちは出逢ったらいけなかった。すぐに、もとの世に戻れ」

私たちは逢ったらダメだった。
彼は、そう言った。

801:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 14:57

土方さんが、震えながら、

「あの薄紅色の簪・・・。総司の言ってた事件のとき、親子の母親が付けていたそうだ・・・」

ひぃ!?
まさか・・・。

「亜依ちゃんが、幽霊・・・!?」

さっきまでのルンルン気分はどこへやら。
私も、すうっと血の気が失せる。
振り返れば、もう亜依ちゃん親子の姿は見えず。

「ギャーー!」

悲鳴をあげたのは、私。
まさかの亜依ちゃんが幽霊だったなんて・・・。

「怖いです!はやくおぼん取って、帰りましょ!」

焦った私は、そのままずっこける。
足元が暗くて見えない!

「焦るんじゃねぇ!」

そう言う土方さんこそ、めちゃくちゃ焦ってるじゃないか。
私は、急いでおぼんを取って、土方さんと屯所へ駆け戻る。
着物の前がはだけるのにもかまわず。                                                   

802:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 15:11

10,ハプニングハプニング!?

ふうっ・・・。
やっとついたぁ!
気付けば、全身びっしょり。
汗か、これは。

「夏音!幽霊は、出なかったか〜・・・。・・・どうした、その格好!?」

へ?
格好??
着物と袴だけど・・・。
タイミング良く(?)土方さん到着。
着物、乱れて・・・。
って、私もじゃん!

「手が早い人は、さすがですねぇ・・・」

「許さないぜ、俺の夏音に手を出しやがって!」

あれ?
なんか、勘違いしてない?
私は、慌てて否定しようと、

「違いますって!」

と、三人の間に割り込む。
途端に、と言うか、偶然に、土方さんが斎藤さんの胸ぐらを掴もうとし、間に私が割り込んだもんだから、従って私の鎖骨あたりを掴んでしまい。
指が、下に動こうと・・・。

「・・・ギャーー!」

私の悲鳴があがった。                                                        

803:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 16:31

頬に熱を感じる。
いやいやいや・・・!
ハプニングとは言え、超恥ずかしい。
騒ぎを聞きつけてか、咲さんが来た。

「何々?夏音、どうした?」

同じ女とは言え、今は・・・。
ハプニングで、胸に・・・。
いやだぁ!
すごい照れるし、恥ずかしいし!

「・・・一さん、斬りましょう」

「だな!副長、覚悟。あんまし痛くないように、一発で斬るからな」

うぅぅ!
もう、土方さんが斬られようが煮られようが知らない!
偶然とは言え、自業自得だからね!
私は、熱を持った頬を押さえるようにして、屯所の中に戻った。                                  

804:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 16:40

11,ギスギス

うぅうぅ・・・。
気まずいよぉ。
ハプニングの元凶(?)と同室だなんて。

「おおおお、おやすみなさいっ!」

やたらに“お”が多かったけど、なんとか就寝の挨拶。
向こうの顔を見ずに、布団にくるまる。
あーあ。
咲さんと寝た方がまだマシだよ〜・・・。

「悪かったな」

突然、そんなことを言われる。
なんて顔をすれば・・・?
って、布団にくるまってるから、わかんないか。

「良いですよ、別に。ハプニング・・・偶然だったですし・・・」

確信犯なら、話は別だけどっ!
文机をあさりだい!
けど・・・。
こんな、ギスギスしてるときなんて、もってのほかだよね・・・。

「明日、何か予定ありますか?」

聞いて後悔。
副長だもの、仕事よね。

「いや、明日は、清算するだけだ」

何を?
しかし、土方さんは寝たみたい。
スースー寝息が聞こえる。

「ふわぁ・・・」

私も、欠伸。
寝とかないと明日、困るもんね。                                                  

805:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 18:22

12,恋人役

ふわぁ〜・・・。
相変わらず、眩しい朝だな。
眠い目を擦りつつ、布団から立ち上がる。

「ん〜っ!」

思いっきり伸びをして、寝間着を着替えようと帯に手をかける。
あっ!
はたと土方さんの存在に気付き、見ると。

「良かった、寝てた」

そりゃもう、可愛い寝顔でね。
スースー寝てて、S心がわく。
イタズラ・・・する暇もないな。
急いで、着物と袴に着替える。

「夏音〜。朝食食べようぜ〜」

斎藤さんが、声をかける。
でも、土方さん起こさないと。
そっと鼻を掴んで、ひたすらに待つだけ。

「・・・〜っ!っが!」

息苦しそうに土方さん、起床。
しばらく苦しそうにしてから、土方さんは私を睨む。

「やめろ!」

はいはい。
ごめんなさい。                                             

806:匿名:2017/12/23(土) 18:47

許さない。

807:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 20:54

>>806
他のスレでも荒らさないでください。
不快です。  

808:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 20:57

にしても。
箸を動かしながら、考える。
清算って、何を?

「夏音。今日、暇か」

えっ?
暇、だけど。

「都に用があるからな」

ん??
どんな用なんだ?
若干ドキドキしながら、朝食を終えた。        

809:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/23(土) 21:29

だって!
デートとかだったら・・・。
なぁんて期待する私、乙女みたい。

「簪・・・」

しーちゃんがくれた物しかないや。
でも、とっておきの宝物。
お梅さんに髪を結ってもらおっと。             

810:匿名:2017/12/24(日) 11:45

自分で髪結えないの!?クズじゃんw

811:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/24(日) 13:26

>>810
時代なので…。
仕方ないです。
ですので、クズwは、ちょっと。  

812:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/24(日) 13:28

髪が結えないのは、この時代の髪型は難しいから。
なんて。
お梅さんに習っとかないと。

「お梅さん、今度、結い方を教えてくれませんか?」

お梅さんはにっこり。

「良いわよ」

良かった。
お梅さんが優しい人で。          

813:匿名:2017/12/24(日) 16:22

あなたの小説誰も見てないよ?悲しいね〜w

814:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/24(日) 18:07

>>813
そうですか。

815:ゆかこ (ノ>_<)ノ ≡dice5:2017/12/24(日) 18:15

リリカさん私は見てますよ!!めちゃくちゃ面白いです。荒しの言葉真に受けないでください!!私リリカさんの小説大好きですよ?
あ、更新毎日楽しみに待ってます!頑張って下さいね〜!

816:匿名:2017/12/24(日) 19:37

↑だったらコメしろよまぎらわしーんだよ。あと、顔文字って古いから。

817:ゆかこ (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ dice2:2017/12/24(日) 19:51

あ、はいそうですか。
いや古いもなにも私の自由じゃないですか?なんであなたに言われなきゃなんですか?
これ以上はリリカさんの迷惑になるのでもうコメントしません。匿名さんも止めてください。
匿名さん荒い言葉使いでごめんなさい

818:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/24(日) 21:02

>>815
ありがとうございます!
はい、気にしません。
気にするだけムダですよね。
頑張ります!
  

819:匿名:2017/12/25(月) 12:44

黙れよ二次元オタクw

820:リリカ@恋歌◆Wg hoge:2017/12/26(火) 21:12

>>812

結い方がわからないと困る。
万が一───そう、万が一、お梅さんがいなくなったら。
そんなことないと、思うけど。

「頼りきりは、だめだよね・・・」

じゃないと!
馬鹿にされるもの。        

821:薫+*Mio+*◆v. 久しぶり!:2017/12/27(水) 07:52

リリカ!久しぶり!
葉っぱに来れなくなった薫です!
今はいろいろあって、書き込みできてるの。
多分、次来れるのは何ヵ月も先だけど……。
小説も、応援してる!
解フル☆もね、パワーアップさせるから!(葉っぱ来れなくなってから、手書きで別の物語書いてたんだ)
じゃ、またね!(よいお年を!)

822:リリカ@恋歌◆Wg hoge:2017/12/27(水) 11:07

>>821
薫!
おひさ〜(≧▽≦)
何ヶ月でも待ってます(*^▽^*)
解フル☆超楽しみだよ〜(*^o^*)
よいお年を〜(*´ω`*)  

823:リリカ@恋歌◆Wg hoge:2017/12/27(水) 11:14

恥ずかしながら、私、いろんな意味ですごい人との知り合いだもの。
恥かかせたくない。

「夏音、行くぞ」

はいはーい。
都に出ると、着飾った綺麗な芸子さんたちがちらほら。

「今から、人に会う。おまえは、俺の恋人役な」

はぁ!?
恋人役〜!
待ち合わせ場所(?)に着いて、少し待つと。

「歳さま、今日は何のご用で?」

はんなりとした、綺麗な女の人が現れる。
化粧もしているから、恐らく恋人。
土方さんの恋人が、私を見て固まる。

「・・・どなた?この小娘は」

ひぇ!?
いきなりドスが利いてるよ!                                   

824:リリカ@恋歌◆Wg hoge:2017/12/27(水) 18:33

土方さん、下手なこと言わないで。
この人、ヤバい目をしてるもん!

「俺の恋人だ」

「こんな、小娘が?」

ひょえ!
”小娘“のところで、憎悪が見えたような。

「悪いが、これで終わりだ」

はんなり美人、土方さんにすがろうとするけど、スルリと逃げられた。
そしたら。

「泥棒猫!人のモノを、盗らないで!!」

パシンッ。
へっ・・・。
何を、されたの・・・??                 

825:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/29(金) 10:26

ジンジンと頬が熱くなる。
やっと、気がついた。
叩かれたの〜!?
女の人は、ちょっと泣きながら、

「小娘のくせに・・・。私の、歳さまを奪うから・・・」

あはは。
痛いけど、苦笑い。
そんなに好かれてんだね。
土方さんって。

「帰るぞ」

ちょっ!?
泣いてる人が、可哀想だよ!

「先、帰っててください!私、この人送ってくるんで!!」

ハッとしたように、女の人が顔を上げる。
私は、女の人の手を取って歩き出す。
いくら何でも、放っとくのはひどいもん。                       

826:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/30(土) 08:02

13,花ちゃんに惚れられる!?

「あの、名前は?」

一応というか、聞いてみると。
女の人は、頬を染めた。
うっわぁ・・・。
かわいい!
モテるよ、この人!

「花ですっ。数えで、12」

ってことは、同い年!?
さり気なく、土方さん、ロリコン・・・。

「ろり・・・?私が、歳を偽ったから・・」

何で?
偽る必要性が?

「だって。12じゃ、相手されないもの。これも、化粧してて誤魔化してるだけ」

化粧とったら、美人だと思うのに〜。
花ちゃんが、私を見て頬を赤らめる。

「良かったら、名前を・・・」

そう言や、名乗ってなかったね。                         

827:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/30(土) 17:31

「城里夏音ですっ。よろしくお願いしますね」

ぽおっと、花ちゃんの顔が、一層赤くなる。

「夏音・・・。良かったら、お茶しない?」

振り絞るように、花ちゃんが聞く。
この後かぁ・・・。
土方さんに、先帰っててもらったからなぁ・・・。

「良いですよ、行きましょう」

花ちゃんの顔が、パアッと明るくなった。

「うれしい!私、夏音に惚れたかも・・・」

ええっ!?
それは、冗談で言ったら、だめだよ?
私、そっち系じゃないからね?                        

828:アーヤ◆We.:2017/12/31(日) 09:33

やっぱりお化け屋敷で、幽霊に会ったんだね…

それにしても2人の服がはだけたのは意外と驚いた!!!
土方さんってマジでロリコンじゃあないんだよね?
ロリコンだったらショックだよ

829:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 10:28

>>828
ありがとう!
うん、意外な形で幽霊と遭遇した(笑)
ロリコンではないよ!
たまたま、好きになった(好かれた?)子が、年下過ぎただけ(笑)      
      

830:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 10:38

14,バレる?

花ちゃんとお茶して、屯所に帰る。
帰路につきながら、お団子美味しかったな〜と、思い出す。
今度、沖田さんと行きたいな〜。

「帰りました〜」

声をかけると、奥から、

「城里ってさ、女みたいじゃねぇ?」

と、ドキリとする声が聞こえた。
嘘でしょ?!
耳を澄ませば、

「だよなぁ!」

「今度、こっそり風呂を・・・」

ヘンな事を考えているのが、聞こえる。
誰だ?
こんな、噂をたててるのは?

「夏音・・・?」

ひょあっ!?
誰!?
振り向くと、小首を傾げた咲さん。

「あのっ。噂をたててるのは、誰ですか!?」

聞くと、咲さんは奥に行って、戻ってきた。

「暇な隊士たちだ。何なら、一緒に風呂行くか?今日から」

神様仏様、咲様!
助かるよ〜!
バレるなんてことは、もうイヤだし。
何より、迷惑がかかるから。                                                     

831:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 15:54

15,双子の弟と妹!?

と。

「夏音!」

お母さん?
振り向くと、ニヤニヤ笑ってるお母さんと、緊張したような桂さん。
暇な隊士たちが、飛び出してくる。

「桂ーー!」

お母さんが、きょるーんと色目を使って、

「今日だけ、桂さんを捕まえないで」

バカな隊士たちは、あっさりノックアウト。
で?
知らせって?
そう言えば、ちょっとお腹、膨らんでない?
食べ過ぎ?
ダイエットしないとね。

「違うわ。なぁんとね!」

何?
ヘンな予感。

「あなたに、双子の弟と妹ができたのよ!」

・・・・・そのときの心情は、書ききれないくらい。
五秒くらいして。

「はぁぁぁぁ!?」

私の、絶叫と言うか悲鳴が、屯所に響いた。                           

832:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 18:13

「名前は、雪哉と、香里ね」

はぁぁぁぁ!?
現実味がないと思ってたけど!
名前まで!
お母さんは、愛おしそうな、慈しんでる目で、お腹を撫でる。

「雪哉、香里。元気に、生まれてきてね」

ズキッ。
変なの・・・。
私に、そんな目を向けてないのに。

「でもさ、私と父親が違うよ?私・・・」

うまく接することができるか、わかんないのに。
って、言いたかった。

「大丈夫よ?そんなこと気にしなくて良いわ」

カッチーン。
そんなこと・・・!?
お父さんが違う、重大な問題だと思うのに。

「・・・あっそう。私、その子たちに会いたくない。頑張ってね」

他人事のように。
淡々と言い放てば、お母さんたちが固まった。
私は、くるりと踵をかえして、土方さんの部屋に向かった。                               
              

833:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 18:21

16,喜べない理由

そっと部屋の戸を開ければ、土方さんは留守だった。
良かった。
居たら、困る。

「はぁ・・・。変なの・・・」

お母さんと桂さんに子供ができると言うのに。素直に喜べない。
喜べない理由、か・・・。

「お父さんの事、なのかな」

私にとったら、雪哉と香里は、異母兄弟になる。
私が、居たたまれなくなりそうで・・・。

「・・・喜べないよ・・・」

ちょっと涙が、盛り上がってきた。
世界がゆがんで見える。

「夏音さん?帰ったんですか〜?」

わっ、沖田さん。
そう言や、顔を見てなかった。
目尻の涙を拭って、部屋を出た。                               

834:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/01(月) 11:07

こんなこと見せちゃいけない。
私は、ニコッと笑った。

「ただいま、沖田さん」

沖田さんが、不思議そうに見る。
ドキイッ!
泣いてたの、バレた?

「そこで、夏音さんの母上と会ったんですが。どうしたんですか?」

はぁ・・・。
お母さんの名前を聞いたら、またじわっと涙が盛り上がってきた。

「夏音さん?聞きますから、部屋に入りましょう」

ぐすっと涙を拭いて、沖田さんの部屋に入った。
私は、雪哉と香里の事、父親が違うことを話した。
話してるうちに、また悲しくなってきた。

「どう、せ。私だけ、お父さんが違う。結局、雪哉と香里も大きくなったら、わかるよ。そしたら、私は・・・一人」

あんな目を私に、向けたことなんてないのに。
もう涙すら出なくなった。                                                   

835:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/01(月) 12:51

今更ですが、新年明けましておめでとうございます。
今年も、こんな駄作に目をかけてくださるとうれしいです!
よろしくお願いします!

         ☆

やっかんでるし、そんな自分が嫌だ。

「どうぞ嫌いになってください。私、生まれてくる妹たちが嫌いな、心が狭い女ですよ」

いっそ、大嫌いと言っても良いかもしれない。
そんなことを求めるのも心が狭いからかもしれなくて。

「嫌いになんて、なれないですよ。好きな女の子を、嫌いになんてならないです」

ありゃ、ちょっと怒ってる?
と・・・。

「総司、時間だ」

戸があいて、土方さんが顔を覗かす。
私がいるのに驚いたのか、眉をはね上げる。

「夏音は、部屋に戻るか平助といろ」

ええっ!?
どこか、出かけるの?

「はいはーい。やりたくないですよ・・・」

沖田さんが、愚痴をこぼす。
ん?
何を、しに行くんだろ?       
                                            

836: アーヤ◆TQ:2018/01/01(月) 15:14

またやらかしたけど、どうなる?

夏音を一番大切にしてあげてまだ小さいけど中身はちょっとだけ大人なだけで本当は寂しいってこと気付いてあげて産まれるこにもだけどもね……

837:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/01(月) 17:09

>>836
ありがとう!
お母さんちょっと鈍感だからね。 
夏音も大人びているせいだからかね?
本当は寂しがりだしね…。      

838:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/01(月) 17:18

17,悪い予感

仕方なく、部屋を出て、藤堂さんの部屋に。

「藤堂さん〜?」

ガラッと開ければ、藤堂さんの他に、永倉さんと原田さんがいた。

「どうした?夏音」

あっ!
お菓子食べてる!
ズルい。

「暇です!それと、夕食前はお菓子食べないでくださーい。私が、もらいます」

「あっ!とるな!それ・・・」

言いかける前に、私はお菓子を取り上げる。
ん〜っ!
美味しい〜!

「近藤さんのだぞ」

げっ!
近藤さんの!?
勝手に!? 
食べてるの!?                                 

839: アーヤ◆TQ:2018/01/02(火) 08:46

夏音の行動が少しだけなんだけど、やっぱり何か仕出かす夏音って感じだね……😅
さすがあの自己中の親の娘だね……😅

840:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/02(火) 10:26

>>839
ありがとう!
うん、なんか仕出かすよ‥(苦笑)
さすがと言うか、親がアレだしね…(*_*;     

841:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/02(火) 10:37

原田さんが、

「ちょっと用があるから、行くな」

と、部屋を出る。
用?
うーん。
沖田さんと、どっかに行くのかな。

「いーなー、遊郭かよぅ。行きたいな〜」

藤堂さん、永倉さん・・・。
女好きだねぇ・・・。
ってか、風呂入ろうかな。
咲さん、いるかなぁ・・・?

「ちょっと、お梅さん、探して来ますね」

八木邸に向かって、外へ出る。
寒い・・・。
でも、悪い予感がする・・・。
なぁんて思うのは、沖田さんたちが居ないからかな・・・。  
    
                 

842: アーヤ◆TQ:2018/01/02(火) 10:47

その悪い予感が悲しい結末じゃあない方向になら良いって思う。

もう少しで切ない方向に行くっていう感じだから800いっているからね😣

843:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/02(火) 12:06

>>842
ありがとう!
ちょっと悲しい結末かな…。
800内で、主な事件を書ききれると良いな←書ききらないとダメだな。          

844:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/02(火) 12:19

18,終焉

あれ?
八木邸の戸を開けて、不審に思う。
いつもなら、何かしら声がするのに。

「お梅さん・・・?」

用事かな?
一室の扉を開けると。

「ぁ・・・キャーーーー!」

目の前に広がっていたのは。
血の赤。
いや、赤黒い血が、そこら中に飛び散っていた。
そして、部屋の中に横たわっていたのは・・・。

「お梅さん・・・芹沢さん・・・!?」

血まみれの芹沢さんと、首の皮一枚で繋がっている、お梅さん・・・。
嫌だ嫌だ、こんな変わり果てたお梅さんの姿なんて!

「いやーーーーーーーーー!」

でも、もっと衝撃的だったのは。

「ぁ・・・あっ・・・なんで・・・」

返り血を浴びたのか、真っ赤に染まった沖田さんたち─────────。                                
         

845: アーヤ◆TQ:2018/01/02(火) 14:38

新撰組も浴びたの!!?

846: くろーばー ◆Ms:2018/01/02(火) 14:51


 ……やっぱ、すごい……リリィ凄いよ!!これからもq(*・ω・*)pファイト!


847: アーヤ◆TQ:2018/01/02(火) 17:05

真っ赤に染まった沖田さん達ってことは、土方さんに斉藤さんだね

848:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 07:49

>>845
ありがとう!
実行犯(?)みたいなモンだし……。

>>846
ありがとう!
むぅも頑張ってね!
小説応援してますp(^-^)q

>>847
斎藤さんは……どうかな? 
いたりいなかったり(←どっちだ)だし。             

849:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 08:00

私も、みんなも何も言わない。
いや、言えない。

「・・・・何で、ここにいる?」

土方さんが聞く。

「お風呂、お梅さんと入ろうかなって・・・」

あぁ、また泣いちゃう。
お梅さんを思い出して。
それと同時に、ムラムラとした怒りがこみ上げてきた。

「あなたたちは・・・鬼なんですか?・・そりゃ、芹沢さんも悪いところはありましたよ、でも・・・」

暴力(?)で片付けるのはひどい。
そして、何よりも。

「関係ないお梅さんを、巻き込まないで・・・ほしかった」

色んな感情が、はじけてきている。
雪哉と香里の事、今のお梅さんの事────。
お梅さんの体を触っても、ひんやりと冷たくて。
その顔も、白く生きている感じではなかった。

「今回の事は─────」

誰かが、口を開く。
途端、私の中でプツンと何かが切れた。

「人の命をないがしろにした、あなたたち、鬼の仕業でしょう!?」

そして、私は外に飛び出した。
もう、どこに行って誰を頼れば良いのか、わからない。
そこから先の記憶は、途切れてしまった。                                 
                                           

850: アーヤ◆TQ:2018/01/03(水) 09:43

確かに度が過ぎている感じだね……😅

夏音はもう沖田さんと、土方さん達にはどう接して良いのかもわからないままなのかな本当に怖いね二人はね……・゜・(つД`)・゜・

851:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 10:35

>>850
ありがとう!
今、すごい困惑してるし、接し方も変わるかな…?
いろんな意味で怖いよね(*_*;     

852:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 10:48

19,価値観の違い

記憶が戻ってきたのは、約二日後。
気付けば、布団の中にいて。

「・・・・あ。私、どこに行ってたの・・」

ふと、視線に気がつく。
振り向けば、困ったように笑っている、斎藤さん。

「夏音、雨の中、長州藩邸まで行ってたらしいぞ。最終的には、総司が見つけたが」

「は、い・・・」

結構遠くまで、走ってたのか。
どうりで風邪っぽい。
未だに頭に残ってるのは、お梅さんの悲しい姿。
価値観の違いが、なんとなくわかってしまった。
みんなにとったら、命なんて終わってしまえばそれだけ。
でも、私は・・・。
命が大切だと、学校で教わったから。
今も、泣いてしまうのだろう。

「少し、寝ますね。あと、良かったら部屋を変えたいです」

それだけ言って、私は寝返りを打って斎藤さんに背を向けた。
──────今は、鬼の姿すら見たくなくて。                                                           

853: アーヤ◆TQ:2018/01/03(水) 14:39

本当に変わっている感じが,見えるよ

沖田さんsideと土方さんsideの二人を見てみたいです。

854:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 16:16

>>853 
ありがとう!
ちょっと悲しいよね……。
沖田さんside書くね。    

855:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 16:24

20,鬼 ※沖田side

「ぁ・・・あっ・・・なんで・・・」

耳慣れた声が、聞こえる。
今、一番聞きたくなかった声なのに。

「何で、ここにいる?」

土方さんが聞く。
聞けば、お梅さんと風呂に入ろうか決めかねていたと言う。 
鬼、か・・・。
畏怖を抱かれても、仕方ない。

「人の命をないがしろにした、あなたたち、鬼の仕業でしょう!?」

言われた。
途端に、夏音さんが飛び出した。
考える前に、体が動いていた。
夏音さんの手を捕まえる。

「離して!」

拒絶されて、仕方ない。                         

856:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 21:13

スルリと、白い手が離れる。

「駄目だ。此処から逃げたら、夏音さんは切腹しないといけない」

それを言ったら、やっと夏音さんが落ち着いた。
と、思ったら。

「いやーーーー!」

逃げられた。
見ず知らずの京だと言うのに、夏音さんは走っている。
長州藩邸近くにつき。

「離してよっ!あんなの、ひどいよ・・・」

微かな吐息とともに、そんな言葉が漏れた。
それには、答えられなかった。

「ぅっ・・・あっ・・」

必死に、言葉を紡ごうとしている夏音さんの目尻には、涙が浮かんでいた。
そんな姿が、愛しく思えて。
ぎゅっと、抱きしめた。
腕の中で、震える夏音さんの温もりを、感じながら。                                             

857:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/04(木) 13:49

21,それでも好きだから

んっ・・・。
眠りから目覚め、体を起こす。
ちょっとさっぱりできたかも。

「あっ、夏音!」

斎藤さん・・・。
私は、明るく笑って、

「ありがとうございます。よく、寝れました」

斎藤さんが耳まで真っ赤になった。
ふふふ。
可愛い・・・。

「お茶、汲んでくるからな」

はーい。
少し待つと、斎藤さんがお茶を持ってきた。
あったかい・・・。

「斎藤!城里は、目覚めたか?」

あっ・・・。
聞こえてきたのは、土方さんの声で。
斎藤さんが、機転を利かせて、

「いや、熱っぽいんでまだ寝てます」

と、答える。
ナイス、斎藤さん!

「・・・そうか」

あれ?
なんか、がっかりしてない?
でも、今だけでも土方さんと沖田さんには会いたくない。                                      

858:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/04(木) 17:08

「・・・答えにくいかも、しれないけどさ。夏音は、総司が嫌いに、なったか?」

ん〜・・・。
的確に、答えられない質問だね。

「・・・どうでしょうね。怖かっただけ、で。完全に、嫌いにはなれません」

事実だった。
恋愛って、先に好きになった方の負けだと思う。
だって、嫌いになれないもの。

「・・・また、こんなことがあっても、か?」

うーん。
でも・・・。

「それでも好きだと思います。・・・初恋の人ですから」

うわっ、思い切り恥ずかしいことを口走っちゃった!
だけど、言ったとおりだ。

私は、どんなことがあっても沖田さんが好きだから────────。                                        

859:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/05(金) 08:34

22,剣術の稽古と師匠?

ちょっとセンチメンタルな気分だったけど、それはすぐに消えた。
だって、私も剣術の稽古をする事になったから。

「師匠は、今の俺らは忙しいからさ。京都見廻り組の佐々木さんが受けるってさ」

へぇー。
斎藤さん、不機嫌そうだね。

「当たり前だろっ。どこの馬の骨に夏音を奪われるかひやひやするだろ!」

えっと・・・?
まあ、そんなことはないと思う。
とか言い合いながら、稽古場についた。
練習している人たちに迷惑をかけないよう、かいくぐりながら、佐々木さん(らしき居心地悪そうな人)のもとに。                                             

860:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/05(金) 10:32

「弟子(?)になる城里夏音です!」

ペコンッと礼をすると、佐々木さんが照れたように顔を背ける。
そして、私を二度見する。
なぜ!?
変なもの、ついてた!?

「・・・可愛い」

はぁ!?
可愛い!?
・・・って、それよりも。

「さっそくお願いします!」

「ああ」

ってなことで、木刀を持ってみたけど・・・。重い!
何コレ!?

「素振りを100回」

ええっ!?
素振りを100回!?
無理だよ〜!                   

861:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/05(金) 14:37

「99・・・100!」

あーっ!
やっと、100回!
疲れたぁ・・・。

「次。切りかかってみろ」

はぁ!?
佐々木さん、あなたは鬼ですか・・・?
こぉんなに疲れてるのに・・・。
ん、でも。
やってやる!

「たぁっ!」

恐る恐る、佐々木さんに切りかかるけど、あっという間にかわされて、気付けば倒れていた。

「腰が引けている。立て」

ひゃあ!?
んんん・・・。
佐々木さんが、私の後ろにまわって、木刀を持つ。

「こうやって、やれ」

うんっ!
わかったけど、汗臭い〜・・・。
その日の練習は、夜遅くまで続いた。                     
    

862:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 08:44

23,藤子おばあちゃんが来る!?

疲れたぁ・・・。
お風呂もあがって、ふとそんなことを思う。
慣れてきたけどね、幕末(ここ)での暮らし。

「たいへーん!夏音〜」

うぁ!?
お母さん!?
どうしたの、そんなに慌てて。

「お義母さまが来るって、手紙が届いてたのよぅ!」

ええっ!?
藤子おばあちゃんが!?
おばあちゃん、メールじゃなくて手紙をしたためる、古風な人なんだよね〜。

「って事で、いっぺん現代に戻るわよ!」

うんっ!
じゃないと、

『あら、茜さん。もしかして、手紙を見ていない?ごめんなさいねぇ。メールじゃなくて』

とか、皮肉る。
絶対!
まぁ、嫁姑だからね?
そんなバトルがあるのは、知ってたけど。

「めんどくさいから、一斉に行くわよ!」

はい!?
一斉に行く!?
どういうことなの!?

「いつものメンバーとよ!」

あぁ・・・。
なら、問題じゃないか。
ピカッとあたりに光が差して、強い風に煽られる。
そして、沖田さんと土方さんと仲直りできないまま、現代に。                                                
           

863:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 08:55

あとがき

はい!
J完結です。
あっという間に終わった気が・・・毎回ですけどね。

新キャラ登場!
にしても、すごい鬼だなぁ〜・・・。

そして!
お梅さんと芹沢さんとの別れ。
作者的には、ちょっと悲しいですけど、物語としてやっとここまで来れたような気がしてます。

史実では、9月の16日あたりですね(粛正が)。
物語では、そこらへんやんわり通り過ぎてるので、気になった方はぜひ調べてみてください。

では、Kの詳しい情報を。←

舞台は現代。
藤子おばあちゃんによって、夏音の婚約者(?)が判明?
嫁姑バトルあり?
そして、仲直りとついに沖田さんと恋人に!?
(?多いな)

とまあ、楽しみにしていてください!
では、Kで会いましょう!

        リリカ      
                                    

864:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 13:39

『時を駆けて、初恋*します。』K

登場人物(今回主要な人物だけに絞ります。)

城里 夏音
主人公。
明るく優しい。
沖田さんに恋してるが、婚約者がいるらしい?

沖田 総司
新撰組隊士。
優しく剣術以外では穏やか。
剣術に関すると変わる。
夏音が好き。

土方 歳三
新撰組副長。
ドS。
夏音が好き。

斎藤 一
新撰組隊士。
明るい。
夏音が好きで、よく相談に乗ったりする。

城里 茜
夏音の母。
お茶目でよく、タイムスリップする。
破天荒。

城里 藤子
夏音の祖母。
茜の義母。
茜と悠(夏音の父、茜の夫)の結婚を未だに認めていない。
城里本家の長。

倉知 琥珀
藤子公認の、夏音の婚約者(?)。
まっすぐな性格。
悠の昔の研究仲間。                  
     
                                          

865:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 13:47

1,藤子おばあちゃん 

わあっ。
懐かしいな、現代。
相変わらずソファには鈴ちゃん。
あきないねぇ〜。

「夏音!何か、変なところない?」

お母さんが珍しく、着る物にこだわる。
斎藤さんが、不思議そうに、

「どうしたんだ?」

と、聞く。
それで、藤子おばあちゃんが来る事を言うと、

「そんなに怖いのか?」

うんっ!
そりゃ、もう。
年がら年中和服だし。
スマホとか、そう言う俗っぽい(おばあちゃん曰わく)モノは持たない主義らしいし。

「前なんか、いとこの夏帆ちゃんが礼儀よくなかったから、叱りつけてたし・・・」

厳密に言えば、夏帆ちゃんが悪いんだけどね。
まあ、人一倍作法に厳しいわけで。

ピーンポーン

うわっ!
おばあちゃんが来たよ!
私が、玄関のドアを開けると。

「こんにちは、夏音ちゃん」

あっ。
倉知さん。
倉知さんの後ろには、銀縁の眼鏡(老眼鏡?)の髪をお団子にまとめて髪を一房だけ藤色に染めたおばあちゃんがいた。                                                           

866: アーヤ◆TQ:2018/01/06(土) 15:14

沖田さんが拒絶されてショック受けたの、たぶんこれで二回だよね……
そして沖田さんと土方さんが喧嘩って想像すると何とも言えない恐ろしく怖いよ😣

867:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 17:51

>>866
ありがとう!
たぶんね。
まあ・・・結果を考えたら・・ねぇ?
ちょっと怖いよね(笑)   

868:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 18:07

おばあちゃんは、藤色の和服を着こなしている。
白髪と似合ってるって言うか・・・。

「夏音、茜さん。お邪魔しますわね」

おばあちゃんと倉知さんは、ちょっと礼をして上がる。

「それでね、茜さん」

話し方は柔らかくて優しいけど、目つきが鋭い。
怖い。
嫁姑バトル始まる!?

「話というのは、城里本家の後継ぎについての事です」

「はっ、はあ」

お母さんとおばあちゃんの間の、緊張感が、増す。
ここでといっては何だけど、沖田さんたちには、私の部屋にいてもらっている。
おばあちゃんは、私が淹れた紅茶を飲む。
すごい優雅〜。

「・・・悠が生きていたなら、話すこともなかったでしょうね。・・・以前から、進めていたでしょう?倉知さんと夏音の婚約話」

私も、有り得ないって思ってた。
フツウの女の子で、好きな人と結婚できるって。
でも、いろんな偶然が重なって、婚約者ができて。

「・・・付け足しがあるの。夏音と倉知さんの正式な婚約は、16と決めていたでしょう?」

まさか、縮むとか?

「18に決めたの」

なぁんだ。
延びたんだ。
それだけ?

「そして、これは関係ないわ。私、健一郎さんと喧嘩したの。しばらく、お世話になるわ」

ええっ!?
家に住むの!?

「ちょっと待って!おばあちゃん。家に、もう一団体住んでる人たちがいるの!」

おばあちゃんの目が、キラリと光った。                                                                                           

869: アーヤ◆TQ:2018/01/06(土) 18:17

もしかして夏音ってお嬢様育ち?
婚約って大きく行ったね……

870:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 21:15

>>869
ありがとう!
お嬢様っていうか・・・華道の家元だったりするからね(笑)
ストーリー展開が難しくなるね←無責任な       

871: アーヤ◆TQ:2018/01/06(土) 21:20

私も更新しました

872:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 21:25

2,私の彼氏審査!? 

「夏音、この人たちで全員ね?」

おばあちゃん・・・。
厳格かと思ってたけど、案外男好き?
だって、こぉんなに目をキラキラさせてるの初めて見たし・・・。

「では、夏音の彼氏審査を始めます」

ええっ!?
彼氏審査・・・!?
何それ!?
ってか、倉知さんの立場ないよ!?

「いいよいいよ、夏音ちゃん。僕は、待ってるから」

いや、そーいう問題じゃ・・・。
そんなんだったら、婚約者いらないよね!?

「いるわ。結婚を確実にするために」

確実にするために・・・?
それって・・・。
おばあちゃんが、

「茜さんじゃあるまいし。男っ気ないから。ちゃんと結婚できるかわからないじゃない」

ほほぅ。
って、さらっと皮肉ってるね〜・・・。
お母さんしょぼーん。

「とにかく。始めるわ」

いやいや!
とにかくじゃなーい!
おばあちゃん、ちょっと楽しんでない?
口元が笑ってるし。
ん・・・。
まぁ、イケメン見てニヤニヤしない方が珍しいし・・・。

「でも、おばあちゃん。何も、私にこだわらなくても。お母さんのお腹に、雪哉と香里って、弟と妹がいるのに」

あっ、やっちゃった。
爆弾発言。
その瞬間、ただでさえ冷え切っていた空気が、さらにピキンと凍った。                                                                       

873:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 21:25

>>871
楽しみだよ! 

874:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/07(日) 11:06

3,恋人になりたい

お母さんとおばあちゃんのバトルを横目に見つつ、ぼうっと考える。
彼氏=恋人かぁ・・・。
そんなこと、考えたことなかったなぁ。
でも、私と沖田さんって両想いだよね!?

『両想い=恋人だよっ!』

って、優衣香ちゃんいつか、言ってたし。
だけど、変だよね?
恋人らしいこと、してないし・・・。
よし。
優衣香ちゃんに電話して、聞こう。

プルルル・・・プルルル・・・

何コール目かに、ガチャッと音がして。

「はーい。坂下です」

優衣香ちゃんだ!

「こんにちは、城里です!」

途端、優衣香ちゃんの声が明るくなった。

「なぁんだ。夏音ちゃんか。で、何か用?恋のお話なら、私が聞くよ」

ほっ。
優衣香ちゃん、聞く気満々だ。
そして、私の両想いだけど恋人じゃないはどういうことなのか、聞くと。

「うーん・・・。優衣香にも、わかんないし、あんまりいい答えとは言えないけど」

と、優衣香ちゃんは断ってから、

「夏音ちゃんから切り出せば?両想いなんだし、おかしくないよ」

ほえっ!?
私から・・・。
恥ずかしくないっ!?

「大丈夫!あっ、優衣香、これから兄貴の試合見に行かないとだから、とりあえずガンバ!」

ええっ!?
無責任な!
私は、優衣香ちゃんに礼を言い、電話を切った。                                                                                               

875:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/07(日) 13:48

無理でしょ〜!

『私の、恋人になってください♡』

で、上手くいったら良いけど・・・。
もしも・・・。

『無理です』

なんて言われたら!
大ショックなんてモンじゃない!
私、生きてけるかわかんない。

「優衣香ちゃん・・・。無理無理!沖田さんに恋人になってほしいなんて、言えるわけないよ〜・・・」

あっ、声に出しちゃった・・・。
みんなが、こっちをみるのがわかる。
私は、恥ずかしくなった。
うわぁん!
これぞ、顔から火が出るよ〜。
でも・・・。
言うにしたって、仲直りしてなくない!?

「ん〜・・・。どうしよう・・・」

私は、悪くない・・・よね?
お梅さんたちを斬ったのは、向こうなんだし。ちょっと釈然としない。
ん。
よしっ!
私から、声をかけよう。
そしたら、どうにかなるでしょ。                                                

876:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/07(日) 19:49

4,仲直り

・・・とか、思ったものの!
どう、切り出せば・・・?

「あのっ。ちょっと、話したいことが・・」

よしっ!
まずまずの切り出し方じゃない?

「・・・はい、良いですけど」

あれ?
間があったよね。
もしやの・・・!?
嫌われちゃった、とか!?
ええっ!?
そんなのだったら・・・。
ううん、妄想しない!
ポジティブに考えよっ。

「あのですね・・・。こないだの、お梅さんのことで・・」

ビリッと空気が震えた気がした。                     

877:萌恵◆1w:2018/01/07(日) 21:23

面白い(^o^)/~~~
頑張ってください!

878:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/07(日) 21:27

>>877
ありがとうございます!
萌恵さんも頑張ってください!
(萌恵さんの小説、毎回チェックしてるなんて言えない…)     

879:萌恵◆1w:2018/01/07(日) 21:37

>>878聞こえてるぞっw(▼∀▼)
今からかくんで、何十分後かには出します(^o^)/~~~

880:アーヤ◆PY:2018/01/08(月) 09:15

早く沖田さんと土方さんとも仲直りして欲しいけど、どうなるのかが心配です。

881:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 10:46

>>879
バレたかw
楽しみで〜す!

>>880
ありがとう!
なんか別の意味で、バトル勃発するかもしれないし(苦笑)      

882:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 10:53

ああ・・・。
言いにくい・・・。
土方さんも呼んだら、なおさら!
言いにくい!
あぁ、もう。
ツンデレで行くっきゃない。

「・・・許してあげても良いですよ・・」

我ながら悲しい〜。
超!
上から目線だしっ。
嫌われても、仕方ないよね〜・・・。
半分自分に呆れ、半分悲しくなりながら、うつむくと。

「良かった」

えっ・・・?
最初、聞き間違いかと思った。
恐る恐る見上げると、笑ってる二人の顔。

「清々しいな」

ええっ!?
あんな、超!上から目線で!?

「嫌われたかと思いましたし」

ええっ!?
私と、同じこと!?
驚愕すること約2分。

「クスッ・・・」

私が吹き出したのをきっかけに、三人で笑った。
仲直り完了!
気分がすっきり。
これから、いつも通りに話せるよね。                                                 

883: アーヤ◆TQ:2018/01/08(月) 11:06

良かった,良かった三人が仲直りしていつもの関係が戻って良かったよ。
でも沖田さんsideも仲直りする直前前から仲直りしたあとを見てみたいかな!

884:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 14:34

>>883
ありがとう!
やっと、仲直り完了!
沖田さんsideは番外編で書くね〜!     

885:アーヤ◆PY:2018/01/08(月) 14:41

私も二作品の小説書けました。

「思春期シンデレラ」は時折更新しているけど、「物知り」が曖昧に更新しているのを今日やっと更新しましたのでみてね

886:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 14:50

5,何気ない幸せ

はぁ・・・。
すごい、嬉しい。

「だからやはり!私が夏音を引き取ります!」

「お義母さまと言えど、譲れません!」

お母さんとおばあちゃんのバトルも、耳に入らない。
仲直りできた〜!
その感慨に、ふけっている。

「怖いな、夏音のおばあさまは・・・」

「夏音と似ていてな」

はっ!?
今、失礼なことを言ってない?!
私は、原田さんを睨んだ。

「おばあちゃんと似てないわよ!」

ひいっと原田さんが悲鳴。
んー、気性が激しいって、言いたかったの?
・・・どっちにしろ失礼には違いない!

「夕食抜き!決定!」

反論が飛ぶけど、笑って無視。
自業自得じゃない?
何気ない幸せだって、思う。
仲直りしてなくても、楽しいとは思えるだろうけど、心からは笑えてないと思う。

「すいませんでした!」

土下座された。
さすがに、考えないといけない。

「よろしい!夕食抜きはなし!」

歓喜の声が、原田さんからあがった。
こんな時間が、続けば良いのにな・・・。                                    
  
   
                  

887:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 14:51

>>885
うん!
すごい楽しみ!
掛け持ち、これからも頑張ってね!    

888:アーヤ◆PY:2018/01/08(月) 15:08

似ているってまあね

889:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 16:45

>>888
ありがとう!
まあ、祖母だから、似てるっちゃ似てるかな?
気性が激しいところとか(しっかり者とか)?        

890:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 16:52

6,久しぶりの学校

翌日。
わぁ、明るい。
日の光が差して、綺麗。
朝ご飯の用意と、学校の準備をした。

「はぁ。久しぶりの学校かぁ〜・・・。この間の学祭以来で、懐かしいな」

女装コンテストの結果と、女装した土方さんを思い出して、ニヤニヤ笑ってしまう。
ぐうぐう眠ってる遅起きのみんなを見ながら、
朝ご飯を食べた。
幕末(あっち)での日頃の疲れとか、あるのかも。

「可愛いなぁ・・・」

寝顔が。 
癒される。
微笑ましく思いながら、

「行ってきまーす」

と、小声で、言って、学校へと向かった。               
                           

891:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 17:02

もう10月か。
学祭で忙しかったけど、この時期、桜星学園のメイン(?)イベント、桜星集会がある。
学年でわかれて、それぞれ劇や、コントをして競い合う。
奇数学年と、偶数学年にわかれてね。

「今年は、6年としてふさわしい、日本の古典をもとにした、劇または、コントをしようと思います」

おおっ。
桜木先生の言葉に、さっそくみんながわいた。ちなみに、今は学年集会中。

「何か、良い意見はありますか?」

「ハーイ!」

ええっ!?
もう意見が?
陽菜子ちゃんが、ニコニコと、

「『かぐや姫』をテーマに、アナザー『かぐや姫』をしたいと思います」

アナザー『かぐや姫』ね。
良いね。
その後、大した意見もなく。

「では、今年は、アナザー『かぐや姫』に決定します。シナリオは、陽菜子さんお願いします。かぐや姫役は、推薦などでも良いです。もちろん、やりたい人も、応募してくださいね」

桜木先生の言葉で、学年集会は締めくくられた。                                                                                   

892:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 18:43

7,アナザー『かぐや姫』に立候補!?

「一応、ミュージカル風にしたいんだよね」

休み時間。
陽菜子ちゃんの席に集まって、話す。
シナリオ作るのも、大変だろうね〜。

「アナザーだから、男女逆転とかは?」

珠希ちゃんが、案を立てる。
男女逆転?
面白いかもっ!

「つまり、求婚するのが女子で、『かぐや姫』が男子ってこと?面白い!もらったわ!」

だよね〜。
かぐや“姫”にはならないけどね。                              

893:萌恵:2018/01/08(月) 19:10

おー、お疲れ様です!

次がきになる(^o^)

894:アーヤ◆PY:2018/01/08(月) 21:39

新たなる物語の展開に入ったよ‼️

895:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/09(火) 18:19

>>893
ありがとう!
萌恵さんも頑張ってくださいね!

>>894
ありがとう!
新展開になったかも!
頑張るね!  

896:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/09(火) 18:25

昼休み。
『かぐや姫』のオーディションがあるらしい。
私は、立候補するつもりは・・・。
桜木先生が、ニコニコと笑んだ。

「あら。城里さん。オーディション、行きましょう」

ええっ!?
私、立候補してないのに!?
と・こ・ろ・が!

「あらぁ?推薦されてるわ」

ええっ!?
誰が・・・。
思い当たる人物が4、5人ほど。
あいつらめ!

「オーディション、一緒に行きましょう?」

ううう・・・。
先生も陽菜子ちゃんたちも意地悪!      
     
                 

897:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/09(火) 20:02

8,かぐや姫(皇子?)は誰?

「城里です。精一杯頑張ります、望む役は、求婚者5です」

私が言うと、まばらにパチパチと拍手。
女子は少ないな〜。
審査員は、皮肉なことに陽菜子ちゃん。

「ハーイ、夏音ちゃん決定、次・・・。蓮井くん」

あっさり!?
求婚者5、かぐや姫の望むプレゼントをゲットできず、怪我で亡くなった、唯一かぐや姫の心動かした人物だ。

「蓮井です。望む役はかぐや姫です、頑張ります」

廉!?
まさかの、かぐや姫!?
んん〜。
悪くはないよね、美形だし。

「イケる!蓮井くん決定!じゃ、台本作り次第渡すね」

陽菜子ちゃん・・・。
超!ウキウキしてるね・・・。
まあ、私も楽しみだし!
今年最後の桜星集会、頑張るぞ〜っ!                                                    

898:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/09(火) 21:19

9,私は天然?

ふぅ・・・。
1日の授業が終わって。
ひとつ溜め息。

「疲れた・・・」

気のせいか、寒い。
悪寒?
まだ冬じゃないのに。

「じゃあね、夏音!」

あっ、莉子ちゃん。

「goodbye、夏音」

ノンネちゃん。
みんな、元気だね・・・。
ちょっとフラフラしながら、なんとか帰宅。

「ただいま〜・・・」

頭痛い。
お薬飲まないと。
ん?
なんか、騒いでない?

「好きな女の好み、変わってるよな〜。副長は」

はいっ?
なぜに、土方さんの好みが疑われてるんだ?
んー、気になるけど入らないと。                                 

899:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/10(水) 17:43

あわゎ・・・。
世界がぐるりと回って見える。 

「た、ただいま〜・・・。ごめんなさい、ちょっと寝ます・・・」
 
倒れ込むように、ソファに寝転がる。
熱い。

『夏音さん・・・』

あれ?
沖田さん?
もしやの、もしかして!

「私、大好きです!恋人になってください!」

待ちきれないもん。
ところが、耳に入ってきたのは。

「・・・斬ります!」

地の底から聞こえてきそうな、怒声。
ええっ!?
そんなに、気に入られてないの?
重い瞼を必死に持ち上げると。

「相手、間違えてるな〜」

「寄りによって副長かよ」

ええっ!?
私・・・。
間違えた?!
寝言なのに!? 
                             
       

900:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/10(水) 21:21

しっかり見ると、私は驚いてしまった。 
だって・・・。
私、抱きついてたもん。 
思い切り、土方さんに。

「夏音さぁ、天然?」

イヤーッ!
そんなの、断定しないでよ!

「すいません。・・・あっ、ご飯」

作れるかな?
だるいし。
頭痛も激しくなってくる。

「ごめ、なさい・・・」

微かに、言えた。
私は、重い瞼を閉じた。
はやく、元気になってご飯作らないと、と思いながら。

───────────────────
はい。
リリカです。
あっという間に900!
終わるかな?
終わる気がしな((殴
はい、これからもよろしくお願いします。
頑張ります(*´ω`*)                                  

901:萌恵:2018/01/10(水) 22:01

頑張れー!
自分のやつも、ちゃんとやらないと…。

902:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/11(木) 17:13

>>901
ありがとう!
萌恵さんも頑張ってね! 

903:萌恵◆1w 色々大変。:2018/01/11(木) 17:31

ん、今からかいてみようかな(*ゝω・*)ノ

↑調子に乗る

904:瑞◆MIZU/j3v.s:2018/01/11(木) 17:34

リリカ久しぶり!ルナだよ〜!
一番進んでるのはリリカの小説だな!
9月から始まったのにもう!?って思ったな!リリカにはたくさんのファンがいて良いね!私なんかネタ切れで終わりだからね……(笑)
新作楽しみにしてます!

905:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/11(木) 19:59

>>903
頑張って!
ファイトp(^-^)q

>>904
ありがとう!
だよね、4ヶ月、弱?ぐらいだよね。
あっという間過ぎて感覚なしっ!(キリッ)
いやいやいや!
瑞の小説もファン多いから!
絶対に多いよっ!
ネタ切れ、よくある〜。
ありがとう!
新作も、頑張るね。
瑞も頑張ってね!
応援してます!                  

906:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/11(木) 20:07

10,来世の記憶?

『・・・巡り逢えた』

誰?
この、優しい声は。
沖田さんなの?
でも、私は夢を見てるハズ。

『やっと・・・。もう、離れない』

ふぁ?
やっぱり、沖田さんだよね?
離れないって・・・。
私たち、離れるの?
いつか?

『前世に、あなたと逢えた』

前世?
どういうこと・・・?

『200年の時を超えて・・・』

200年?
って、ことは。
恐らく、これは来世?の記憶?
おかしな話。
普通、見るとしたら前世でしょう?

『大好き』

また、ふわあっと白い霧がかかって。
姿すら見えなかった。
私たち、離れ離れに・・・?
そんなことない。
それだけを祈って、目を開けた。                                             

907:アーヤ◆PY:2018/01/11(木) 21:53

ちょっとちょっと、リリカさんどうやって夏音が土方さんに間違い告白してからの―
沖田さんとの来世って何!!??

908:匿名:2018/01/13(土) 10:30

今日思ったんだけど、もしかしたら夏音って前世の記憶もあったりするの?

909:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 12:20

>>907
ありがとう!
ある種の伏線だよ( ̄ー ̄)ニヤリ
クライマックスに向けて(まだクライマックスじゃないよ)、解き明かして(?)いくかも。

>>908
うーん。
あるってわけじゃなくて・・・ひょんな事から、ですね。
            
   

910:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 12:33

11,仲間として“好き”

騒がしい。
耳元で騒がれたら。

「今からご飯作りますからっ!静かにしてください」

立ち上がりながら、言うと。
むくれたように斎藤さんが、

「さっきの副長への想いを教えてくれたら、な」

さっきの?
告白紛い(?)の!?
深い意味はないけど・・・。
って言うか、寝言ですって。
でも、みんなから食い入るように見られる。
言わないと、ダメなの?

「寝言ですっ!」

「それだけじゃないでしょう?」

ひぇ!?
ドスが利いた沖田さんの声!
怖い!

「・・・仲間として好きですよ?嫌いじゃないです」

はぁ。
何、これ。
寝言からいきなり本音を言わないといけなくなるなんて。

「良かった!」

斎藤さん・・・。
声に出さないで。
私だって、恥ずかしいんだからね!?

「それだけのワケないと思います」

ひぃ!
沖田さん・・・。
止めてぇ・・・。
もうヤケになった。
なるようになれ!

「頼りになるカッコイい人だと思いますよ!?土方さんのこと!」

途端に、空気が変わった。
何・・・?

「良かったな、歳。報われるな」

はぁ?
近藤さん、嬉し泣き?
当の土方さんは、顔を赤くする。
へっ?

「・・・カッコイい?」

「斬ろうぜ・・・」

うぁ・・・。
怖いよ・・・。
沖田さんと斎藤さんからスッゴい殺気を感じるけど・・・。                                  
                                                            

911: アーヤ◆TQ:2018/01/13(土) 12:58

もう夏音止めてあげてよ!
これだから天然は何を言うかが怖いよなぁ😓
それにしても沖田さんが可哀想だ、有る意味で怖いから孤独感があるからね沖田さんはね、だからってえっ沖田さんが好きだったけれども,土方さんのことが好きになったのを自覚したの異性としてなのかな?

土方さんが真っ赤になったあとの恨みの二人が凄く怖いけども近藤さん応援していたっけ?
からかう感じだった様に応援していたけどまあいまのところは上昇なのかな?


私の小説も更新したよ

912:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 14:07

>>911
ありがとう!
天然の爆弾発言はねぇ…(笑)
異性と言うか、人としてかな?
局長として、だよ。

応援してます!p(^-^)qファイト☆   
       

 

913:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 14:25

12,世界で一番好きな人

ここで斬り合うのはね、いただけない。
 
「ダメですよ!これ以上やるんだったら、夕食抜きで」

途端に、静まる。
ふぅ。
と・・・。

「なんで副長が“カッコイい”んだ?」

へっ?
斎藤さん?
すごいまじめな顔。
マジの話?

「・・ん〜。前の、あのヘンな三人組が屯所を襲って、私をさらおうとしたとき、とか。デート・・・じゃない、逢い引きのときの話がすごい・・・」

なんて言うか。

「強い信念があって、男前でカッコ良かったと思いましたから」

人として、ね・・・。
決意があって。
信念を貫き通す、すごい人だと思った。
あれ?
また空気変わった・・・?
注釈しよう。

「でも、私には他に世界で一番好きな人がいますよ?だから、斬るとかそんな危ない話は・・・」

「誰だ、そいつ!?」

はっ?
誰って?
私の、世界で一番好きな人?
決まってる。

「言えませんよ」

「ええっ!?」

驚いてる斎藤さん。
でも、ごめんなさい。
私が好きな人は、沖田さんだもん。
ちょっと沖田さんを見やれば、浮かない顔をしていた。
ドキッ
すごく、切なさそうな顔。
以前も、土方さんがそんな顔してたよね・・。

「よぅし。今日の夕食は、パスタ!」

わざと明るく言った。
その場の雰囲気を変えるように。                                                                                                     

914: アーヤ◆TQ:2018/01/13(土) 14:58

土方さんと全く一緒の表情するとは,切ないね……
でも斉藤さんの斬るの発言には焦ったけど,好きな人がいると話したら誰だって叫んだのは男らしさがあるよ!
前よりもイケるよ斉藤さん格好いいよ😉👍

915:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 15:44

>>914
ありがとう!
斎藤さんのはただの嫉妬な気が((殴
男気はあるよね(*´ω`*)       

916:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 15:56

13,変わらないキモチ

はぁ・・・。
吐き出した溜め息。
ずうっとあんな感じだし、沖田さん。

「なんだ、この麺?」

原田さん。
いかにも興味津々と言った感じで。

「これは、パスタって言って、スッゴく美味しいですよ」

「美味そう!」

純真だなぁ・・・。
はやく食べたくて仕方ないらしく、原田さんが藤堂さんにからむ。

「平助、作れよう!あっちでも!」

「ええっ!?こんなの、ないし、ムリですって」

もっともな正論。 
作りながら、私は耳を澄ます。

「それをするのが平助だっ!」

ありゃ・・・。
ムチャクチャ言ってるよ・・・。

「皿、洗います」

ええっ!?
藤堂さん、良いの??
って、指が綺麗。

「指、綺麗ですね」

良いなぁ・・・。
まじまじと指を見ていたら。

「あの・・・。そんなに見られると・・・」

あっ!
ごめんなさい。                                          
                

917: アーヤ◆TQ:2018/01/13(土) 16:17

食い意地が久々にやって来たよ、あの時代はさすがに無いからねって言っている間にも沖田さんのテンションっていうよりも切なさ度が上昇してない!!?
悲しさにちゃんと素直に言わないとあれだよ夏音と沖田さん。

まあ沖田さんsideも見てみたい、あの切なさが…ちょっとね……

918:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 17:12

>>917
ありがとう!
原田さんの食い意地は、ヤバいからね(笑)
切なさは結構増えたし(*_*;
向き合わないと解決しない(キリッ)
では、書きま〜す!       

919:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 17:20

「藤堂さん、初ちゃんと会いたいですか?」

ちょっといじりたくなって。
だって、あれっきり会ってないし。
藤堂さんの顔が、複雑そうな表情になった。

「・・・叶わないですよ。今では、そう思ってます」

そうなんだ・・・。
胸が、キュッと締め付けられた。

「それより。夏音も、総司と向き合ってくださいよ。あんなにしょぼくれたの見たことありませんよっ!」

話をそらされた。
でも、一理ある。
実際、沖田さんの周りがどよーんと沈んでいる。

「“カッコイい”発言の後からですよ。ほら。はやく」

ええっ!?
藤堂さんに急かされ、料理を作っている最中ながら、沖田さんのところへ。

「さっ、頑張ってください」

そんな無責任な!
発言の謝罪をしよう、取りあえず。
そっから先は、謝ってから考えよう。                                                  
       

920: アーヤ◆TQ:2018/01/13(土) 17:29

藤堂さんそれ良い安だったよ、沖田さんの周りがどんより空気ってことは土方さんと斉藤さんがな
やっぱりこの二人も落ち込んでいたり(^^)

921:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 18:37

>>920
ありがとう!
たぶんね(笑)
果たして、どうなるのやら←おい     

922:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 18:49

「・・えっと・・・あの。さっきの、“カッコイい”発言なんですけど・・・」

言い掛けると、やっと顔が上がった。
すごく沈んでる。
それは、一目瞭然だった。

「すみま・・・」

「平助でしょう?」

ええっ!?
藤堂さんの案だって、わかったの?
エスパー?
ちょっと半笑いで沖田さんは、

「さっきの『世界で一番好きな人』の事です」

あぁ・・・。
じゃない!
私が好きな人が、藤堂さん!?
全然違う。

「わかります。あの、雰囲気で」

でも。
雰囲気でしょ?
私は、口を開いた。
勘違いを止めないと。

「だからっ・・・」

「間違いない、でしょう?」

私の言葉に被せるように、そんな言葉がもれた。
私の話、聞いてほしいのにっ・・・。
大声で、

「だからっ・・・私の大好きな人は、沖田さんですっ!変わらないキモチです!」

あれ?
キモチは変わらないだっけ?
ところが、リビング中が静まり返った。
へっ?
じんわり頬が熱くなる。
公開告白だ・・・。
黙ってちゃダメだ。
耐えきれない。

「っ!いっ、今は返事しなくて良いですよ?」

わざとらしく忙しいとつぶやきながら、台所に立った。                                   
                                                   

923: アーヤ◆TQ:2018/01/13(土) 19:13

夏音って何勝負なの?

直球勝負なのか変化球勝負どっち!!
実って欲しいよ😉

924:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 21:17

>>923
ありがとう!
直球勝負かな?
いや、変化球かも。←どっちだ
やっと実るかも(*^-^*)  

925:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/14(日) 08:10

14,鈴ちゃんに見られる

あぅ・・・。
めっちゃ気まずい。
斎藤さんとしゃべってるけど、キモチが入ってこない。

「どう思う?夏音は」

へっ?
ん〜・・・?

「私は、粒あんです」

答えたら、困ったように斎藤さんが、のぞき込む。

「大丈夫か?」

はっ?
返答を間違えた?
そしてなぜか急に、あたりが(と言うか全員)静まる。

「お風呂、沸かしますね」

なんとかそれを言って、立ち上がる。
絶対、さっきの公開告白のせいだよね・・・。はあ・・・。

「食べ終わったら、流し台に入れといてください」

それを言って、お風呂に入る準備を始めた。                                          

926:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/14(日) 10:33

「はあ・・・」

頭と体を洗い、ゆっくり湯船に浸かる。
一気に疲れがとれそう・・・。

「私ったら・・・」

よりによって公開告白なんか・・・。
そりゃあ、マンガとかだったら、多少憧れるけど。
現実だと・・・。

「言いにくいよ〜・・」

『返事は?』ってさ。
もうイヤだよ・・・。
あぅ・・・。
のぼせたかも・・・。

「上がろう」

上がって、体を拭く。
パジャマに着替えて。
お風呂場を出て、すぐ。

「わっ・・・?沖田さん?!」

マジメな顔をした、沖田さんが。
私、上がるの遅かった?

「あぁ、ごめんなさい。遅くて。すぐ代わります・・・」

ドンッ
へっ?
あの・・・。
壁ドン!
前のは怖かったけど、今のはドキドキしてたまらない。

「さっきの返事ですけど・・・」

心臓がバクバク。
断られるの・・・!?                                            
       

927:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/14(日) 18:48

ギュッと目をつぶる。

「好きです」

ええっ!?
まさかの、OK??
私は、また熱を帯びてきた頬を触りながら、そっと見上げる。

「その・・・恋人になってくれませんか?」

もちろん、答えは!

「はいっ・・・!」

夢みたい。
いつもなら誰かが邪魔したりするのに。
今日は、誰も邪魔しなくて。
最高だ。
だから、沖田さんの顔が近付いてきても、拒まなかった。
キス・・・。

「・・・わっ・・・」

ん?
今、私たち以外の声が聞こえた。
あたりを見回すと。

「す、鈴ちゃん!?」

真っ赤な顔で、こっちを凝視している鈴ちゃんを発見。
視線に耐えきれないのか、鈴ちゃんが慌てて、

「わざとじゃないの・・・。夏音、上がったかな〜って思って・・・」

途端に私たちは、赤くなる。
鈴ちゃんは、くるっと後ろを向く。
あっ・・・。
嫌な予感・・・。

「夏音がぁ〜!」

わぎゃっ!
そんな事、大声で叫ばないでっ!   
                                                          

928:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/14(日) 21:22

15,“大切な人”と“好きな人”の違い

あぅぅ・・・。
何なの、この状況・・・。
私と沖田さんは、二人して神妙な顔をして、正座。

「確かだな、鈴ちゃん」

「うん!私、見たもの」

ひぁ・・・。
ひどい、鈴ちゃん。
寝返るなんて。
私たち、尋問されるかな?
だって、今の斎藤さんと土方さんの様子だと、そんな感じがするもの。

「・・・で、接吻しそうだったのよう。ドキドキした」

私は、素直に吐いてる鈴ちゃんをギンッと睨み付ける。
要らないことを・・・!

「別に、良いじゃないですか!恋人になったんですから!」

全くもう。
当たり前のことなのに。
鈴ちゃんのせいで、余計な事件に発展したし。

「良くない!」

あれ?
何で、斎藤さんと土方さんの声がハモるの?                                                     

929:萌恵:2018/01/14(日) 21:26

すっごくいつもキュンキュンする☆〜(ゝ。∂)
私の方の小説再開しました!←宣伝野郎


てへ!頑張れー

930:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/15(月) 18:09

>>929
ありがとう!
キュンキュンする?文才ないけどw
宣伝じゃんじゃんしちゃってw←おい
萌恵(タメOK?)さんも頑張ってね!           

931:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/15(月) 18:19

「俺らは、どうなんだよ?」

へっ?
斎藤さん?
『どうなんだよ?』って?
何?

「相手として不足か?」

うぁ・・・。
土方さん、マジのドスを利かせた声はやめて・・・。
不足って・・・。
違うけど・・・。

「“大切な人”ですよ!」

って、前もこんなくだり、なかった?
斎藤さんが、聞く。

「じゃあ、“大切な人”と“好きな人”の違いは?」

ええっ!?
難しいな〜・・・。
でも、私なりに答えはあるんだよね。

「愛しいって言うか・・・。特別なキモチなんです」

ホントだ。
大切な人、だったらそれだけの一括りだけどなぁ・・・。
ん〜。
難しい。

「まあ、恋人って認めてくれますよね・・?」

ちょっと上目遣いで。
途端、斎藤さんと土方さん、真っ赤に。
そして。

「認めん!」

ええっ!?
認められないの?!
そりゃないよ・・・。   
                                     
             

932:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/15(月) 21:19

16,手を繋ぐT

えっと・・・?
私は、そぉっと手をみる。
だって、今、温かいモノを感じたから。
そして、モノの正体を知り、赤くなった。

「・・・ん?おいっ」

ええっ!?
バレたよね・・・。
私と、沖田さんが手を繋いでるところ・・・。

「阿呆かっ」

ひぇ?!
そんな、怒らないでよ、土方さん。

「器、ちっさ・・・」

確かに。
私は、つぶやいた沖田さんと顔を見合わせた。こんなのモテる人が妬く、ところじゃないよね。

「あぁん?」

わぎゃっ!
そんなに睨まないで・・・。
怖いよぉ・・・。
ん〜。
解決策は・・・?
ハッ。
めっちゃ簡単な、解決策があるじゃん!
私は、ニコッと笑いかけた。                                    

933:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/15(月) 21:27

17,手を繋ぐU

私は、笑顔のままで、優しく土方さんの手を繋ぐ。
めっちゃ驚いてる顔だね。

「ほら、これなら。妬かなくて良いでしょう?」

二人分(三人分だっけ?)の温もり。
温かい・・・。
もちろん、斎藤さんが黙ってる訳なく。

「俺も!」

へへ。
めっちゃ温かいね・・・。
次々と、

「俺も」

「私も」

とかで、あっと言う間に全員で温まる。
温もりが通っていて、お梅さん事件の怖いみんなが、優しくなって戻ってきた気がした。

「・・・ふわぁ」

誰かのあくびをきっかけに、あたりは猛烈な眠気に包まれた。                                        

934:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/16(火) 17:52

18,やっとの初キス

白い靄みたいなモノが、ふわんと揺れ。
また、あのときみたいな、あの世に渡りそうなの?
でも、今は斬られてないし・・・。

『夏音』

ええっ!?
靄みたいなモノが色を宿す。
現れたのは、画像(動画?)。
そこに、若いお母さん。
腕の中には、赤ちゃんの私。

『悠・・・見てる?夏音、大切に育てるから』

お父さんの名前?
ってことは、お父さんはもう亡くなってる・・・。

『元気になってね。・・・しがないお母さんだけどね。必ず、幸せになってもらうから』

キュッと胸が締め付けられた。
普段、お母さんは破天荒でよくわかんないけど、ホントは・・・。
なぜかわからないけど、私にはこういう夢を見るときがある。

「ありがとう、お母さん」

それをつぶやくと、白い靄みたいなモノがあっと言う間に遠ざかる。                  
                                        

935:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/16(火) 21:25

ふぁっ!
眠ってた・・・。
あたりでは、みんなが手を繋いで寝てる。

「フフッ・・・可愛い光景」

和むよ。
いっそ、このままで。
争いとかそう言ったモノとかけ離れていてほしい。
・・・って、ぼんやりしてるヒマはないよ。
洗濯物干さないと。

「はぁ・・・」

ちょっと嘆息し、立ち上がる。
迷ってから、みんなに毛布をかけた。
立ち上がるだけで寒い。

「はやく終わろっ・・・ひぁ!?」

つぶやきかけてヘンな声が出た。
なぜか?
だって・・・後ろから抱き締められた。
誰か?
振り向かなくてもわかった。

「・・・やっと、二人きりになれた」

沖田さん・・・。
耳元に感じる、吐息。
ヤバい、この状況は・・・。
こんな時、寝静まってるみんなが羨ましいような、気がする。

「恋人ですから・・・」

あぅぅ!
ヤバい・・・。
心臓がもたない・・・。
私の手から、洗濯物が落ちた。                                                            

936:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/17(水) 17:50

19,綺麗な光景 ※鈴side

ふわぁ・・・。
目が、覚めちゃった。
まだはやいよね・・・。
夏音にイタズラしようかな・・・。
あれ?
私は、首を傾げた。
夏音が眠っていたところは、もぬけのから。

「夏音・・・どこ・・!?」

探して私は、驚きの光景を目にする。
夏音が、沖田(とやら)と接吻をしていた。

「・・・ん。あ、のっ・・」

夏音が、唇を離して何か、言ってる。
気になる。
でも、ついさっきからかってしまったし。
これは、内緒にしよう。
私は、心に決めてもう一度眠りについた。                                         

937:アーヤ◆PY:2018/01/17(水) 21:33

キスだよ、kiss
妬いてた二人も可愛いよ

938:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/18(木) 17:24

>>937
ありがとう!
やっとだけどね(^^;)
やきもちも(嫉妬中)も案外萌える・・・(*´ω`*)      

939:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/18(木) 17:28

20,演技の指導

朝。
うわ・・・。
私は、目をバチバチする。
だって、昨日のキスから眠れなかったから。
目がギンギンしちゃって。

「おはよー、夏音」

鈴ちゃん。
あれ?
何か、顔が赤くない?
・・・って、そんな事より。
今日は、アナザー『かぐや姫』の演技指導があるんだった。

「ごめん。ご飯、パパっと作るから」

はやく行かないと。
私は、眠りこけてるみんなを横目で見ながら、台所に立った。                                  

940:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/18(木) 21:16

「行ってきまーす」

鈴ちゃんに言って、学校へ。
着いてすぐ、多目的ホールに。
そこには、廉をはじめ、いろんな人がいた。

「夏音。遅かったな」

廉に、言っちゃおうか。
ちょっと寝過ごしたこと。
ん〜。
やっぱり、止めよ。
恥ずかしくなるし・・・・。

「では、演技指導と台本を渡します。自主練しといてくださいね」

桜木先生が、優しく微笑む。
隣で、陽菜子ちゃんニンマリ。
ちょっと不安・・・。
だけど、頑張らないと。

「最後の桜星会だもん。頑張ろ、廉」

笑いかけると、廉は顔を背けた。                                   

941:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/19(金) 18:15

21,放課後のヒミツレッスン

「夏音ちゃーん。もうちょっと、演技頑張れない?なんて言うか・・・棒読みみたいに思うし」

陽菜子ちゃん・・・。
私、慣れてないよ、演技なんて。

「夏音」

ええっ!?
廉、どうしたの・・・?
めちゃめちゃマジな顔。

「放課後、多目的ホールな」

ひぇ?!
なんか、勝手に決められたよ!
ん・・・。
帰るの、遅くなりそうだけど・・・。

「わかった!」

みんなに、恥をかかせたくないものっ!                         

942:アーヤ◆PY:2018/01/19(金) 20:10

鈴の無愛想だつたイメージがグッと変わったね、照れているところ可愛いよね😆

943:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/19(金) 21:14

>>942
ありがとう!
鈴ちゃん意外と優しい←
案外可愛いよね←    

944:リリカ@恋歌◆Wg 浅黄に恋する   :2018/01/19(金) 21:24

「ですから、私は結婚などしません!」

廉かぐや姫、かっわいい〜。
でも、私もセリフは忘れたらダメだよね。

「そこを、なんとか・・・」

廉が、考え込む仕草をする。
演技力、ヤバい・・・。
・・・と、話が進んでいき。

「あぁ・・・かぐや姫・・・」

と、求婚者(私)が命果てる。
珍しく廉が、

「上手かったな、夏音」

と、褒めてくれる。
わぁい!
・・・って、私は幼稚園児か。
レッスンも終わりにかかった頃。

「・・・入れろ!俺らは、夏音の保護者だ!」

・・・ん?
斎藤さんの声か?
多目的ホールは一階で、玄関にわりと近い。
私は、恐る恐る近付く。

「あれ?斎藤さん・・・と、みんな??」

インターホンに苦戦してる。
斎藤さんと沖田さん、土方さんがまなじりを吊り上げる。

「帰りますよ!」

いやに不機嫌だね・・・。
ちょっと不審に思いながら、廉の方に向かい合う。

「明日も、よろしくね」

「お、おう」

ぎこちない廉の返事を聞いて、私たちは外に出た。                                                                               

945:アーヤ◆PY:2018/01/19(金) 21:37

兼がかぐや姫でその相手役が夏音だつたんだね、それにしても斎藤さんが夏音の保護者って初耳だったんだけど(^人^)
まあ、今では新撰組の皆が夏音の家族って感じで保護者っというより「家族」だよ😆

946:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 06:32

>>945
ありがとう!
幼なじみのくくり以上の想いがあるからね、廉は(^^;)
まあ自称.保護者なワケで(*^-^*) 
他人だけど、今は家族みたいで温かいよね(*´ω`*)               

947:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 06:43

22,幼なじみの関係性&嫉妬のワケ

歩きながら、私は、沖田さんに聞く。

「なんで不機嫌そうなんですか??」

沖田さんが、額に皺を寄せる。
まさかの怒らせちゃった・・・?

「だってさ、さっきのアイツと行き過ぎてねぇ?しかもアイツ、さり気なく夏音の手を触ってたぜ」

ええっ!?
触ってたっけ?
まあ、あったかもしれない。
でも、沖田さんの代わりに斎藤さんが答えたけど、めっちゃ不機嫌。

「廉(れん)は、ただの幼なじみですよ」

答えれば、斎藤さんが噛みつくように、

「それが問題だっ!絶対、夏音を好いてるぜ・・・」

私は、思わず笑ってしまった。
廉が私を好いてる?
嘘みたい。
・・・って、嘘だよね。
爆笑する私を見、土方さんが、ボソリ。

「阿呆か」

私は、阿呆じゃない!                                                     
                  

948:アーヤ◆PY:2018/01/20(土) 07:15

やっぱり夏音って自分の恋には疎いんだね…
まあ沖田さんと付き合ってる事を言ったら、すぐにも解決だけどね😅

949:さくら:2018/01/20(土) 07:58

おはようございます("⌒∇⌒")
もしよかったら見てもらえたらうれしいです
ご本尊さまと題目がすごいから、ご本尊さまに題目するといっぱい叶ったり治ったり一番よい方向に進みます
ご本尊さまと題目と創価学会のみんなと池田先生がすごいです
「必ず治る」と思って「前 南無妙法蓮華経 全力」って唱えるとどんどん治る方向に進みます
きいてくれてほんとうにありがとうございます

950:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 09:40

>>948
ありがとう!
意外と疎いし天然だよね(^^;)
廉が失恋でね(笑)

>>949
チェンメはお控えください。      

951:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 09:49

「仕方ないですね。今度、廉に言ってやりますよ!」

とっておきの切り札を。
不思議そうな顔をしたみんなに、私はにっこり微笑む。

「私が沖田さんと付き合ってる事ですよ。そしたら、諦めるでしょう?」

途端に、雰囲気が悪化。
私は、慌てて二人の顔(土方さんと斎藤さん)を振り仰ぐ。
一層不機嫌ですけど!?

「・・・って、嘘ですよ?」

慌てて打ち消すと、一気に空気が緩んだ。
と・・・。

「夏音!幕末(あっち)行くよ!さぁ、乗って!」

お母さん!?
なんで慌ててるの??
しかも、タイムスリップマシーンで来たし。

「良いのよ、取り敢えず!」

なんか怪しい。
でも、みんなが乗っていったので、仕方なく私も乗り込んだ。                                                        

952:アーヤ◆PY:2018/01/20(土) 10:47

まだタイムマシンに乗るってことは、もしかしたらこれがラストってこと?
だって最後辺りだよね!?

あと半分頑張って下さい🙇

953:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 14:23

>>952
ありがとう!
うん、最後のタイムスリップだと。
でも、大きな事件があったり・・・(*^-^*)
頑張ります!(書ききれるか不安)         

954:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 14:27

23,Kのエピローグ

神様─────。
私、離れたくないの────。

私と、沖田さんを──────。
ねぇ、ちゃんと結ばれたいの。
愛しさも、恋も、全部知ったのに。

時の流れは、残酷に。
私たちを引き離す─────────。               

955:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 14:37

あとがき

さてさて。
K完結です!
いろいろ伏線を張ってみました!

次作に繋げたいな〜とか、思いましたが、やめました。

やっと!
夏音の初恋が実りました!
作者としてもホッとしてます(笑)
嫉妬中の二人も可愛かったですよね〜。

さて、Lで今作は完結する予定ですが、いろいろ詰め込むかと。
場合により、詳しく触れられない事件等が、あるかもしれません。

Lのストーリーは!
激闘の有名な事件、二人の恋、そして最愛の人との別れ、咲さんとも別れる!?
仲間との永遠の別れ、等。

比較的悲しい話ばかりかもしれません。
Lで終わらなければ、Mへ。
(レスがあるかな・・・)

最後になりました、応援してくださった、アーヤさん。
いつも励みになります!
ありがとうございます!
そして、最後まで読んでくれたら嬉しいです。

では、Lで。

         リリカ                                                                  

956:瑞◆MIZU/j3v.s:2018/01/20(土) 14:42

リリカ〜!もうすぐだね!最近見れなくてごめんね!(´・ω・)
リリカのこの小説が終わったらゆっくり読ませて貰うね!
私は下手だけど頑張ってリリカみたいな小説を書けるように頑張る!
一生応援します!

by 瑞

957:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 14:43

『時を駆けて、初恋*します。』L

登場人物(Kと同じく、主要な人だけに限ります、新撰組は変わらずあのメンバーです)

城里 夏音
本作の主人公。
優しく、明るい。
沖田の恋人。

沖田 総司
新撰組の天才剣士。
優しいが、病気がちで・・・。
夏音の恋人。

土方 歳三
新撰組副長。
一見、意地悪だが根は、優しい。
夏音に想いを寄せる。


新撰組隊士。
女だが、男装。
剣の腕が立ち、沖田に想いを寄せる。
ライバルだが、夏音と仲がよい(?)。                                                

958:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 14:45

>>956
ありがとう!
瑞も頑張って〜←気楽な
・・・じゃなくて、いえいえ、ヒマなときでも(*´ω`*)
私、文才ないよ?
私こそ、瑞みたいな小説書きたいし!
ってことで、お互い頑張ろ〜←どういう事だ                

959:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 14:50

1,私だって!

こんにちは(?)、城里夏音です!
私は、ただいま幕末におります。
新撰組の屯所にいるのだけど─────。

「私だって!役に立ちますよ!」

ただいま、鬼の副長こと、土方さんとバトルをしてる!
なぜか?
理由は簡単!

「んなあぶねぇとこに、女を行かせるかっ!」

倒幕を考える、浪士と戦うらしいけど・・・。役に立ちたいのが本心だ!

「私だけ、へなちょこなんだ・・・。へなちょこだから、出て行きます〜」

ちょっと嘘泣きをすれば、慌てたように土方さんが、

「わかった!考えておく」

と、言った。
ふんっ!
確定じゃないんだっ!                                         

960:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 17:05

2,女だから!?

プンプン。
何よ、『考えておく』って。
私は、不機嫌にそっぽを向いた。

「・・・なんで、私は役に立っちゃいけないんですか??」

私だって、佐々木さんから教えてもらった、剣術がある。
多少────咲さんには劣るけど、役に立つのに。

「おまえ、女だろ」

憐れむように、土方さんが言う。
女だから!?
何それ!
差別だよ!

「女だから!?酷いです!」

思い切り非難すると、土方さんは溜め息を吐いた。
何?

「軟弱だろ、人を斬るんだぞ、俺らは」

そっかぁ・・・。
私は、ちょっと顔をうつむかせた。
でも、諦めてはないからね!                                              

961:アーヤ◆PY:2018/01/21(日) 07:00

私もリリカさんの言葉が励みになります🙇
だけどこれからという切ない別れがやって来るのか悲しいって感じですね

962:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 07:05

>>961
ありがとう!
励みになっていたらすごい嬉しいです(*´ω`*)
めっちゃ切なくなる。゚(゚´ω`゚)゚。
いろんな人たちと別れるからね(T_T)     

963:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 07:20

3,守られるだけじゃない

まだ諦めきってない、私を見て、土方さんはマジな顔になった。
 
「・・・斬るのと、稽古は違う」

そんなの。

「わかってますよ」

感覚とか、だいぶ違うだろうし。
また、土方さんは深い溜め息を吐いた。

「おまえ・・・血に染まったあとの、気持ちはわかるか?・・・決して楽しいとか、嬉しいとかの気持ちではないぞ」

そこだけ、悲しみが垣間見えた。
うろたえる私を見、土方さんは続ける。

「いつだったか、言ったよな。『人斬り』だと。・・・俺には、おまえが斬りたがってるように思える」

私・・・・斬りたがってるの・・・?
私も、役に立ちたいと願ったのに。
表向きは、『役に立ちたい』で、裏は、もしかしたら───────。
話を聞いていた、沖田さんが、

「斬られたら、それでお終いです。そんな残忍なこと、できますか?」

と、聞く。
ムリだ。
人の命を奪う、残酷なこと。
私は、しぶしぶ認めなければいけなかった。

「・・・ムリを言って、すいません。私、『みんなに守られるだけじゃない』って、認められたかったと思います・・・」

言ってるうちに、情けなくなった。
お梅さんのときには、みんなを避けたくせに。今になって、そんなことを言い出すとは。

「私、屯所を守ります。だから・・・」

私は、ちょっと微笑みながら、祈った。
どうか─────。

「みなさん、無事に戻ってくると約束して、戦ってくださいね」

私が一番、不安で仕方ない。
決行の日は、もうすぐだ。

「約束する」

「約束します」

沖田さんと、土方さんの声が重なった。                                                                                                                         

964:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 11:18

4,花ちゃんとお団子

決行の日まで、あと1日。
・・・にもかかわらず、私はのんびり。
散歩がてらに外を出ると、花ちゃんが。

「ん?どうした?」

花ちゃんは、こないだ土方さんに振られた女の子だ。
このあいだみたいな、ケバケバした化粧はしていない。
年相応で可愛らしい。

「あの・・・。あなたは?」

あぁ。
あのときは、女の子の姿をしてたからね。
名字で良いか。

「城里です」

花ちゃんが、ポオッと頬を染める。
熱かな?

「城里さん・・・。ちょ、ちょっと私とお団子食べに行きませんか?!」

花ちゃんが、言う。
お団子・・・久しぶりだなぁ・・・。
私は、にっこり微笑む。

「行く!あっ、私がおごるから」

途端、花ちゃんが照れたようにうつむく。
お団子、美味しいよね〜。                                 
                      

965:アーヤ◆PY:2018/01/21(日) 18:07

戦いで何か起こちゃうの!!??

966:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 18:10

「お団子くださーい」

「あいよう」

ふぅ・・・。
お団子、楽しみ〜。
のどかな時間だな。

「花ちゃん、美味しいね〜」

ところが、花ちゃんはポオッと、

「・・・名前、教えましたっけ・・・?」

と、ちょっと不安な面もち。
そう言や、あのときは女の子姿だったっけ。

「い、いや。可愛いと有名だから」

花ちゃんは、赤くなってうつむいた。
おや・・・?
お団子、美味しいな〜。

「花ちゃんと食べてたら、さらに美味しいよ」

我ながらチャラい。
と、お団子を食べて、花ちゃんとまったりして、その日は終わった。                                           

967:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 18:11

>>965
ありがとう!
けっこう危ない事件が起こるかも(*_*;   

968:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 18:22

5,池田屋事件@

そして。
ついに、決行の日。
しっかりと鎖帷子に身を固めた、みんなを見ていた。

「ご武運を・・・」

密かにかけた願い。
緊張気味の私を見て、土方さんがニヤリと笑う。

「“野良猫”に負けないようにな」

むっかあ!
イライラ!
私は、思わず食ってかかる。

「何ですか!そんな言い方・・・」

と、いきなり土方さんに髪をクシャリとされた。
あぁっ、髪型が〜。
でも、安心させてるのがわかったから、にっこり笑った。

「わかりました!ですから、“野良猫”に負けない仕事ぶりをお願いします!」

ピクッと、土方さんの顔がひきつる。
ニヒヒ。
姿が見えない、沖田さんを心配したけど、私は信じて、みんなを見送った。                                                        

969:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 21:18

屯所に戻り、ちょっと暇を持て余す。
でも、みんなは真面目だし・・・。
私は、今朝もらった、浅葱色の隊服に身を包む。

「なかなか、似合うんじゃない〜?」

姿見がないのが、残念だけど。
私は、腰に刀を差す。
いっちょ前なサムライに見えるよね?

「むふふ。私も、手伝いたいなぁ・・・」

活躍を見たい。
そおっと屯所を抜け出そうと・・・。

「城里!どこ、行くんだ?」

げええっ! 
まずい、よりによって面倒くさい隊士にバレるとは・・・。

「ど、どこも・・・」

隊士は、ニカッと笑った。

「茶を、飲もうぜ」

ふぅ・・・。
案外単純な奴で、助かった・・・。
私は、今度こそ屯所を抜け出して、京の町を走る。                                                   

970:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/22(月) 17:41

6,池田屋事件A

はぁっ・・・はぁっ・・・。
めっちゃ走った。
息が上がって、苦しい。
なのに、みんなの姿が見えない。

「どこなの・・・??」

仕方ない。
至る所をすべて捜さないと。
ちょっと溜め息を吐いて、また走り出す。
と・・・。

「クソッ」

悪態をつきながら、走ってきた侍がいた。
抜刀していた。
血走った目が、私を見つける。

「・・・新撰組の仲間かぁ!」

えっ!?
私が、この隊服を着てるせい?
私は、迫ってくる男の間をすり抜け、男が走ってきた方へと駆け出した。                                        

971:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/23(火) 18:32

人をかき分け、辿り着いた先には・・・。
『池田屋』という、旅館(旅籠)。
キーンッと金属が交わる音。

「やーーーっ!」

叫んで、中に入り込む。
血の臭い。
私は、戦ってるみんなに迷惑をかけないように、二階へと向かう。

ビシャッ

頬に、垂れてきた血が、まとわりつく。
味方の血なのか、はたまた敵の血か。
もしくは、沖田さんのモノか・・・。

「やーーーっ!」

叫び、抜刀する。
今まで助けられてきた。
今は、今こそは、私も力になりたい────。

「夏音さん!?」

敵と向かい合っている、沖田さんが振り向く。私は、返事の代わりに、ズザッと斬り込む。
敵が倒れた。
それと同じく、私は敵に押され、階段から転がり落ちた。

「・・・っ!夏音さんっ・・・」

沖田さんの声が聞こえ、私は意識を失った。                                                                  

972:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/24(水) 19:38

7,池田屋事件B

再び目を開けると、荒い息遣いが聞こえる。
見上げれば、敵に押し倒されていた。
そして、敵の刀が光った・・・みたいに思えたけど。
実際、その刀の刃が、首に当てられていた。

「何・・・?!」

聞けば、名も知らぬ浪士がニヤリと笑った。
ゾッとする笑みだった。

「首を掻ききってやる・・・土産にな」

ええっ!?
と、驚く間もない。
ジワリと、血が出た気がする。
あぁっ、私は、ここで死んじゃうの────?                          

973:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/25(木) 21:14

でも、私の中の、“ナニカ”が目覚めた。
怒りとか、そう言ったモノ・・・。
だから、土方さんの隊が、来たことも知らずに刀をヒュイッと敵に回す。

「・・・アンタなんかに、負けない」

自分でも、ゾッとする声色だった。
すうっと刀の刃を、敵の首へと当てる。
私の刀の刃を当てられた恐怖も、こいつはすぐ感じたみたい。

「お、おい・・・」

焦ったような、敵の声。
だんだん、身体が汗ばんできた。
でも、ここで情けなんかかけられない───。

「夏音さん!?」

沖田さんの驚いた声。
私は、ちょっと刀から力を抜いた。                                     

974:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/26(金) 17:30

「冥土の土産になるのは、そっちだから」

冷酷に言い放ち、刀をしまう。
敵は、青ざめて背中を向け、走り出した。
後ろを、斎藤さんが追う。

「大丈夫でしたか!?」

沖田さん・・・。
ん、なんとかね。
池田屋を出、あたりを見回して、愕然とした。

「これって・・・」

血だらけで、真っ赤。
そして、真っ赤に染まったみんなが戦っていた。

「おい、夏音。おまえは、先に戻れ」

いつの間にやら来た、土方さんに声をかけられた。

「わかりました」

今は、従った方が良さそうだ。                                  

975:アーヤ◆PY:2018/01/26(金) 20:02

夏音って沖田さんと一緒ぐらいに、敵に回したら怖いってことだけだよ…

976:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/26(金) 21:13

>>975
ありがとう!
怒ったらヤバいからね(*_*;
敵に回したら、もうそこでアウト(笑)     

977:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/26(金) 21:18

8,組み紐と多色な布

ふうぁ・・・。
池田屋事件後の、昼。
そろそろ戻ってくるかな・・・。

「あの、布と組み紐を買いに行ってきて良いですか?」

私は、良いことを思いついて、山南さんに聞く。

「なぜ?」

んー。
山南さんになら、教えても良いかな。
私は、山南さんの耳元に口を寄せる。
伝えると、山南さんが微笑んだ。

「尚更、みんなが帰ってくるのを待ちましょう」

うん!
だって、今、不安だもの。
いつまで一緒にいられるのか。
それだったら、せめてみんなの想いを繋ぎ合わせたいの。                                   

978:リリカ@恋歌◆Wg 短編小説板も見てください☆:2018/01/27(土) 11:30

みんなが戻ってきたのは、昼の遅く。
血を浴びた、無敵のカッコイいみんなが。

「お帰りなさい!」

急いで、みんなのもとへ。
斎藤さんが、嬉しそうな顔でニコニコ。

「ただいま、夏音〜」

あっ、出迎えに気をよくしたの?
・・・それよりも!
私は、

「あの、ちょっとみんなで行きたいところがあるんです!今じゃなくて良いから、暇なとき、一緒に来てくれませんか??」

みんなと言っても、幹部だけど。
みんなは、にっこり笑った。
良かった〜。
そして、沖田さんを探す。

「顔色、大丈夫ですか!?」

だって、沖田さんの顔は真っ青だったの。
でも、沖田さんは凛々しく、

「大丈夫です」

と、答えた。
そして、私に聞いた。

「さっきの、提案って・・・?」

私は、笑って、

「みんなの想いを、多色な布と組み紐で結びあわせるんです」

沖田さんは、不可解そうに首を傾げた。
だよね。
でも、きっとその繋ぎ合わせて作った、鉢巻きは一生の宝物になると思う。                                                                    

979:アーヤ◆We.:2018/01/27(土) 18:30

もうクライマックスが迫っているね

980:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 06:22

>>979
ありがとう!
ほんと、クライマックスだよ(*^^*)
(そしてマジメに終わるか心配←)
コメント、いつもありがとう!
『思春期シンデレラ』頑張って(≧▽≦)
応援してます!           

981:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 06:40

そして!
ついにその、暇なときが来た!
みんなで、布を買いに行く。

「ひとり一色選んでくださいね」

呼びかけて、咲さんに肩を叩かれる。
何?

「夏音は、この色だろ?」

手には、なぜか黒色!
ええっ!?

「咲さんらしく、ないですよっ!」

言い返すと、咲さんが驚いた。
そして、しぶしぶ布を変える。
よしよし。
私は、その間に組み紐を選ぶ。

「みんな、買えたみたいですよ」

沖田さんに言われ、私はまた、声をかける。

「じゃ、ちょっと私に貸してください」

みんなに、手渡された布の色をチェック。
紺色、藍色、山吹色、真紅に桜色。
同じ色が何色かあったけど、私的には満足だ。屯所に戻り、私は、裁縫道具を貸してもらう。 
「何をするんだ?」

土方さんが聞くけど、私は笑って答えない。
部屋に行き、縫い合わせる。
針が、チクッと指に刺さった。

「いたっ」

あぁあ、舐めたら治るかな?
この時代に、絆創膏なんてないし。
代わりに、土方さんが水で冷やしてくれた。

「ありがとうございます!」

マジで喜んだら、土方さんがぶわっと赤くなった。
そして、ちまちま作業が続き、深夜。

「できたっ!」

ついに!
多色な布で、ちょっと長い鉢巻きができた。
ホントは、この時代でのみんなの優しさを信じようと作ったけどね。
宝物には変わりない。
喜んで、小躍りしてたら、

「・・・夜中に躍るヤツがいるか!」

と、眠りを妨げられ、不機嫌な土方さんに怒鳴られた。
仕方ないじゃん、嬉しかったもん。

────私は、ずうっと信じていた。
こんな和やかな、新選組を・・・。
悲しみと裏切りに包まれるまでは─────。                                                                                                              
               

982:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 06:53

9,山南さん切腹

その日の、その朝。
屯所がうるさかった。
昼近くでも。
何でも、山南さんが脱走したらしい。

「ええっ!?そんなこと・・・!?」

あり得ない。
池田屋事件後に、鉢巻きのことについて話してたのに。

「俺もだ」

苦虫を200匹ぐらい噛み潰したような、渋い顔をした、土方さん。
信じてたのに・・・。
このままでいくと、切腹だ。
隊を脱走したら切腹が、ひとつの決まりだ。

「私、京に残っていないか、探してきます!」

ところが、土方さんは冷たく言い放った。

「おまえは、明里に話してこい」

明里さん??
誰だ、その人?
あっ、わかった。

「土方さんの好きな・・・イテッ!」

言い掛けて、頭を小突かれた。
痛い。

「バカか。山南さんの恋人だ」

へえっ!? 
山南さん、恋人いたんだ!
びっくり。

「カッコイいし、優しいですもんね〜」

なんか納得。
土方さんに明里さんの居場所を聞き、支度をすると。

「山南さん・・・」

放心状態の沖田さんがいた。
何か言ってあげなきゃ、と思ったけど、土方さんの怒鳴り声が耳に飛び込んできた。

「はやく行け!!」

ひぃぃ!
私は、仕方なく屯所を飛び出したのだった。                                                                        

983:アーヤ◆PY:2018/01/28(日) 12:17

切腹って山南さん斬られるの⁉️

984:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 13:48

>>983
ありがとう!
うん、切腹という形でね…。   

985:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 13:58

明里さんは、綺麗な女の人だった。
仕草とか優美で、美しい。
こりゃあ、山南さんが好きになるよね。
女の私でも、惚れ惚れしちゃうもの。
でも、私は山南さんが切腹すると、伝えないといけないんだ・・・。

「明里さん、ですね。俺、新選組隊士、城里です。実は・・・」

明里さんが、美しい仕草で、じいっと聞き入る。
私が、山南さんが脱走したこと、切腹しなくちゃいけないことを伝えると。

「あぁ・・・ぅっ、・・・嫌!!」

明里さんが、倒れ込む。
私は、とっさに明里さんを抱え込む。
泣き崩れた明里さんを、抱えて家まで送っていった。

「ありがとうございます・・・」

目が真っ赤になった、明里さんに見送られ、私は屯所に戻る。
暗い気持ちだった。
山南さんが、切腹しなくちゃなんて・・・。
いつだったか、土方さんに教えてもらった。

『切腹のときには、介錯をするヤツがいる』

介錯と言うのは、切腹した人が苦しまないように、首を斬り.落とす役目の人だ。

「ただいま・・・」

私は、暗い面もちで、帰った。
沖田さんに、なんか声をかけようかな。
しかし、沖田さんの姿が見えない。
斎藤さんに、聞くと。

「山南さんを、追って出掛けた」

とのこと。
山南さんが抵抗することは、ないと思うけど、無事に帰って来れますように。
どうか、山南さんが切腹しなくてすみますように。
私は、祈りながら部屋に戻った。                  
                                                                 
           

986:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 19:53

そんな祈りも虚しく。
ついに、山南さん切腹の日が、きてしまった。
あぁ・・・。
私は、涙をこらえてその光景を見ることとなった。
戒めるためだ。
脱走したら、どうなるか。
それを見せつけるため──────・・・。

「ひっく・・・」

まだ切腹してないのに、私は泣きじゃくってしまった。
皮肉にも、山南さんの介錯は沖田さんだ。

「夏音・・・」

斎藤さんが、私を抱きしめた。
それと同じくして、ジャッという、肉を切り裂く鈍い音と、何かが落ちた音がした。

「斎藤さんっっ・・・山南さんが・・・」

言葉にならないくらいの、悲しみが押し寄せてきた。
一番苦しいのは、他でもない。
沖田さんだ。

「・・・っ、ひっく・・・」

泣いていても生き返らないのに。 
私は、悲しむのはこの事件だけで充分だと思っていた。

しかし、まだ裏切りと悲しみは終わってくれなかった。                                                            

987:アーヤ◆PY:2018/01/28(日) 21:43

誰か斬ったのか気になるけど、新撰組の皆じゃあないことを祈ります。
夏音は心が強くなって尊敬するよ、悲しいことなのにね…
頑張ってね

988:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/29(月) 19:46

>>987
ありがとう!
ホントに、新選組と出会う前より、強くなったよね(*^^*)
アーヤも頑張ってね!!    

989:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/29(月) 19:53

10,藤堂さん討ち取られる

私は、山南さんがいなくなってしばらく、泣いて過ごしていた。
でも、思えば明里さんの苦しいハズだ。

「泣いてたらダメだ」

この先、誰かが死なないとも限らない。
ずうっと泣いてても埒があかない。

「よしっ、気分変えて沖田さんとデートでも!」

息巻いて、屯所を探すと。
えっと・・・。
沖田さんと、咲さんが向き合っていた。
いつになく、咲さんの顔が真面目だ。
ちょっと訝しげに見てると・・・。

「夏音、伊東さんの話、聞きませんか?」

藤堂さんに話しかけられた。
伊東さん・・・?
イマイチわかんない。

「ごめんなさい」

断って、私は食い入るように沖田さんと咲さんを見る。                                        

990:アーヤ◆PY:2018/01/29(月) 21:22

だんだん気になってくるよクライマックス終盤が。

991:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/30(火) 17:56

>>990
ありがとう!
ホント、終盤だしね…。
スレで間に合わなくなったら、二弾としてスレ立てるね。

          ☆

どうやら、咲さんが告白してるみたい。
うん、邪魔しちゃ悪いよね。

「ごめんなさい」

沖田さんが、断った。
ホッとして、胸をなで下ろす。
それ以外、大したことは何ヶ月かなかった。

けれど────────・・・。

伊東さん率いるグループが、独立し、近藤さんを暗殺しようとしているらしい。
藤堂さんがそんなこと考えるわけない!

「絶対、違いますよ!」 

私が、ずうっと否定していても、最後まで聞き入れられなかった。
そして・・・。

油小路で、伊東さんグループの藤堂さんが、討ち取られた。

「嘘だ!」

私は、グッと唇を噛んだ。
血が出るくらい。
そうしないと、泣いてしまうから・・・。

「どうか、もうみんなが死なないでほしい・・」

祈っても、無駄で。
ある人との、別れが刻一刻と近付いてきた。                                         

992:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/30(火) 18:08

11,さようなら咲さん

鳥羽・伏見の戦いで、新選組が駆り出された。
そんなにみんなを死なせたい幕府なら、滅びてしまえば良いのに・・・。

「行ってくるな、夏音」

咲さんが、男装して刀を持った。
なんだか、咲さんが帰って来ないような───・・・。

そして、私は沖田さんから重要な話を持ち掛けられた。

「これからは、土方さんについて行ってください」

それは、病気のせいなの?
それとも、私が嫌いなの・・・?
沖田さんが、顔を強ばらせた。

「私たちは、出逢ってはいけなかった。もとの世に戻れ」

えっ・・・。
沖田さんは、続ける。

「はやく。もう、二度と逢えるか不安ですけど・・・」

良かった。
私は、嫌われてなかった。

その夜。

訃報が入った。
ひとつは、原田さんが戦死したこと。
もうひとつは、咲さんも戦死したこと。

「これが、夏音宛てに・・・」

私は、届けられた手紙を開く。
達筆に、

『今までありがとう。会津に行くとしたら、私の妹、お雪に「生きて」と伝えてくれないか?それだけで良い。どうか、総司と幸せに。 咲』

と、書かれていた。
さようなら、咲さん─────。
まだ泣いちゃいけない。

私は、零れる涙を拭った。                                                                                 

993:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/31(水) 18:51

12,別れと二つの死

しばらくして、私は蝦夷地に行くことになった。
もちろん、土方さんについて行ってね。

「寒そうですね!」

こんな場合だけど、私はニコッと笑った。
じゃないと、今までの悲しみが零れてしまうから・・・。
 
「だな、防寒をしろ」

だよね、防寒対策しないと!
私は、いつの日も一日一日を大切に、沖田さんと話していた。
手をつないだり、慈しみながら。

別れの日。
私は、少し泣いてしまった。

なぜか、もう二度と会えないような、戻って来れない気がするの・・・。

「大好きです」

二人して視線を絡ませて、キスして。
私は、泣く泣く沖田さんと別れ、蝦夷地へと向かった。                                             

994:アーヤ◆PY:2018/01/31(水) 20:26

また二人戦死してしまったね…
沖田さんとの別れが辛いね。

あと少し頑張って下さい🙇

995:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/31(水) 21:13

>>994
ありがとう!
ついに別れがね…。゚(゚´ω`゚)゚。
はいっ、頑張りま〜す!   

996:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/31(水) 21:23

はぁ・・・。
私は、蝦夷地に着いてから何度目かの溜め息を吐いた。

「安心しろ。便りも届いてる、だろう」

土方さんの言うとおりだけどさ・・・。
と・・・。

「副長!局長が!」

兵士が、ある手紙を渡した。
それに目を通した、土方さんが石化した。

「あぁ・・・」

私は、その手紙を奪い取って見た。
そこには、局長が処されたと・・・。
私は、目の前が暗くなるのがわかった。

その後。

慟哭する土方さんをなだめすかすのがひどく難しかった。
ひと月経った、頃か。
私に、最悪の悲報が入った。

「嘘でしょう・・・!?」

沖田さんが、亡くなった、と。
今度は私が泣きわめき、しばらく誰も手を着けられなかった。
心の一部が欠けたような気がして、ずうっとずうっと泣いた。

「俺は、戦う」

土方さんの決意を聞いて、私は心を決めた。
私だって、戦ってやる。

もう二度と、誰も死なないように───・・。                                                            

997:アーヤ◆PY オンディーヌ(初音)said:2018/01/31(水) 21:52

もう夏音と土方さんだけが残ったの?
斎藤さんはどうなったのか心配だね…

私も更新しました。

998:リリカ@恋歌◆Wg >>999はレス禁!:2018/02/01(木) 19:35

>>997
ありがとう!
斎藤さんは、生きてるよ(*^^*)
頑張ってね!!

※長レスかも 
         ☆
13,戦死と気付いたキモチ 

私は、鉢巻きを巻いて、刀を抜く。
艶やかに濡れたように光った、美しい刀身をスッと前に出す。
よしっ!
シミュレーションはばっちり。

「行ってきます!」

開戦とともに、私は走って敵を斬りつける。
飛び散る血飛沫に知らんぷりして、次の敵へとかかる。
ゾクゾクする喜びに、胸をおどらせてる自分に戸惑いながら。
何時間経ったのか。
私に、不幸の報せが入ってきた。

「嘘だっ!」

私は、なりふり構わず駆け出した。
着いた先に、斎藤さんの姿が見えた。
顔を綻ばせる暇なく、私は横たわってる土方さんに寄る。

「土方さんっっ!死なないでくださいよっ!」

青白い顔が、いや、そのまぶたが震えた。
僅かに目が開いた。

「・・・すまない・・・」

今は、謝る場合じゃないよ! 
私は、必死に止血する。
もう間に合わないと知っていても。
土方さんが、私に向けて、

「・・・俺は、・・・夏音が・・・好きだ・・・」

ああっ!
そんな言葉は、生き抜いてから言ってよ!
私は、涙がこぼれるのも構わず、体を揺する。

「・・・生きろ」

それだけ聞こえて、今度こそ土方さんはまぶたを開けなくなった。
次第に、息すらしなくなって────・・・。

「ああっ!・・・嘘よ!!」

みんな、死んじゃった。
私は、慟哭した。

そして、やっと気付いた。
私、たぶん心のどこかで恋愛感情に似た、感情で土方さんが好きだったんだね・・・。
もう、このキモチは伝えられない。

私は、むせび泣いた。

14,時空のはざまで愛を囁いて

ふいっと、誰かが私の前にたつ。
水干姿の、黒髪の男の子。

「君のお母さんが作った、マシーンは壊れたよ。だから、君も帰るんだ」

帰るの・・・?
その子は、ニコリと笑った。

「最後に、時空を結んであげる。沖田総司に挨拶しにいきなよ」

私の視界が揺らいで、目の前に、沖田さんが!恐らく、元気な頃の。

「約150年後に、また逢いましょうよ、沖田さん!」

声がかれても良い。
私は、離れ離れになるのを覚悟し、叫ぶ。
沖田さんが、ふわっと微笑んだ。

「約束ですね。愛してます」

そして、私たちは時空のはざまで愛を囁いた。                                                                                                                                                   

999:リリカ@恋歌◆Wg >>999はレス禁!:2018/02/01(木) 19:55

15,約束とエピローグ

私は、家の中にいた。
お母さんがいて、いつものように実験室から叫んだり。
そんな、日常の切れ端が見える。

「お母さん・・・マシーンは?」

お母さんは、笑った。
そのお腹は、少し膨らんでる。

「壊れた。直るまで、数年かかるわね」

私は、泣きたいようなそれでいて、笑いたいようなキモチになった。
ちゃんと、約束したよね。
未来(イマ)でまた巡り逢うって・・・。

私は、確かに時を駆けて、初恋*した。
ううん、初恋*したんだよ、絶対に。

時を駆けて、初恋*します。

永遠に、あなたと巡り逢うそのときまで、そのときから───────・・・。

私が再び、沖田さんと巡り逢うのは二年後・・・。

『時を駆けて、初恋*します。』end


あとがき

はいっ!
リリカです。

なんと!
祝!『時を駆けて、初恋*します。』が完結しました!

始まってから約5ヵ月。

いろんな方からの、コメントでここまで来れました。

最後のほう、めちゃくちゃかもしれません、自分で書いといてですね!

私的に、すごくうれしいです!
実は、この後の話を、短編小説板で書こうかと考えてます。
良ければ、そちらも(*^^*)

*thanks*

アーヤ
(いろいろコメントくれてありがとね!励みになったよ(*´ω`*))

ろぉ様
(的確なコメントありがとうございます!また、新選組トークしてみたいです(´V`)♪)


(コメントありがとう!瑞の小説、大好きだよ〜!)

梨子
(コメントありがとね!私も、梨子の文章に憧れてるよ(*^o^*))

むぅ
(コメントありがとね!むぅ、これからも仲良くしようね(´V`)♪)

他にも、読んでくださった方々、ありがとうございました!
>>1000は、感想などで埋めてくださって結構です。
※荒らし厳禁!!!

では、新作で会いましょう。                                                                                                                          

1000:MIA:2018/02/01(木) 21:02

皆さんすごいですね!

1001:1001:Over 1000 Thread

このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててください。


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